肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『敬愛なるベートーヴェン』、観ました。

2007-12-07 20:17:27 | 映画(か行)





監督:アニエスカ・ホランド
出演:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グッド、フィリーダ・ロウ

 『敬愛なるベートーヴェン』、観ました。
1824年のウィーン。“第九”の初演を4日後に控え、未だ合唱パートが完成
していないベートーヴェンのもとに、作曲家を志す若き女性アンナがコピスト
(写譜師)として送り込まれる。女性のコピストが現われたことに激怒する
ベートーヴェンだったが、やがて彼女の才能を認め、仕事を任せるのだが‥‥。
 実は、オープニングの数分間を観た段階で、“ハズレ”の予感がなかった
わけじゃない。切り替えが早いだけでうるさ過ぎる編集や、意味もなく
過剰なエフェクト(映像効果)など、そんな“小手先の映像”に疑問も感じ、
どうもすんなり物語へと入っていけない。更に、以降の展開をみてみても、
その晩年、難聴に苦しんだベートーヴェンの苦悩や激しい感情??、あるいは、
女性コピスト(写譜師)アンナとの間に芽生えた奇妙な絆??、そのどちらに
主題が置かれているのかハッキリしないまま、全体に“ボヤけた印象”が
漂っている。それでも、ベートーヴェンの名曲の数々と、それにまつわる
エピソードをたっぷりみせてくれれば、オイラとしては最低限、それでも
良かったのだけどね。そもそも偉人の半生を“たった100分あまり”で
描こうとする自体に大きな無理がなかったのか。ぶっちゃけ、期待をもって
観ただけに観終わった後の落胆の大きさと、消化不良は相当なもの。
やはり、この手の映画を観るにつけ、改めて、かの『アマデウス』の偉大さを
感じずにはいられない。
 まず、最初に断言しておくと、映画はそのすべてにおいて『アマデウス』を
意識して作られている。あらかじめ冒頭で物語の最終地点を開示しておいて、
そこに至る過程を振り返っていくドラマチックな物語構成…。それから
『アマデウス』にみられる“天才と凡人の関係”が、本作ではベートーヴェンと
アンナ、又は甥のカールに置き換えられた人物構成…。更に、その両者間に
立ち塞がる“圧倒的な才能の差”を通して浮かび上がる“神への想い”など…。
ただ、残念ながら、本作の欠陥は、『アマデウス』のサリエリがアマデウスに
感じた“激しい嫉妬”であったり、“憎悪”であったり、“憧れ”であったり、
“憐れみ”であったり…、時と場所によって目まぐるしく移り変わる“スリリングな
感情の起伏”とでもいうのかしら。ところが、この『敬愛なるベートーヴェン』では
それが一本調子で両者の間に“研ぎ澄まされた緊張感”を感じることはない。
よって、物語に艶がなく、登場人物に魅力を感じないのは、そのせいでは
あるまいか。結局、この映画は“『アマデウス』のカリスマ”に近づこうする
あまりに、まるで映画の中のアンナのように、『アマデウス』のスタイル全てを
写譜(コピー)してしまった。
 最後に、エド・ハリス演じるベートーヴェンは、何故か“マッチョな裸”を
見せたがる?(苦笑)、“音楽家”である彼に、やはりそれはどう考えてもヘン…。
何より“ダイアン・クルーガーの美しさ”だけが際立って見えてしまったのは、
映画としてはチョットさみしい。



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