私の無形文化財調査(先祓舞調査、市委嘱)の仕事はほぼ終わり、報告書の校正作業をしています。今月20日が締め切りで、それが終わると実務は終わりです。
来年度以降は市内3ヶ所で行われているオジナオバナの調査報告です。 オジナオバナの調査は来年の仕事なのですが、今年のオジナオバナが今(3月の春彼岸中に)行われます。
今日は市内3ヶ所で行われる場所(20日が本番)の準備の日で、来年に備えて下調べしませんかと教育委員会の担当から声がかかりました。午前8時半現地集合で、教委2名、私たち調査員3名が、準備の様子を参観しました。
現地に行ってみると素敵な場所です。小川が蛇行し、ブルが雪をならしている場所(田んぼ)がオジナオバナの会場になります。
次第に集まって来る人も増え、近くの山からたくさんの木を切り出して運んできます。そしてそれを組み立て始めました。
調査員である私は「何の木ですか」と聞くと、「ばの木」というお返事です。?と考える私に、仲間の調査委員長さんが「はんの木」のことだよと教えてくれました。
調査委員長さんは素晴らしい方です。もと営林署勤務です。最終の勤務場所は東京の公園だそうです。今は神主さんです。趣味に陶芸の先生、釣り(川)、郷土史研究、HPつくり、山歩き、最近山岳会に参加したそうです。
やがて、藁(わら)を葺(ふ)き立派な小屋ができました。
最後に藁の小屋をビニールシートで覆って今日の作業は終わりです。
さて、この藁の小屋は何の為に造られたのでしょうか。
今月20日には、この地区のおかあさんたちがおでん等を作って子どもたちにこの小屋の中でご馳走をするのだそうです。そして夕方7時にこの小屋に火をつけ燃やすのだそうです。それがこの地区のオジナオバナです。
市内の他の地区には23日に、山の斜面に12ヶ所(閏年は13ヶ所)の火をたくオジナオバナや、上小阿仁や角館で行われる「万灯火(まとび)」や「火ぶりかまくら」のようなオジナオバナも行われます。
オジナオバナの行事はどんな意味を持っているのでしょうか。それを調べるのが私たち調査員の仕事です。時に3人の内で歴史を担当する私の任は大きいものがあります。
先祓舞が神道の行事であったのに対して、オジナオバナがお彼岸の期間中に行われる事から仏教の行事で、祖先の霊を迎える行事です。
しかし、「彼岸」に行われる行事やその意味を調べてみると、単に仏教行事とだけもいえず、神道や日本古来の祖霊信仰(魂祭り)と仏教が習合し、日本独自の先祖供養の彼岸会が行われているようです。
向こう2年間は、オジナオバナ、お彼岸、日本古来の祖霊信仰(魂祭り)などを調べなければなりません。今は白紙の状態ですので徹底して調べようと思います。
どなたか、「お彼岸」に関連した情報、どんなことでも歓迎です。こんな本を読んでみなさいとか、当市ではこんな行事があるとか等々なんでも、お知らせ頂ければ有り難いです。
よろしくお願いします