ジッタン・メモ

ジッタンは子供や孫からの呼び名。
雑読本の読後感、生活の雑感、昭和家庭史などを織り交ぜて、ぼちぼちと書いて見たい。

〔身辺雑話〕百寿の猫、逝く

2006年01月22日 | 身辺雑話
カミさん(アーチャン)は越谷の音楽会の誘いを断り、私(ジッタン)もNPO農業大学の有機肥料受講をキャンセル。外は朝からの大雪で、それもあったが、飼い猫マックの容態急変が2人の欠席の動機となった。


マックは、全身真っ黒なオス猫なので「マック」と言う名前になった。
親は野良猫だった。飼って一緒に生活して21年になる。この歳月は巣立った子どもの成長と共にある。
獣医の渡部先生は
「まず、人なら百歳を超えている。表彰もんだな」と昨年太鼓判を押してくれた。
そのマックが3日前、庭先で「ニャーオッ」と吼えるような声を出し、なかなか出入り口になっている敷居窓にやってこない。
出て見ると目やにがひどい。
ひどい風邪をひいたようで鼻汁、よだれも垂れ、歩くのもふらふらしている。
抱き上げてみると、また一層軽くなった。
「たわむれに 母を背負いてそのあまり」啄木の歌を実感する。年々歳々、この猫は軽くなっている。
すぐ渡部さんに連絡し、風邪薬や栄養剤、抗生物質をもらった。
「老衰だな 急にくるからな」と先生も呟いた。
少し食欲が出たがその直後に黄色い液体をたくさん吐いて、以後食べなくなった。
水もほしがらないので小さい布を湿らせて口を拭いた。
アーチャンはオムツを作ってあてがった。
昨夜は2人でマックに添い寝をして看護。
時折、「ニャア」と苦しさを訴えるので、手当てをする。
まんじりともしない夜が明けた。
外はしんしんと雪が降っている。
ストーブで部屋を暖め、その近くにマックの床を敷いた。
夕刻、マックはもう寝返りもせず、静かになった。
息は止まっていたが死後硬直は起こらず、痩せたからだは、まだ温かかった。

2人で小旅行をして帰ってくると、犬が吼えるよりも早くいつのまにか門扉まで迎えに来るマック。
「どこから出てくる?」「どうしてわかる?」と感心させられた猫だった。
食事にはジッタンの太ももあたりをノックして餌をねだる知恵もあった。
平成10年に亡くなった母キミ(享年 90歳)にいちばんなつき、子どもたちの遊び友だちにもなっていた。
どちらかといえば、ジッタンにはなついていなかったが、定年後いやでも顔を合わせてから仲良くなった。
今日はアーチャンと2人だけの通夜となった。
線香をあげながら「マック ひいばあに逢えるぞ」と念じてみた。

      積もる雪 百寿のねこを 見送りて

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