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『日本マスコミ「臆病」の構造』 ベンジャミン・フルフォード

2007年06月29日 | ビジネス書・マスコミ関連


日本マスコミ臆病.jpg


朝鮮総連の中央本部の売買をめぐる詐欺事件で緒方重威・公安調査庁長官が東京地検に逮捕されましたね。この取引には、元日弁連の会長というもう一人の超大物までかかわっていたそうですが、よくわからない事件です。

菅義偉総務相は、「日本人拉致事件に関連のある朝鮮総連に関係すること自体が公職にある者として慎むべき問題だ。このような事件に発展したことは、公安調査庁の存在そのものが国民から問われる重大な事態だ」 と語り、私も確かにその通りだと思いますが、今回の詐欺の被害者は朝鮮総連になっています。


当初は朝鮮総連を救うために違法な行為を共謀してやったということだったと思いますが、それなら管総務相の指摘通り重大事態です。朝鮮総連側が巧みに大物を抱きこんだ事件だったはずですが、今度は総連側が詐欺にあった被害者という構図に変化しています???


昨晩、逮捕・起訴は免れないことを予期した緒方氏が、逮捕直前の単独インタビューをテレビで行い、“今回の事件(逮捕)は官邸主導だ” というのですが、それもよくわからない説明でした。

これまで何度も腑に落ちない事件がありましたが、そういう場合は、権力側と大手のマスコミの間に共通利害のようなものがあって、めったに真相が表に出ないという気がしますが、今回も何かいやな感じの事件です。事件の背景に関して、マスコミからはいまだ、納得のいく報道がありません。


以前ご紹介した、『日本がアルゼンチンタンゴを踊る日』の著者、ベンジャミン・フルフォード氏が、本書では日本のマスコミについて、大いに批判的に書きました。こういう事件があると思い出す一冊です。


そもそも、かつて氏が日本のマスコミ(日経新聞) に籍を置いて、ヤクザ関連の記事を書くことを上司に止められたのが、その活動の原動力になっているかのようです。

よく批判される記者クラブの制度の問題点はもちろん、なぜそういうものを守る勢力が日本には強いのかということに言及します。そのしくみを温存したがっている勢力は大手マスコミや官僚に限らず、裁判所や警察までふくまれていると指摘します。

そう言えば、本書に出てくる武富士。拙ブログでも、その問題点を鋭く突いた一冊『武富士サラ金の帝王 (溝口敦)』 を取り上げましたが、その悪徳ぶりをひどく批判していた朝日新聞が、武富士から高額の広告宣伝費をもらっていたことがかつて報道されましたね。

警察までもが、不祥事を告発したジャーナリストや闇とつながっていると思われ、武富士の会長のインタビューが掲載されています。こうなると、いったい正義はどこにあるのかと絶望的な気分にすらなります。

目次は以下のようなものです。


1 人質
2 小泉純一郎
3 記者クラブ
4 皇室
5 武富士
6 NHK
7 ソニー&松下
8 差別
9 住専
10 堀江貴文
11  私はこうしてジャーナリストになった



一口に言えば、日本のマスコミはみんな臆病だと言っています。

皇室報道は最も典型的だそうです。その点においては週刊誌や右翼の街宣車の方が真実を伝えている場合が多いとも述べています。 マスコミだけでなく、国全体が悪に覆われてしまっている印象で、日本人にはおそらく書けない内容でしょう。

とここまで書いて、いや宮崎学氏が 『地下経済ーこの国を動かしている本当のカネの流れ』 を読んで、本書と似たような読後感を持ったことを思い出しました。

いずれにしろ、非常に刺激的な本で、マスコミの問題点に興味のある方にはお薦めします。

ただ、上に挙げた “アルゼンチンタンゴ~” や、そのあとの 『ヤクザリセッション』を読んでいる人にとっては、重複する部分が多いため、新鮮さに欠けるとの印象は否めないのではないでしょうね。

もう一つ…、ベンジャミン・フルフォード氏は先日取り上げた、『
さらば外務省
』の著者、夏の参議院選挙に出馬を表明した天木直人氏を応援しているようです。また、創価学会に関しても 『イケダ先生の世界』 という著作があります。




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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Dan)
2007-06-29 20:46:11
世の中、よくわからない事件が結構ありますよね。
なんだかありすぎて、もうそのことに慣れてしまい、疑問に思うことも少なくなってしまいました。
いろんな所が裏で繋がっているのでしょうが、一般の人たちは、マスコミが報道してくれない限り、どこでどうなっているのかわからないし、報道してくれたとしても、真実を全て語っているわけではないので、真相は闇の中ですね。
記者さんたちも命が大切ですから、真相を暴いて、命を落とすなんてことはしたくないはずですよね。
VIVAさんがおっしゃるように、「正義」って一体どこにあるのでしょうね。

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はじめまして。 (nimsel)
2007-06-30 01:17:20
はじめまして。
灘校の木村先生の『国立大学リーディング超難関大学編』のコラムを読ませていただきました。日本の受験英語が現在の形態である理由について分かりやすくまとめられていて、迷いがちな受験生のためになるだろうなぁと感じました。


ところで、僕は近年の露骨な報道規制にはほとほと呆れてしまってTVも見なくなりましたが、臆病というより一種の狡猾さのように受け取っています。この5、6年の報道がどのように描かれているか関心がありますので、参考にさせていただきます。

それでは、失礼します。
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Danさん (VIVA)
2007-06-30 01:28:06
本当ですね。お書きになっていただいたように、命にかかわるというのはきっと大げさではないんでしょう。今回の詐欺事件は本当にどうなっているのか、一人暮らしのお金持ちの老人を狙って、財産を奪うならともかく、あの強烈で何をするかわからない朝鮮総連に対して、その総本山である建物をだましとろうという気になるもんなんですかね。信じられないのですが…。
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nimselさん (VIVA)
2007-06-30 01:45:56
はじめまして、VIVAと申します。そうですか、誤植のあるコラムをお読みいただき、うれしいような、はずかしいような…、ありがとうございます。nimselさんのコラム、ああいうまとめ方をすればよいのかと、私も勉強になりました。

マスコミ問題は、語ればきりがないですね。まぁ、見方によって臆病だし狡猾とも表現できますね。本書はストレートに分析しています。おもしろいと思いますので、参考になさって下さい。

拙ブログへのご訪問およびコメントまで頂戴し、ありがとうございました。よろしければ、これからも時々お付き合い下さい。
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まいったなぁ! (ysbee)
2007-06-30 11:26:51
この本もまたまた面白そう、と思ってamazonへ行きましたら、
芋づる式に、中丸 薫、船井 幸雄、副島 隆彦......と書評を伝って、飛鳥 昭雄まで行ってしまいました。
ぜ~んぶ面白そう!

テレビや新聞は、偏向とか世論操作と言われている日本で、
この手の本が堂々と出版されていて、
読者も相当数いるようなのが非常に面白い現象です。
どの程度まで信用されているのでしょうね。
真偽はともかくも、全部一度読んでみたいです。
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ysbeeさん (VIVA)
2007-06-30 19:26:35
そうなんですよ。この手の本は堂々と出版されて、それこそベストセラーにまでなっているのに、現状はゆっくりとしか変わらない。

個人的な感想ですが、マスコミはゆっくり変わっていると思います。有権者も政治家も変わってきましたが、官僚機構は変わらない。そんな印象を持っています。
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