照ノ富士の幕尻優勝と横綱にペナルティを

コロナ過で名古屋場所がなくなった大相撲七月場所で、一度は大関になったもののケガと病気で序二段（最低ランク）まで落ちた照ノ富士が幕の内に復帰し、新大関・朝乃山や関脇・御嶽海を下して二度目の優勝を果たしました。



照ノ富士については以前、横綱の器と書きました（照ノ富士、照ノ富士初優勝）。それが横綱どころかドンドン落ちて行ってしまい、全く名前が出てこなくなったのですっかり忘れていましたが、徳勝龍が幕尻優勝した初場所の十両優勝者が照ノ富士だったので驚きました。そして２場所目幕の内にカムバックし、幕尻ながらも初場所のリメイクのように優勝してしまったのですからビックリです。



もともと力はありました。千秋楽で優勝を決めた御嶽海戦でも外四つから両上手を浅く引いての寄りで力強く寄り切りました。以前も書きましたが、こういうことができるのは怪力・栃ノ心とか昔では貴ノ浪くらいしか覚えがありません。しかも大関・朝乃山が上手を深く取ったのに対し、照ノ富士は浅く取り、下手のかいなを返したり、腰を振って上手を切るテクニックで朝乃山を完全に圧倒しておりました。また大関・横綱目指して精進してほしいです。

彼の所属する伊勢ケ濱部屋は過去に名古屋場所に観戦に行ったとき、お世話になった部屋ですから頑張ってほしいです。それから昨日朝乃山を足取りで破り、援護射撃をした照強（てるつよし）が伊勢ケ濱部屋とは知りませんでした。幕内３番目の小兵力士なのに取組前の塩撒きで大量の塩を撒くパフォーマンスで人気があります。昔とキャラが変わって面白い部屋になりました。



ところで、初場所に続いてこういう結果になったのは不甲斐ない横綱陣のせいです。初日に自爆してそのまま休場した鶴竜は問題外ですし、常勝白鵬がずっと全勝で来ていたのに連敗した途端休場というのは何とも解せん。というよりずる休みとしか思えません。大関以下は負け越すと地位が落ちるお約束があるのに、横綱にはそれがない代わりに引退リスクがあります。

それでもこのモンゴル横綱陣は負傷したと称して大怪我になる前に何度も休場し、延命をはかっています。その間に横綱になった稀勢の里は大怪我で引退を余儀なくされました。日本人横綱は孤立無援で責任感が突出してしまうのに外国人横綱はグルになって延命をはかる。

これは大相撲の給金制度に問題があるからです。詳しいことはわかりませんが、８勝以上で勝ち越すと「給金直し」といって勝ち越した数だけ給料が上がって、それは引退するまで加算するばかりで下がることはないようです。だから長く務めるほど給金が高いようです（ご参考）。

上記サイトによると白鵬の力士褒賞金（支給最低年収）は年間で4293万円になるようで、これは懸賞金を除外した数字なので、休場してても貰える金額です。こんなバカなことはあり得ないです。年間で半分しか出場しないのでは責任を果たしていないでしょう。プロ野球だったら減棒間違いなしです。

大関以下に陥落リスクがあるように横綱が休場したら積み上げてきた報奨金を100円単位で落とすようなペナルティを課したらどうでしょうか？横綱は大相撲の大看板で、休場はファンに対する裏切りですからそれくらいの責任感・リスクがあって当然と考えます。いままでの慣習にどっぷり浸かり切って改革をしなかった相撲界がモンゴル勢に舐められているのです。

親方衆や知識人から綱の権威について苦言を呈されても彼らのメンタリティには届きません。実際に懐に響かないと朝青龍以来のヒール気質は変わらないでしょう。


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