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長野まゆみ「カンパネルラ」

2009-03-08 | 小説

宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」を読んだ誰しも、忘れられない少年の名前…

カンパネルラ

長野まゆみさんというより…。

15年も前の文庫本を手にとったのは、

このタイトル~失われた風景の上に、少年(きみ)の名を書く。

最初のその一行で、すうっと引き込まれました。

深い緑の描写、森の音、色、そのリアルな描写は…

さすが美術大学を卒業した長野さんらしい感性。

ことば、1つ1つの煌めき。夏の川、水の飛沫…。秘密の隠れ処

銀木犀の素描…。

カンパネルラ少年とその異次元の空間

読み終わり、面影が重なる兄夏織とカンパネルラ。澄碧の世界がひしひしと迫る。

この本を読んで、銀河鉄道の夜を読み終わった後の、何とも言えない哀しみの、畏れにも似た緊張感を感じずにはいられない。

 

 



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