言うまでもなく“4月29日”はかつて『天皇誕生日』で、今の『みどりの日』は来年から『昭和の日』。すでに平成も18年を数え、高校生以下から昭和生まれが消えつつあると思うと、当然とはいえ、感慨深いものがあります。
そこで、昭和天皇と鈴木貫太郎首相、この二人に焦点を当てた感動の一冊をご紹介します。どのように国として太平洋戦争を戦い、終戦に導いたかを描きます。
昭和天皇は立憲君主制度のもとで国民の安寧と平和を愛する優しき国家元首という側面と、ヒトラーと並び称されるほどの非道な戦う大元帥という矛盾したとらえ方があります。もちろん後者は明らかな誤りですが、中韓の政治家だけでなく、『日はまた昇る』の著者、知日家であろうビルエモット氏さえ勘違いしているふしがあります。世界で一番有名な日本人といえば、イチローでもコイズミでもなく、何といっても『ヒロヒト』、ですが理解のされ方が問題ですね。
一方、鈴木貫太郎も海軍の英雄でありながら、日米開戦反対の大演説をぶち上げました。2.26事件の標的となったことからもわかるように侍従長としてひたすら平和を望んでいた姿と、一方で、終戦間際には首相として、沖縄陥落後も本土決戦辞さずの固い意志を持つ徹底抗戦派。一見相容れない二つの人格が存在します。本書はその実像に迫ります。
天皇と鈴木の二人が日露戦争後から第二次大戦後まで、天皇を利用しようとする陸軍や右翼の強硬派、国民の好戦的雰囲気、欧米列強の圧力の中で、命がけで国を守ろうとする姿に感動します。特に鈴木は2.26だけでなく何度も生命の危機を潜り抜け、見事な手腕で終戦へ向けてのレールをひきました。
海軍大将になり、連合艦隊指令長官にまで登りつめたあと、すでに引退していた鈴木は、天皇のたってのご要望で侍従長となります。そこでお仕えしている間に『現人神』天皇の人間性、苦悩を知り、国家のために誠心誠意、戦線拡大を防ぐよう努めますが、2.26事件で銃弾に倒れます。一命は取りとめたものの、ついに歴史の表舞台から完全に姿を消したかに見えました。
ところが歳70を超え、耳も遠くなり、戦局必敗の情勢になってから総理に担ぎ出されてしまいます。その後、この老宰相の命がけの活躍は特に心を打ちます。しかし原爆投下、直後のロシア参戦、そしてついに8月15日の玉音放送。涙が出そうになりました。私にとっての不朽の名作です。
『殉死』をご紹介した折に、司馬遼太郎氏に昭和史を書いて欲しかったと述べたのですが、それを司馬氏の跡を継ぐかのように活躍されているのが、半藤一利氏ですね。実際にお二人はかなり交流があったようです。
聖断―昭和天皇と鈴木貫太郎PHP研究所詳細 |
http://tokkun.net/jump.htm
『聖断』半藤一利
PHP研究所:397p:1785円
TBありがとうございました。
みどりの日が来年から「昭和の日」になるとの情報、どうもありがとうございました。
私個人では天皇陛下=昭和天皇のイメージがあまりにも強く、あのお優しそうな方が悪の権化のような扱いを未だにされている事に対し違和感を感じる1人です。
みどりの日だなんて意味の分からない名前の祝日、非常に違和感アリアリだったので、昭和の日になる事でホッとしました。
それにしても、28日が日本が主権を回復した日だという事、結構マイナーなんですね・・・。
あまりにも話題にならないので、私の勘違いかしら?とまで思ってしまいましたが、ある意味とても意味のある日だと思い記事にしてみました。
それでは、まとまりのない文章で失礼いたしました。
記念日がたくさんできた今日この頃ですが、
国民の祝日がよくわからない名前になっているというのは
どうもしっくり来ませんでした。
「みどりの日」から「昭和の日」になるという情報ありがとうございます。
昭和を忘れてはいけないですし、
その日のいわれも知っていなければいけないですね。
終戦最後の御前会議で、司会を務めた貫太郎さん。抗戦派が発言を続けようとするのを、耳が聞こえないふりをして「意見も出つくしたようでございます。ここでご聖断を仰ぎたい」といったというのを何かでみました。見事!!。
今日も殉国七士の慰霊祭へ行って参りました。今はあまりに間違った歴史教育をされているので、このような話をしてもあまり通じる人がいないが正直なところです。たいしてアクセス数のあるブログではありませんが、少しでも真実を伝えられたら、考えるきっかけになったらと思い、時々社会的なことを記事にしています。(まだまだ私自身半人前ですが)
こちらのブログもまたじっくり覗かせていただきたいと思います。
多くの方が単なる休日やGWの始まり程度の認識で29日を過ごしていたと思います。
昭和の日になれば国民の意識も変わってくると思います。
また文化の日も明治節に名称を復活させてもらいたいものです。
昭和天皇に対する評価は色々と分かれているようですが、自分の国の天皇のことをよく知らない人が大勢いることが情けないですね。
日本では、余り歴史を正しく教えて来なかったためでしょう。正式に昭和の日が出来たら、その機会に、これからは、偏見のない正しい歴史教育をやってもらいたいものですね。
この記事を読んで「聖断」を読んでみたくなりました。
来年からは「昭和の日」になるんですね。「みどりの日」なんてワケわかんない名前よりずっと素敵ですね。
誰が良い、悪いではなく、正しいか、誤っているかということより、どうして戦争が起こってしまったのかということを、深く掘り下げる授業が学校でなされることを期待しております。
わざわざコメントいただきましたこと深くお礼申し上げます。一括したような返信になってしまい、申し訳ございません。皆さんのブログへおじゃましてお礼をのべさせていただきます。