ジッタン・メモ

ジッタンは子供や孫からの呼び名。
雑読本の読後感、生活の雑感、昭和家庭史などを織り交ぜて、ぼちぼちと書いて見たい。

〔身辺雑話〕鴻巣の花市場セリを見た

2006年06月11日 | 身辺雑話
     鴻巣の花市場
 鴻巣にはフラワー通りというのがあって花の生産農家のがっちりしたビニールハウスが立ち並んでいる。
鴻巣で最初につくられた花がパンジーであり、市の花がパンジーであることから、この花の品揃えが多いらしい。
 終戦直後、鴻巣や隣接する川里村、行田市の一部を含め花卉栽培が盛んになった。
昭和41年頃には2つの花き市場「埼玉綜合園芸」と「鴻巣園芸センター」があって鉢物市場がそれぞれ発展していたが、伸び続ける需要に対応がむずかしくなってきたため、2つの市場を統合しようという機運がでてきた。
平成12年に合体して鴻巣フラワーセンターが誕生した。
いまでは東日本最大級の花き卸売市場として発展しているそうだ。
コンピューターシステムは平成14年9月にオープン。
都心から50キロのほどの地の利の利便性がある市場には、買い付けのため長野、新潟、福島、岩手などからホームセンターや仕入れ業者、花屋さんが集まってくる。
セリは朝7:30からが切花、8:30分から鉢物が扱われ昼ごろまで続く。
階段式の広い場内にはそれぞれの腰掛の前に入力端末があり、買い手はセリ人の声と画面を見て、注文があれば端末に入力していく。正面のセリ人のうしろには街角で見かける大型映像の画面があり、花がそこに映し出され生産者名や「岐阜」「千葉」などの産地名、注文単位やセリ値段などが表示されている。
 会場を見ると花の買い付け人は意外に若い人が多い。
我々のシニア世代だとコンピュータシステムを敬遠、端末に売買注文することにためらいもあって、苦手意識も働くのではないだろうか。
 この注文椅子は300席あるそうだが12月のシクラメンの季節や3~5月の花流通の最盛期にはこの席がすべて埋まって非常に活気づくそうだ。
 本日の場合は150人の買い付け人が座っていた。
魚などの市場ではセリ値は低いところから高いところにの流れだが、花の場合は逆になる。
赤い色の高値からセリ落とされ注文が決まると表示色が青に変わってその価格が表示される。
入力した段階で注文者のIDタグが登録され、次の工程ではそのタグに沿って緑色の伝票などの管理表が花入りのコンテナに張られる。
その管理表を見て花入りコンテナは生産者の車の場所まで届けられる仕組みだ。
商品の確認・チェックをする人海戦術部隊は社員ではなくパートさんたちで行われている。
ここからは力仕事となる。
この雇用形態は季節調整があり、人の動きは花卉の需要と供給にあわせ流動化するらしい。
セリ市場に参加するには20万円ほどの保証金が必要とのこと。
持ち込まれる花はコンテナレールに沿って入ってくるが防犯カメラに似た自動カメラで撮影され映像ビジョン6基に反映されてセリにかけられる。
 この花市場の設備面積は2万平方メートル。
敷地面積は東京ドームの1.2倍あり、駐車場は大型車を入れ600台の出入が可能とのこと。
 寒さに弱いランなどの花や果樹は寒さ除けの温度管理がされている別間で待機する仕組みで、「至れりつくせりだな」と誰かが言っていた。
だが現実のセリはきびしい。
売れるまでセリは行われ、まれには数円で落ち生産者は涙する場合もあるという。
1日単位で取り扱われる鉢数は60万鉢。
年間を通じての花の種類は2000~3000種類だそうだ。
市場の経営は第三セクター方式で運営されている。
鴻巣市が50%出資、新卸売会社や地元金融機関のマネーで市場は「株式会社」化されたとのこと。
いまは順調に流通しているがコンピューターにつきもののシステムダウンは過去に数度起こったそうで、そのときの混乱は大変だったそうだ。
業者は、手ぶらで帰ることはできない。
そのために早朝から詰め掛けているわけで、殺気立った騒然とした空気は想像がつく。
なまの実物を扱っているわけで、情報の世界でのダウントラブルとは質が違うようだ。
通路にも小型のビジョンがかけられていて 本日の種別の花扱いの市況などの情報が流れていた。
花の高値、安値が刻々と示される。
たとえばバラは60~15円 スプレー菊は83~75 カーネーションは45~45 。
利幅が意外に小さいのではないかと思った。
仕入れ値に流通コストなどを載せて商品価格にすれば花は意外に安く納まってしまう。
バラなどは冠婚葬祭業者がよいお得意さんであることを美人の案内嬢から聞いた。


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