肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『アポカリプト』、観ました。

2007-12-30 21:05:03 | 映画(あ行)





監督:メル・ギブソン
出演:ルディ・ヤングブラッド、ダリア・ヘルナンデス、ジョナサン・ブリューワー

 『アポカリプト』、観ました。
マヤ文明後期の中央アメリカ。狩猟民族の誇り高き青年ジャガー・パウは、妻子や
仲間と共にジャングルで平和な生活を送っていた。ある時、その村をマヤ帝国の
傭兵が襲撃する。捕らえられ、他の仲間と一緒に街へ連れ去られるパウ。そして、
干ばつを鎮めるための儀式に生け贄として差し出されるだったが…。
 映画が始まって5分足らずの間にまず一度…、そして、更に10分経過したところで
もう一度…、その後も15分置きに“DVDの停止ボタン”に手が伸びたが、何とかついに
エンディングまで辿り付いた‥‥(笑)。エグいシーンの連続に気持ちが萎(な)えて
諦めてしまいそうになること数度…、長い長い道のりをまるで映画の主人公さながらに
立ち止まることさえ許されず、走り続けたオレはもうヘトヘト(笑)。何故にここまで、
どうしてそんなにして、残酷描写に走るのか‥‥。ますますオレは、メル・ギブソン
という監督が分からなくなっていく(笑)。いや、途中、人間同士が争い合い、殺し合う
過程においてのドキツイ場面ならまだしも、罪のない野生動物たちがさも非人道的な
方法で惨殺されていくのは、観てて不快な気分にさせられた。さて、映画の構成は、
一難去って又一難…、寸(すん)でのところで大きな危機を乗り越えたと思った
そのつかの間、次なる試練が待ち受ける。観る者に息もつかせぬ怒涛の展開と、
ダイナミックなアクションシーンの数々は、さすがはメル・ギブソンの作品らしい
ポテンシャルの高さを感じさせる。しかし、この映画では要所で配置された“過激
描写”に目が行き過ぎてしまって、どうもすんなり観られない。結果として、“娯楽
映画としての価値観”が損なわれてしまった。また、そのテーマ性においても、
オイラは観終わって尚、しばらく考えあぐねてしまう。もしも、この映画が、“恐怖”
によってもたらされる「支配」と、その“文明”から脱却するための「強い勇気」を
描きたかったのだとしたら、やはりメル・ギブソンは大いなる考え違いをしているのでは
ないか。なぜなら、この主人公にとって“真の恐怖”とは、その後方から命を狙いに
やってくる追っ手の恐怖ではなく、愛する家族を失うことであったはず。それが
必要以上の過激描写によって、核心部分に焦点が定まらず、テーマの全体像が
ボヤけてしまった。むしろ、ここでもっと時間を割いて描くべきだったのは、不妊の
一家の行く末と…、暗い洞穴に閉じ込められて尚、夫が助けにくるのを信じて待つ
母子の方だったのではあるまいか。この映画が質の高い人間ドラマとしてではなく、
単なる(エグい)娯楽映画としてしか見れないのは、そんなところに原因の一端が
あったように思えて仕方ない。



楽天市場ランキング・売れ筋DVD邦画トップ30

楽天市場ランキング・売れ筋DVD洋画トップ30

楽天市場ランキング・売れ筋DVDアジア映画トップ30

楽天市場ランキング・売れ筋DVDアニメトップ30

Amazon.co.jp 外国映画トップ100
Amazon.co.jp 日本映画トップ100
Amazon.co.jp アニメトップ100

DMM.com DVD・CD・本・フィギュアホビー販売


DMM.com DVD・CD・本・フィギュアホビー販売


DMM.com DVD・CD・本・フィギュアホビー販売


DMM.com DVD通販CD予約販売


DMM.com CD&DVDレンタル