肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ガメラ2 レギオン襲来』、観ました。

2006-08-22 20:53:36 | 映画(か行)

ガメラ2 レギオン襲来

 『ガメラ2 レギオン襲来』、観ました。
シリコンを活力源に巨大草体と共生して繁殖する宇宙怪獣レギオン。ガメラの
抵抗も虚しく、レギオンの暴走は止まらず、札幌・仙台は壊滅状態に。絶体
絶命の危機がガメラに迫る‥‥。
 怪獣ファンのみならず、一般の映画ファンにも変わらず高い支持を受ける
平成『ガメラ』3部作。中でも、とりわけオイラのお気に入りなのが、宇宙怪獣
レギオンとの死闘を描いた『パート2』なのだ。でもって、ガメラVS.レギオン、
怪獣同士の対決もさることながら、この映画では敵怪獣レギオンの母体から
無数のミニレギオン(羽レギオン)が飛び出してくるのが、何ともユニーク。
まるで小さな蟻が巨大な象を倒すように、数に勝る羽レギオンがガメラを
覆い尽くす場面は、これまでの怪獣映画にはない発想だ。しかも、その親玉の
巨大レギオンが、また強い。血を流し、悲鳴のような呻き声をあげ、耐える
ガメラを観ながら、オレは思わず全身に力が入る。観終わって、こんなにも
肩がこり、感情移入できる怪獣映画も珍しい。それにしても、大きく分けて
対決シーンは、序盤、中盤、終盤と3度に渡ってあるのだけど、その度ごとに
ガメラの登場シーンのカッチョ良いこと。特に3回戦目で、ガメラが空中から
地面に降り立ち、そのまま滑るように火炎放射を連発する場面はシビれるゼ。
ラストの、あのガメラ必殺技はご愛嬌だとしても(笑)、やっぱり怪獣映画の
醍醐味は、怪獣の着ぐるみに人間は入って格闘し、美術さんがご丁寧に(?)
ミニチュア模型で街並みを再現させる。そして、今度はそれを踏みつぶして、
叩き壊す“美学”にある。他はさておき、怪獣映画に限ってはハリウッドより
日本の方が断然面白いね。
 さて、一方で、別の側面からこの怪獣映画を検証すると、そもそも監督の
金子修介という人はアイドル映画出身であるからして、“いつものように”
今回も「実力」よりも「容姿」を優先(?)、水野美紀嬢を主役のヒロイン役に
抜擢する。冬の北海道が舞台でありながら、何故にいつもミニスカートなのさ??
と言いたくなるが、それはソレとして、抱きしめたくなるほど可愛いから
許しちゃう(笑)。いや、それにも増して、武器をもって戦う者、頭を使って
戦う者、ガメラの復活を信じ続ける純粋な子供たち‥‥、それぞれの視点から、
ガメラを…、この戦いを、描いているのが印象的だ。個人的には、最後の
大一番を前に緊張する若い隊員へリラックスを促す先輩隊員とのやりとり…、
たったワンシーンの出演ながらも“人生の重さ”を感じさせる小林昭二さん
(初代ウルトラマン隊長)の台詞など、何度も胸にグッとくるものがあった。
2度目の鑑賞になるが、恥ずかしながら今回も泣きそうになっちゃたよ。