歴史に興味のある人もない人も、春休みにぜひ読んでもらいたい一冊です。
中学生だとちょっと難しいかな。テストのためだけの脈絡のない年号暗記ほどつまらないものはないと思いますが、その逆で、歴史をこれほど生き生きとしたものとして解説してくれる先生は少ないでしょう。
教科書の歴史を否定する、といっては言いすぎですが、いわゆる根拠のない通説とか、誤った思い込みなどを徹底的にはがしてくれるという感じでしょうか。専門的な分厚い本もありますが、本書は若者向けに語り口調で書かれています。
日本人はどこから来たのか、なぜ我が国の名前は “日本” なのか、天皇はどうやって生まれてきたのかなどなど、そもそも論とでもいうようなところから歴史を語っているのが良いですね。
本書では14世紀が日本の歴史のターニングポイントだという認識を元に、その頃の出来事が現代に与えた影響などを中心に考察します。中世は封建制の時代で、徐々に武士の力が皇族や貴族を凌駕するようになるころです。
その中で、“聖なるもの” と “俗なもの” の従来のバランスが崩れていき、文字や貨幣の普及が急速に進んでいきます。同時にそれまで聖俗の「聖」の部分に属していたはずの職能民たちが蔑視の対象となっていく、つまり「えた・」が発生するプロセスを分かりやすく様々な角度から論証しています。非常に興味深い指摘です。
以前ご紹介した『日本史の一級史料(山本博文)』を読みますと、自分で古文書を読んだりして、史料を研究できたら、どんなに楽しいだろうと思いましたが、本書でも 「一遍聖絵」 という絵を史料として、これまでの研究内容とは異なった新鮮な視点を提供しています。
氏は日本史の中でも中世が専門だそうですが、そのあたりの分析や、解説は独壇場、歴史は“科学”だと感じることができると思います。まだまだ日本の歴史には研究が不足している部分、従ってまだ解明されていないところがたくさんあるとしています。
残念ながら、2004年に亡くなっていますが、歴史研究に大きな足跡を残したのではないでしょうか。一方で、政治的な発言も目に付き、私も主張が “偏っているのではないか” と、一時期は敬遠していましたが、本書はおもしろい一冊です。
目次は以下の通りです。
第1章 文字について
第2章 貨幣と商業・金融
第3章 畏怖と賎視
第4章 女性をめぐって
第5章 天皇と「日本」の国号
P.S. 実は本書の続編があって、それもいつかご紹介しようと思っていましたが、本書とその続編を一緒にして文庫化したものが発売されていました。今気付きました。下の表紙のものです。2冊分ですから、こちらの方が良いかもしれませんね。 (409P:1260円です)
ですから、ついでに続編の目次も紹介しておきましょう。本書は両方、入っているということでしょう。
第1章 日本の社会は農業社会か
第2章 海からみた日本列島
第3章 荘園・公領の世界
第4章 悪党・海賊と商人・金融業者
第5章 日本の社会を考えなおす
日本の歴史をよみなおす (全) 筑摩書房 詳 細 |
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『日本の歴史をよみなおす』 網野善彦
筑摩書房:237P:1260円
この歳になると?なのか、あるいは、歴史を一通り勉強すると?なのかはわかりませんが、最近「そもそもどういう経緯でこれが出来たのか」「何故、そういう差別が生まれたのか」等という基本的な事が、時として抜け落ちている事に気づき、無性にその部分について知りたくなることがあります。
当たり前のように言われているけど何で?ってやつです。
それを知ったからと言って、今の私には何の儲け?にもなりませんが、歴史のワクワクする面白さは、そんな好奇心を辿って、「ああ、その時代の裏側にはそんな話が、庶民の生活があったんだ」なんてことがわかると面白いし、歴史は繰り返すな~なんて妙に感心することもあったりします。
あっ、何が言いたかったのかわからなくなってしまいましたが、言いたいことはVIVAさんの言うように年号の暗記以外が本当は面白いね、ということでした。
朝から、ウォーミングアップ代りにコメント欄を使わせていただいてすみませんでした。
朝起きてから、紅茶1杯に、すでにコーヒーも3杯飲んでおりまして、ウォーミングアップは完了して、戦闘モードであります(笑)!夜、8:30分まで頑張らねば。
それはともかく、この本、おもしろいですよ。いろいろな考え方や分析の仕方が、新鮮です。さすがに小学生には難しいでしょうが…。
Juniorはどうですか。頑張って下さい!!!
息子は、9時から3時まで講習、その後自習室に寄って帰ってきます。
「ったく。4年生から塾に行っていればよかったよ。」と言いながら。
「でもさ、恥ずかしくて泣いて行けなかったんじゃないの、4年生の時は。」
と聞いたら、
「確かに。」ですと。アホクサッ。
Juniorクンも長時間頑張ってますね。こちらの塾にも授業終わってから残る子はいますが、小学生はお腹がすくのか、帰る子tが多いように思います。
Juniorくんに負けないように頑張ります!
若い人達には、マンガ「花の慶次」の原作「一夢庵風流記」の作者、隆慶一郎に大きな影響を与えたのが網野さんと言ったほうが一番分かりやすいのかも知れません。
大陸を手前に、日本海を内海にして、左の北海道から右の九州まで、日本列島を真横に眺める地図の印象は強烈でした。日本は大陸とつながっていると実感しました。
また、網野さんは日本国の誕生(倭から日本)と大王(おおきみ)が天皇と呼ばれるようになったのは、天武天皇の次の持統天皇の時代からとはっきり言われている方でもあります。
結構、文筆家には、政治的に偏っている方が多いですね。林健太郎や三島由紀夫やら、、、最近では小林よしのり(本人曰く、右翼ではないですが・・・)でしょうかね。
ただ、そういう人こそ面白いのは事実です。きっと、芯があるからなのでしょうね。
まぁ、個人的に石原氏は好きになれませんが・・・
というか筑摩からの出版なんだ!!
大陸を手前にした地図は確かに私も深く印象に残っています。何の本だったかな?
学問的な裏付けがあれば、右であれ左であれ確かにおもしろい。でも政治利用しようとする意図が見えるとひいちゃうね。
石原さんは(慎太郎だよね)、ちょっと変わってきたかな。いくら大物でも3期は長いね。でもアメリカなんか、パパブッシュ4年+クリントン8年+ブッシュ8年+もしヒラリー8年だったら=合計28年もたった二つの家族が世界一の大国を動かすんだもんなぁ~。
民主主義って何だろう?
悪党・海賊と商人・金融業者って、面白そうですね。
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(´▽`)v
あーりーさん!4連打ありがとうございます。
明日も張り切って、Get up あーりー. です(笑)!おもしろい本書いて下さいよ。