肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『レディ・イン・ザ・ウォーター』、観ました。

2007-02-15 20:58:41 | 映画(ら・わ行)


 『レディ・イン・ザ・ウォーター』、観ました。
多種多様な人々が集まるフィラデルフィアのアパート。単調な毎日を送っている
管理人クリーブランドは、ある時、中庭のプールで謎の女性ストーリーと出会う。
自らを“水の精”だと称し、“青い世界”から来たというストーリー。彼女を
助けるため、クリーブランドは謎解きを開始するが、ストーリーが“青い世界”へ
戻るのを阻止しようとする怪物が出現する‥‥。
 シャラマン(監督)だから…、と言ってしまえばそれまでだが、奥歯にものが
挟まったような、何ともスッキリしない映画だなぁ(笑)。物語は、“絶望”の世界に
生きる人々が、ひとつの“小さな希望”を見つけ、みんなで力を合わせてそれを
守り抜くというもの。まぁ、映画のスタイルこそ違えど、近年の『トゥモロー・
ワールド』
が同じような(テーマへの)アプローチかな。で、その両者を比較すると、
近未来的なリアリズムを追求した『トゥモロー・ワールド』、一方で“寓話的”な
現代のおとぎ話として描いたのが本作『レディ・イン・ザ・ウォーター』だろう。
ただ、冒頭にも書いたように、本作ではミステリーに手が込み入り過ぎていて、
主人公が抱(かか)える哀しみの深さとか、心の空白とか、テーマの核心部分に
入っていけない。それがあってこそ、やっと物語終盤、堰(せき)を切ったように
“哀しみ”が流れ出す主人公のモノローグシーンへと繋がっていくと思うのだが…。
やっぱり、この手のストレートなテーマはよりシンプルに伝えた方がビシッとくる。
オイラは『トゥモロー・ワールド』の方に一票かな。
 さて、同じくこれもシャラマンらしい…、と言ってしまえばそれまでだが、随所に
遊び心を盛り込んだ構成は、思わずニヤリとさせられる(笑)。例えば、文句の多い
イヤな奴としてインテリぶった“映画評論家”を登場させ、ナーフの謎を解く為に
主人公は彼にアドバイスを仰ぐのだ。当然、ヤッコさん、知ったような口で正論を
並べるが、実は後になってみると全部それが見当違いな解釈ばかりだったと
判明する。しかも、あろうことか、本作で唯一、スクラントの犠牲者として無残に
喰い殺されちゃうのが彼だったりする(笑)。ははーん、ナイト・シャラマン監督、オヌシ!!、
さぞかし映画評論家どのの批評うんぬんには痛い目に合っていると見たッ(笑)。
今回は、その、せめてもの抵抗ということで…(笑)、確かにこのところの監督作を
見ればご苦労続きで、心中をお察しする(笑)。折角、全身全霊を傾けて作ったものを
ケチョンケチョンにけなされて…。全くもって映画監督も“因果な商売”だよな(笑)。

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