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炭素14問題

2021年03月12日 | 未分類
 福島第一原発事故で、「海洋に(薄めて)放出する」予定の放射能汚染水だが、グリーンピースが、新たに危険性を指摘している。それが「炭素14問題」である。

 そもそも、汚染水海洋放出問題は、東電と政府規制委の説明によれば、来年2022年夏頃、「137万トンのタンク容量が満杯となって、その後の見通しが立たないから」ということだが、真実は、単に東電が「株価を守り、保管費用を節約して幹部の給与・退職金原資が減らないようにしたい」というホンネにすぎない。

 東電が隠しているタンク建設用地の空地
 https://news.yahoo.co.jp/byline/kinoryuichi/20201223-00213894/

 上のリンクでは、実際には、2024年まで持ちこたえるだけのタンク建設用地があると指摘している。
 また、小出裕章氏が指摘しているように、老朽化した超大型タンカーを借り上げてフクイチ港に接岸して汚染水を入れておけば、向こう10年は楽に保管可能とされる。
 航海しないタンカーの耐久寿命は、半世紀以上あり、補修すれば100年でも使える。

 東電が汚染水をトリチウムというなら、その半減期は12年余、ほぼ無害になる千分の一減期は120年余であり、無害になってから放出すればいい。
 だがALPSは欠陥だらけの放射能除去設備で、実際には、ストロンチウム90など60余種の危険な放射能が、排出基準を大きく超えて含まれていることが明らかにされている。
 https://www.nishinippon.co.jp/item/n/657128/

 福島第一原発 トリチウム放出計画について 2019年12月24日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-975.html

とうとうフクイチ放射能汚染水、海洋放出へ……東電の株価を守るために 2020年10月16日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1281.html

汚染水、浄化後も基準2万倍の放射性物質 福島第一原発 朝日新聞2018/9/28
 https://www.asahi.com/articles/ASL9X6HQ3L9XULBJ014.html

 実際にはトリチウムではない。はるかに危険なストロンチウム90や、浄化困難なプルトニウムなどの核種を海洋に放出するのだ。
 そして、グリーンピースが、その中に炭素14という、年代測定法でお馴染みの核種が含まれていて、非常に強いDNA遺伝子毒性があることを明らかにした。

 放射能汚染水、本当に海に流していいの? DNAを傷つける炭素14が含まれていることが明らかに エネルギーチーム 鈴木 2020-11-06
 https://www.greenpeace.org/japan/nature/story/2020/11/06/45846/

 以下引用

 放射能汚染水、本当に海に流していいの?

 東京電力福島第一原発敷地内に、放射能汚染水が溜まり続けています。その処理方法として、政府と東京電力は、水で薄めて太平洋に流す方法を取ろうとしていますが、日本全国や国際社会から寄せられる批判の声のためでしょう、まだ、決定はされていません。実は、東電が「処理水」と呼ぶ汚染水には、DNAを傷つける恐れがある放射性物質が取り除かれずに残っています。
 なぜ、そのような放射能汚染水を太平洋に流そうとしているのでしょうか?海と私たちの健康を守るために、私たちはいま何ができるでしょうか?

「処理水」は「汚染水」東電福島原発敷地内で溜まり続ける放射能汚染水。

 東電は、溶けた核燃料を冷やすために、毎日大量の水を原子炉に入れています。また、山側から海側に流れている地下水が原子炉建屋に流れ込んでいます。これらの水は高濃度の放射能汚染水になっています。毎日溜まり続ける放射能汚染水は、合計で100万トンを超えています。
 この水は、事故で溶けた燃料棒のかけら(デブリ)に含まれる放射性物質に触れたものです。

 トリチウムだけではない「汚染水」

 東電はこの水のことを「トリチウムを除く大部分の放射性核種を取り除いた状態でタンクに貯蔵しています」として、「処理水」と呼んでいます。トリチウムとは、三重水素とも言われる放射性物質で、取り除けないとされています。東電は、リスクが低いと受け取れる説明をしています。

 しかし、トリチウムのエネルギーは低いものの、体内に取り込んでしまうと内部被ばくのリスクがあります。
 さらに、トリチウム以外の放射性核種も取り切れていなかったことが2018年夏に発覚しました。セシウム、ストロンチムなど62核種の放射性物質を取り除くはずの設備「ALPS(多核種除去設備)」を使用していますが、「ALPS」で処理した汚染水の8割に、基準以上の放射性物質が残っていたのです。

