宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」を読んだ誰しも、忘れられない少年の名前…
カンパネルラ
長野まゆみさんというより…。
15年も前の文庫本を手にとったのは、
このタイトル~失われた風景の上に、少年(きみ)の名を書く。
最初のその一行で、すうっと引き込まれました。
深い緑の描写、森の音、色、そのリアルな描写は…
さすが美術大学を卒業した長野さんらしい感性。
ことば、1つ1つの煌めき。夏の川、水の飛沫…。秘密の隠れ処
銀木犀の素描…。
カンパネルラ少年とその異次元の空間
読み終わり、面影が重なる兄夏織とカンパネルラ。澄碧の世界がひしひしと迫る。
この本を読んで、銀河鉄道の夜を読み終わった後の、何とも言えない哀しみの、畏れにも似た緊張感を感じずにはいられない。