肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『黒猫・白猫』、観ました。

2007-02-08 20:34:09 | 映画(か行)





監督: エミール・クストリッツァ
出演: バイラム・セベルジャン, スルジャン・トドロヴィチ

 『黒猫・白猫』、観ました。
マトゥコは間抜けな密輸商。そんな彼が計画した起死回生の石油列車20両の
大強奪。だが、父親に見限られたマトゥコには資金がない。そこで父親の親友
”ゴッドファーザー”グルガに 「父親が死んだ」 と嘘をつき援助を取り付ける
のだが…。
 ボクにとってこの映画は《宝物》、どんな宝石よりも輝いてみえる…。今、
テレビや新聞のあちらこちらで叫ばれている、“命の値段”が下がったとか…、
“人の心”が卑しくなったとか…、そんな事、ボクには分からない。だけど、
ひとつだけハッキリ言えることがある。“命”って眩しいよ、“生きている”って
素晴らしい。それはこの映画がボクに気付かせてくれたんだ。
 さて、この映画に限ってストーリーなんてどうだって構わない。理屈じゃない。
ただ、“映画のありまま”を感じさえすれば良い。スクリーンの外枠からはみ出さん
ばかりのエネルギーがほとばしる。躍動感のある登場人物たち、生き生きとした
人間描写…、ズル賢い奴もいれば、ダマされてばかりの奴もいる。大金持ちの
大地主もいれば、ケチなコソ泥稼業の奴もいる。のん気な楽天家もいれば、
喧嘩っ早い奴もいる。チビもいるし、ノッポもいる。おまけに、ネコやアヒルや
ヤギだって…(笑)。だけど一緒だよ、ここではみんなニコニコ、人生讃歌を
謳(うた)ってる。それにしても、何故だろう?、悲しくもないのに泣けてくる。
この、湧き上がってくる感動は何だろう。そうだ、これが“生の輝き”に違いない、
それを観ながらボクは改めて思ったんだ。常に人を愛し、人から愛される喜びを
感じていたい。友を信じ、友から信頼される関係を築いていたい。いや、仮に今、
そうでなかったとしても、いつかそうなる夢を信じて生きていたい。そうすれば、
世界はきっと“黄金”のように輝いて見えるはず。映画は終盤、肥溜めに落ち、
糞まみれになったヤクザな男を、ダマされてばっかのダメ男クンがホースの
水で洗っている。それを嬉しそうに眺めながら「これが“美しい友情”の始まりだ」
というゴッドファーザーの台詞がニクいぜ。生きるって良いなぁ、人を愛するって
良いなぁ、若さって良いなぁ、人間って良いなぁ。あぁ、ボクは今、生きている。
大地にしっかり足をおろして立っている。それに、この世界は何て広いんだ。
さぁ、明るい未来に向かって歩き出そう。だって、ホラ、自分の周りを眺めてごらん、
人生は…みんなの愛でいっぱいだよ。


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