 最近になって浮上したDNAを傷つける「炭素14」の問題
 
 そして原発が爆発してから10年が経とうとする最近になって、ALPSで取り除くことのできない「炭素14」の問題が浮上してきました。
 炭素14の半減期は5,730年です。
 環境中に放出されれば、炭素14は気の遠くなるような年月の間、周囲に影響を及ぼし続けます。

 炭素は、人体を含むあらゆる有機物にさまざまな形で組みこまれています。そのため、炭素14は、いろいろな生きものの身体に取りこまれることで、放射線被曝によって遺伝子を傷つける恐れがあります。

 フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)発行の「放射性核種ファクトシート炭素-14と環境」は炭素14について以下のように説明しています。
 「炭素14は細胞構成成分(タンパク質、核酸)、特に細胞DNAに組み込まれるためその結果として、分子の切断を伴うDNA損傷が生じ、細胞が壊死したり、突然変異が誘発したりする可能性がある」

 炭素14の除去は可能

 そもそも東電は、東電自らが2014年に出した資料で、ALPS処理前と処理後の水の中の炭素14濃度は検出限界以下と報告していました。
 しかし、データに疑問点があることから、東電が検討した結果、炭素14の存在が浮かび上がったのです。

 東電福島第一原発の汚染水のような液体廃棄物からの炭素14の除去は可能であり、IAEAの資料にも記載されています。今後、炭素14への対応についても注意深くみていく必要があります。
 万が一、炭素14が海洋放出されれば、その影響は数万年にも及ぶからです。

表:ALPSによる「除去」の対象となる62の放射性核種のリストとその半減期(東電の資料などよりまとめ)
 
housyuturlist.jpg


 なぜ政府と東電は海洋放出しようとしているの?

 この事実は、グリーンピースが汚染水の問題について分析した報告書「東電福島第一原発 汚染水の危機2020」で詳しく説明しています。
 報告書ではこのほかに、「2022年までに汚染水を保管する場所がなくなる」、「汚染水ではトリチウム水であり、トリチウムはリスクが低い」、「海洋放出が唯一の現実的な選択肢」、など海洋放出するために政府や東電が語ってきた「神話」について、それらが事実ではないことを説明しています。

 政府と東電のこうした「神話」は、経済および政治的理由からつくられたものです。

 海洋放出は最も経済的に「安い」選択肢であるだけでなく、汚染水を保管するタンクがなくなることで、廃炉が順調に進んでいる、原発事故はもう終わった、というイメージ戦略に役立ちます。

 でも現に、東電福島第一原発事故の影響は、福島県の住民はもとより、国境を超えて世界中の人々にとって脅威であり続けています。にも関わらず、海を守ろうという人々の声を、日本政府は無視し続けています。

 汚染水は陸上保管し放射性物質の除去を

 汚染水をどうするかについて容認できる選択肢は、長期保管と放射性物質除去技術の適用しかありません。これらは実現可能な選択肢です。
 効果的な放射性物質除去技術を検討する間、陸上保管を続けることは、半減期が12.3年のトリチウムの量を減らすことにもなります。

 汚染水の自然界への放出を延期ではなく、撤回させるために、グリーンピースはこれからも、科学的調査にもとづいて、具体的な提案をし、政治家や政府に、はたらきかけを続けていきます。

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 引用以上

 グリーンピースはトリチウム汚染水の有害性について、カナダのピカリング原発などを調査し、周辺住民のダウン症出生率が85%上昇したことを明らかにし、CANDI炉の重大な欠陥を知らしめた功績がある。
 科学的知見の深いチームを編成し、汚染水問題に取り組んでいる。
 もしも、この膨大な放射能汚染水が太平洋に放出されたなら、場合によっては、今後100年以上も太平洋の魚介類を口にできなくなる怖れさえある。

 諸外国からは数百兆円規模の賠償を迫られ、日本政府の財政計画も危機に瀕することになる。
 この日本国の命運を定める極度に重大な問題が、東電の株価や幹部の退職金問題のために行われるとするなら、まるで太平洋戦争に参戦し、日本国民450万人を殺戮した日本軍上層部のような人類史上もっとも愚かな判断ということになるだろう。