江戸の天保期に関心があって、関連した読み物をときどき読んでいるが中世史となると,
まるで話が遠い。ただ先日、町の古文書を読む講座があった折、お茶の時間に講師から網野さんの「無縁・苦界・楽」は眼から鱗でした」と言われ気になった。
網野さんのものは、いままで一冊も手にとったことはなかった。 . . . 本文を読む
なによりも本の扉後にある27枚の口絵がいい。
文中の人間崋山の生きように触れた折々、その絵が解説されていて大変参考になった。
文末にある40頁にまたがる「注釈」のほか崋山の参考文献、索引もしっかりしている。 . . . 本文を読む
入社半年くらいの時期に先輩から「介山の大菩薩峠と双璧のおもしろさ」として吉川幸次郎・清水茂による水滸伝全訳(岩波文庫)を薦められた。
講談語りの文体で読みやすく、面白かった。
水滸伝を読みつつ作った高島さんの語彙辞典はファイル数百冊に及ぶというのだからこれにも驚いた。
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【江川坦庵全集】戸羽山 瀚 巌南堂書店
● 湛山は大先生と目標に
石橋湛山という敬愛すべき政治家がいた。
戦前には「東洋経済新報」で長期戦争化を戒める論陣を張り、戦後には
第一次吉田内閣で蔵相を務めた人だ。この人事、吉田茂の慧眼と思う。
昭和30年8月、湛山は鳩山内閣で通産大臣を勤めていたがその大臣室で「江川担庵 そのニ」への序文を起こしていた。
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