赤い水性の部屋

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野外活動

2007年06月07日 | Weblog
 当たり前の話だが、学校の教員である以上、宿泊訓練などの指導、引率も仕事である。吹奏楽関係の一般の方は、私が音楽関係の人間だと思っておられるようだが、ただの学校の先生であるから、資源回収もするし、運動会ではジャージになるし、遠足も行く。

 こう見えても野外活動は結構好きなほうで、行事の計画・運営を担当することも多い。野外活動で、最も面白いのが入浴指導。最近は修学旅行などはホテル利用が多く、入植も個別になっているので、このような宿泊訓練的な活動でないと、この集団での入浴という活動はない。当然女子の風呂は女性の先生が担当するので、一般の方々には誤解のないようにしていただきたい。
 さて、入浴指導は、普通の教員では、時間もかかるし、指導もめんどくさいので敬遠される仕事の一つである。しかし、私の場合、この指導だけは、自分がどんな立場であっても買って出ている。なぜならば、生徒と一番近い距離で、一番の思い出となる活動であるからだ。それでは、その入浴指導の様子を一部紹介しよう。
 まず、入浴生徒を全員入室させ、脱衣場で衣服を脱がせる。その後、なぜか全員が整列し、
指導者「整列!ピッ(笛を吹く)」
    「気をつけ!休め!気をつけ!!」
    「番号用意、はじめ!」
 生徒「1,2,3・・・17」
指導者「今から、入浴指導を始める!」
 生徒「お願いします!!」
指導者「コレは集団生活指導の一部である。したがって入浴も訓練である!心して取り組むように。なお、洗髪は禁止。タオルは浴槽につけない。身体を良く洗ってから浴槽に入ること!以上を守り、入浴は5分間!用意、開始!!」
 生徒「はい!」
  「失礼します」(なぜか風呂場に入るときに全員一礼をする)
指導者「おい、お前、洗髪は禁止である!ゴツン!(デッキブラシで頭をたたく)」
 生徒「はい、すいません。」
   「先生!、洗いました。コレで入ってイイですか?」
指導者「バカモノ!まだケツに泡がついておる、しっかり洗え!」

 とまあ、こんな調子で4回転をこなす。この時は半ズボンにTシャツ、ねじりハチマキにデッキブラシ(ちょうどバカボンのパパが風呂屋の番頭をやっているようなイメージ)をもって行うのである。教師になって以来、10年間、このスタイルを守り続けている。当然、状況が状況なだけに、その画像をお見せできないのが残念であるが、この2日後に、ファリャの『恋は魔術師』をタキシードを着て指揮をする人と同じとは到底思えない格好である。
 この指導、おかげで、風呂場の整頓やお湯は最後までピカピカ。脱衣場も水滴一つなく、パンツの忘れ物など、ありえないくらいの厳しい点検である。そして時間も一分もオーバーすることなく進むことから、宿泊施設側からはいつも感謝される。今回どうこうした写真業者の方も、「こんなすさまじい入浴指導は初めてです。いやあ、義務教育の大切さを改めて感じました。先生、感激しました!」などと言われ、一緒に記念撮影まで求められた。
 そしてなぜか生徒は、「ありがとうございました!思い出になりました!」などと感謝の言葉を添えて退出していくのである。

 将来教員になりたい人は、めでたく教師になったあかつきには、ぜひ入浴指導を自ら買って出て欲しい。また、現在、江南中では教育実習の最中だが、実習のプログラムにも、入浴指導法という単位を追加したほうがいいと思っているのは私だけだろうか?