大分県の教員採用や昇進などに関する、校長や教頭と教育委員会などのからんだ汚職事件は底なしの様相です。
個々の教員の不祥事が報じられるだけで、ただでさえゆらいでいる学校の信頼が危うくなる気がするものですが、今回の事件は教育界に絶望を抱かせるほどの衝撃でした。大分県の生徒、ご父母の動揺はいかばかりでしょう。この混乱が収まったとしてもぬぐいがたい不信感が残ってしまうような気がしてなりません。
教育委員会と教員組合が結託しており、試験の答案は即座に処分され、また議員の口利きまでも…、というのですから、そうなると外部からはまったく見えない採用の過程だったのだとわかります。
どの新聞も当然、社説でこの教員採用汚職の問題を取り上げていますが、すべて共通して、“大分以外にも~” と言及しています。
本書は以前ご紹介しましたが (以前の記事 ⇒ 『学校が自由になる日』) 今回の大分の事件を受けて、もう一度取り上げたいと思います。学校や教育委員会などの何が問題なのかを、三名が独自に分析し、その対策などを提言します。
目次は以下のようなものです。
学校の何が問題なのか(二つの尊厳観;日本的メンタリティの構造 ほか) 少年犯罪と新少年法(「コンクリート詰め殺人事件」の取材から;「犯罪の底」が抜けた ほか) 学校の閉鎖性―なぜ学校は閉じるのか(事件の経過;口を閉ざす二つの理由 ほか) 学校リベラリスト宣言(中間集団全体主義;いじめ問題 ほか) 自由な学校、自由な社会の設計(リベラリズムの射程―「学校リベラリスト宣言」を読んで;共生の・B>エ理を探る ほか) |
何と、千葉県の教員の6割くらいが、世襲のような二世教員ばかりだというではありませんか。教師という職業が既得権益化しているという指摘です。
これを最初に読んだ時は、本当なんだろうかと目を疑いましたが、今回の大分の事件を聞いて、すぐに本書の指摘を思い出した次第です。もちろん公平に採用されていれば、大分とはまったく無縁の現象ですが、あまりにも先生という職業が特別視され、グループ化するのは良いとは思えません。
実際に、これまでも他府県で教員採用などの不正が摘発された事件もありますし、いまだに教員採用の基準が曖昧なままになっているところも多いようです。
一昨年に大きな問題となった、生徒の相次ぐ自殺と教育関係者たちのその対応。さらに全国に広がっていた、高校の未履修の問題。
いずれも根が深い問題だと感じましたが、そもそも採用の段階から組織ぐるみで不正があったという、今回の大分の事件は、日本の公教育の信頼を根底から揺さぶっていると感じます。
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調査権限を持っている人自身も関与していたりして。
他のどの都道府県にも飛び火しないですね。他の教育委員会は、どんな気分で今の状況を眺めているのでしょうね。
皆が知っていても、誰も知らないことになっている、そんな不思議なからくりがあるように思うのですが…。
新聞などによれば、自治体によっては採用基準を公表しているところもあるそうですが、まだ少数だとか。これでは教員になろうという意欲ある若者は減る一方でしょうね。
お元気ですか?
以前、お邪魔させていただいたとき、
ずっと更新がなかったので・・、
勝手にもお止めてしまわれたかと思ってました。。。
でも、また今日こしてアップされてみえたので、
ホント安心しちゃいましたっ
よかったぁ☆
そうそう、
あたし久しぶりに本を買ってみたんです。
ずっと、変わらず、
お菓子やパン、お料理ものばかりで、
活字は数ヶ月ぶりかしら!?(笑っ)
「食堂かたつむり」
本屋さんで目に付く場所で平置きされてますっ
きっとVIVAさんもご存知かな?
まだ買ってなかなか読書の方は進んでないんですが。。。 アセアセっ
かわいらしい本ということで楽しみにしています~♪
ご無沙汰ばかりですみません。
そうなんです。昨年の途中から急に仕事が忙しくなってしまい、本は読んでいるのですが、きちんと整理して記事にする余裕がなくなってしまいました。
その間でも時々、のぞいていただいたり、コメントをいただくことがうれしくて、また少しずつ書いていくことにしました。
Elle さん、本当にコメントをいただきありがとうございました。これからもよろしくお願いしますね。
お読みになった本の感想もぜひまたお知らせくださいね。