昆布が美味い

羅臼の昆布漁を見た時にスタートしたblogです。昆布のダシのように、人生の旅にも味付けをしたい。旅を中心に纏めています。

寂光院03

2006-09-18 | 歴史・文化遺産
「高倉天皇国母建礼門院徳子皇后閑居御所」と案内にある寂光院である。

 平家一門の菩提を弔っているところに、後白河法皇が訪ねてくる。
 「春過ぎ夏立つて、法皇夜をこめて、小原の奥へ御幸なる。
  遠山にかかる白雲は、散りにし花(桜)の形見なり。青葉に見ゆる梢には、
  春の名残りぞ惜しまるる。
  頃は卯月(4月)二十日余りの事なれば、夏草の茂みを分け入らせ給ふに、
  人跡絶えたる程も、思し召し知られてあはれなり。
  西の山の麓に一宇の御堂あり。即ち寂光院これなり」(潅頂の巻)


 境内の表の庭に鉄製の雪見灯篭がある。豊臣秀吉が桃山城にあったものを寄進したものと記録にある。以来この位置に居座っている。
 背後の渡り廊下は書院と本堂を繋ぐ回廊である。この回廊の向こうに回遊式四方正面の庭がある。


シュウカイドウが可憐な風情である。


「鬼百合が綺麗ですね」と言うと、寺の世話をしている女性が「尼寺に鬼百合はどうでしょうか」と言う。話し好きの人だった。


この庭の奥には滝がある。岩清水を引いた三段の滝で落ちる高さ・方向が異なり、それぞれの滝の異なる音色は、一つに合奏するかのように出来ていると言う。


渡り廊下のすぐ下には鯉が泳いでいる。後方に書院が見える。


どの角度からでも絵になる。四方正面の庭である。


堂内撮影禁止で、パンフレットから本尊の地蔵菩薩と、建礼門院・阿波内侍の坐像。
 阿波内侍の母は後白河法皇の御乳母である。従って、この地で建礼門院の付人で生活している阿波内侍の母は、後白河法皇とは乳きょうだいであった。