峠おやじの「たわごと」

峠、自転車、キャンピングカー、野菜、園芸、時事ネタなどをぼやいてます。

香港問題

2020年08月17日 | 時事ネタ
ちょっと遅きに失してはいますが、香港問題です。

元はというと、イギリスがアヘン戦争により1842年、香港島などを中国(清朝)から割譲を受け、後に対岸の九竜半島や周辺の島へ統治が拡大しました。そしてイギリスの統治下、香港は資本主義社会の発展により世界の金融センターの地位を得ました。

その間中国は清から中華民国、中華人民共和国へと変わりました。1980年代、中国の鄧小平政権の改革開放路線で、市場経済を導入しながら共産党一党独裁を維持する体制で進みます。さらに1997年に香港をイギリスから分捕り、特別行政区としました。「一国二制度」の下で、高度な自治や市場経済制度の維持を認める条件で、中国は金融センターのポジションを濡れ手に粟で手に入れました。

分捕りという表現にしたのは、1898年、アヘン戦争後の清国との条約が香港島と九龍半島の一部地域がイギリスの領土と決められていたことです。そして例の99年間イギリスに貸すという約束は香港地域のうち「新界」だけでした。

そんな事情から返還交渉時にイギリスが「新界だけ返す」という意向を中国に伝えたところ、中国政府は反発したそうです。イギリスのものである香港島も九龍半島の一部も中国に譲るよう要求し、法的には自国領土だったそれらの地域をイギリスは譲り渡してしまう決定をします。交渉の中で中国の指導者はイギリスの首相に対し中国の要求に応じなければ武力行使もあり得ると伝えています。イギリスは中国と戦争になった場合、一方的にやられてしまうほどの弱い国ではありませんが、香港島と九龍半島のためにわざわざ中華人民共和国と戦争をする必要は無いと考えたのでしょうか、中国の要求を受け入れ自国領も譲るという判断をしました。

そのときの条件が香港を別行政区とし「一国二制度」の下で、高度な自治や市場経済制度の維持を認めるというものでした。香港地域の自治は香港「返還」後50年の間(つまり2047年まで)認められると英中で1984年に確約されました。

こういう恐喝まがいの方法で分捕り、「一国二制度」の下で、高度な自治や市場経済制度の維持を認めたにも関わらず、中国は25年も経たないうちに「香港特別行政区における国家安全保護法」を制定し、香港の自治に強制介入してきました。

8月10日には香港民主化運動のリーダーである周庭氏らが香港警察によって逮捕されました。もっとも翌日にすぐ保釈されましたので、逮捕者については返還時に制定された香港基本法(1997年7月1日発効)のなかの香港人権条例の
5条(4):逮捕または勾留によって自由を奪われた者は、遅滞することなく拘禁の適法性を審査し、拘禁が不適法なときは釈放を命じられるために、裁判所の面前における手続に付される権利を保障されなければならない。
により、保釈されたようです。

と、変なところで義理堅いわけですが、まずは前の当主国イギリスが否やを唱えないといかんですね。英中共同宣言で50年は二制度だと言っておきながら、都合の悪いところだけ法を変えて取り締まるのは
「契約違反だから香港はイギリスに返せ」
くらい言ってもおかしくないですよね。

有識者によりますと尖閣や南シナ海問題にしても中国は「ベーコンスライス作戦」で来るらしいです。
何のことはない、少しづつ小出しにアクションを続け、エスカレートさせていくことだそうです。
共産党一党独裁だからできる人海戦術、しつこさです。

日本政府は菅官房長官の相変わらずの談話
「関係各省庁と緊密な連絡削暖をとりしかるべき処置をとる」
では何もしない放置プレイと一緒です。

何もしなければ日本の民法でも20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有すれば(実効支配)所有権も移ってしまうという法令(民法162条)があるほどですから、沈黙はダメです。それに外国相手の場合、経済的制裁など対抗措置をとらなければ意思は伝わらず、「遺憾」「遺憾」だけでは何もしないと一緒でいかんのです。

中国相手ならイギリスと結託して香港再返還要求してやるとか中国へ供与したODAの返還を迫るとかしてやりなさいよ。国会議員や政治家はそれなりの報酬をもらってるのだから、議員立法と国益を確保することをもっとやりなさいよ。


ただいまブログランキング アタック中です。
ワンクリック↓をお願い申し上げます。日々更新の励みになります。

岐阜県ランキング
<script src="https://blogparts.blogmura.com/js/parts_view.js" async></script>PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする