前回の 『入試に出題された本』 また、『教育に関する本』 の特集に関しまして、さまざまなご意見、ご質問などをいただきました。もっと紹介して欲しいとのご要望がありましたので、とりあえず当教室の講師陣が注目した書籍、5冊を追加いたします。
『その日のまえに』 重松清著 (文藝春秋 1500円)
★芝中学・筑波大附属中学など出題★
その日のまえに
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重松氏の本は中学入試に毎年のように出題されている。しかし本書が出題されるとは・・・というのが率直な感想である。その内容は生と死をテーマにした、短編から成っており主人公も大人が中心なのである。泣けるという評判の本書であるが、意図的に泣かせようとする感じはなく、淡々と死をテーマに日常を書き綴ったもので、それだけに好感が持てる。また短編それぞれが独立しているように思われるが、実はカラクリがあり、凝っている。親子で読んで、感想を語り合うには最高の一冊だと思う。
『希望格差社会』 山田昌弘著 (筑摩書房 1945円)
★北海道大学法学部出題★
希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く 詳細を見る |
日々の勉強、仕事、暮らしに追われていると、社会を俯瞰するということがなおざりになってしまいます。親の所得格差が子どもの教育に重大な影響を与えることをデータで示した苅谷剛氏、ベストセラー『下流社会』を著した三浦展氏などのおかげで格差というものにかなり注目が集まるようになって来ました。山田氏はより広範にデータを収集し、格差の正体は『お金』ではなく『希望』であること、さらにその対処法を提言します。気鋭の社会学者が、ニューエコノミーの時代に何が起こっているのかを鋭く分析した一冊です。来年もこのテーマは必ずどこかで出題されます。
『取材学』 加藤秀俊著 (中公新書 660円)
★慶応大学法学部出題★
取材学―探求の技法 詳細を見る |
『女子マラソン』 宇佐美彰朗著 (ちくまプリマーブックス1155円)
★鴎友学園女子中学出題★
女子マラソン―どうして強くなったのか 詳細を見る |
『Jポップとは何か』 烏賀陽弘道著 (岩波新書 780円)
★中央大学経済学部出題★
Jポップとは何か―巨大化する音楽産業 詳細を見る |
http://tokkun.net/jump.htm
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重松さんの本の中で一番好きなのは、「きみの友だち」です。これは本当に、文句なしでいい本だと思っています。
たくさん良書をご存知のようですから、ぜひぜひおりにふれて、コメントいただけるとうれしいです。
『その日の前に』は実は他の先生のコメントで、私は未読です。読んでみようかな。
個人的には、一番最後の章が好きです。
重松さんの本はいつもものすごく苦しいけれど、この本は内容の割には、淡々とした印象を受けました。