レイヤー・ケーキ

（原題：L4YER CAKE）
【2004年・イギリス】ＤＶＤで鑑賞（★★★☆☆）

英国ロンドンの裏社会を舞台にしたスタイリッシュな群像クライム・サスペンス。

ビジネスマンを自称するXXXX（ダニエル・クレイグ）は、名も無き麻薬ディーラー。相棒のクラーキー（トム・ハーディ）やボディガードのモーティ（ジョージ・ハリス）、テリー（テイマー・ハッサン）らとチームを組み、ロンドンの裏社会を着実に駆け上ってきた。彼らには【常に少人数で動き決して目立つな】【取引は紹介された人物だけ】といった厳格なルールが存在していた。そしてもうひとつのルール【計画に従い好調なうちに引退する】に乗っ取り、この仕事から足を洗おうとしていた。しかし、ボスであるジミー・プライス（ケネス・クラナム）は、有能なXXXXを手放そうとせずに２つの仕事を命令する。１つは、ジミーの友人でもあり裏社会の大物であるエディ・テンプル（マイケル・ガンボン）の娘チャーリー・スペンサー・テンプル（ナタリー・ルンギ）を探し出すこと。そして２つめは、昔ながらのギャングであるデューク（ジェイミー・フォアマン）と取引をし、純度の高い100万錠のエクスタシーを売りさばくことである。引退しようとしていたXXXXだが、有無を言わさずこの仕事を遂行せざるおえなくなってしまう。雑な仕事をするデュークと関わりたくないXXXXだったが、ジミーの側近であるジーン（コルム・ミーニイ）を介して交渉を開始する。だが、デュークが持っているエクスタシーは、セルビアの武装組織のスラヴォ（マーセル・ユーレス）から盗み出した物騒なドラッグだった。スラヴォは、XXXXとデュークが共謀してエクスタシーを盗んだと思いこみ、一流の殺し屋ドラガン（ドラガン・ミカノヴィッチ）を送り込む。XXXXは、次々と迫り来る機器を回避して無事に引退することが出来るのか？



ガイ・リッチー監督の「ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ」や「スナッチ」でプロデューサーをしていたマシュー・ヴォーンがメガホンを取った監督デビュー作品。



主人公のXXXXは、ビジネスマンを自称するだけあって、暴力沙汰やリスキーな仕事は好まない。
仕事である程度成功を収めた。
さぁ、引退でもするか…と思っていた矢先に、ボスからやっかいな仕事を押しつけられてしまう。



そんな状況を上手く立ち回ろうとするXXXXだったが、ジミーには睨まれ、エディには脅され、凄腕の殺し屋に狙われる始末。



「ロック、ストック＆トゥー・スモーキング・バレルズ」や「スナッチ」でもそうだったんだけど、とにかく登場人物がハンパなく多く、しかもクセのある人物ばかり。
アクションではなくストーリーやキャラ同同士の絡み合いを楽しむというテイストは似ているけど、上記２作品のような笑いは少ない。

タイトルである【レイヤー・ケーキ】とは、下っ端のチンピラから上層部のボスまで、裏社会の階層（レイヤー）をケーキに例えた言葉。
一番上は美味しそうだけど、この仕事はそんなに甘くもない。
それとは別に、XXXXに任された２つの仕事には、レイヤーに隠されたように別の真実が存在している。

ハリウッドの映画に慣れている人にはビックリするようなエンディング。
ラストまで主人公の名前がずっと明かされず、これは何かある…と思っていたら…ですよ。

あと音楽はめちゃくちゃいいです。
サントラは映画が公開される前に購入しちゃいました。
UKサウンドに、あんまりハズレってないんですよね。

監督はマシュー・ヴォーン。

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