肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『デジャヴ』、観ました。

2007-09-01 20:00:44 | 映画(た行)





監督: トニー・スコット
出演: デンゼル・ワシントン. ポーラ・パットン. ヴァル・キルマー. ジム・カヴィーゼル. アダム・ゴールドバーグ

 『デジャヴ』、観ました。
多くの犠牲者を出したフェリー爆破事件。捜査官ダグは、手がかりを握る一人の
女性の遺体を見た瞬間、奇妙な感覚にみまわれた―「私は、彼女を知っている…」。
その後、彼は特別捜査班の一員として、政府が極秘に開発した《タイム・ウィンドウ》
と呼ばれる映像装置を見せられる。その正体は、現在時間から“4日と6時間前”の
映像を自由に見ることができる、驚くべき監視システムだった‥‥。
 あたかもトニー・スコットらしい“スタイリッシュな映像美”。ただし、彼にとって
それが災いして、ここ数本の作品では“ビジュアルだけ”が先行し、物語の方が
追っついていかない、いわゆる“鼻に付く”ところがあったのだけど…、大丈夫、
この映画に限っては苦にならない。それというのも、この物語自体が、過去と現実の
混じり合う“摩訶不思議な仮想現実”ともいえる内容。トニー・スコットが駆使する
スローモーションや、切り替えの早いアクロバティック映像が、その幻想的な世界観と
ピタリ、マッチしてしているように感じた。
 さて、本来“デジャヴ”の意味とは、初めての場所なのに以前にも来たことがある…、
あるいは、初対面のはずなのに以前にも会ったことがあるような奇妙な感覚のこと。
となれば当然、観る前は“霊的な内容”を予想したわけだが、気が付きゃ、やれ
“7つの衛星・白雪姫”だの、やれ“ワームホール”だの、やれ“タイムウィンドウ”だの、
どんどんSFチックな展開へと突き進む(笑)。しかも、ついには4日と6時間前の
過去に舞い戻り、事件の起きた未来を変えてしまおうとまで。この際、相次ぐ
ご都合主義には目をつぶり(笑)、“この不思議な娯楽映画”に身を任そう。深く
考えなければ、結構楽しめる。良い意味で、見事に予想を裏切ってくれた作品だった。
 改めて、タイトルの“デジャヴ”は、映画のストーリーであまり大きな意味を持たない。
その言葉のニュアンスに近いものが表れるのは、映画もやっと終わりになってから。
むしろ、この映画で“重要なキーワード”となってくるのは、人のさだめとか、運命
みたいなもの。例えば、時間を大きな河の流れだとすれば、その流れの先にある
“最悪の結末”は、すでに“決められた運命”なのか。つまり、人は何をもってしても、
その“宿命”を変えることは出来ないのかってこと。この映画の面白さは、それらの
テーマを、下手な反戦や小難しい理想論に置き換えることなく、手を変え品を変え、
良質のサスペンス映画として存分に見せてくる点だ。やっぱりトニー・スコットは、
この手の娯楽サスペンスを作らせたら、兄のリドリー・スコットよりも断然上手い。
何てったって“職人監督”だもん。製作のジェリー・ブラッカイマーとのコンビも中々
よろしいようで、もう2,3本くらい、このコンビで新作を作ったら良いのになぁ。



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