みやしたの気まぐれblog

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JR初期世代の新形式車両たち JR北海道編

2021-07-31 01:58:22 | 鉄道その他
1987年4月1日の国鉄分割民営化によるJR各社誕生から今年で34年が過ぎました。JR化直後に登場した車両でも一般的な鉄道車両の寿命(30〜45年)に近くなります。
実際の所は、車両の作りや運用により寿命は大きく異なるので、随分前に全廃されたJR時代の車両もいれば、未だ国鉄時代の車両も残っているのは、先日までの「今も残る現役国鉄形」シリーズで紹介したとおりです。

今回からは、JR化後の最初の10年間(1987年4月〜1997年3月)で登場した新形式車両を初期世代として、現状を交えて紹介していこうと思います。
JR化後しばらくは、205系や211系のように国鉄時代の車両をそのまま製造したものも多いため、JR化後の新形式のみを掲載します。
撮影できないままに廃車された車両もありますので、そちらは写真無しで文章だけ。また、事業用車や試験車両については、ほとんど写真が無いので省略させて頂きます。

まずはJR北海道です。
JR北海道はご存知の通り経営難ですが、JR化後直後はまだまだ幹線の利用者があり、国鉄末期から赤字路線の大量廃線を進めたことで、経営安定基金の運用益収入により経営的にも安定していました。なので、最初の10年くらいは新形式車両の投入もそこそこ盛んで、現在の札幌近郊での主力車両の多くは、最初の10年で登場しています。なお、JR化後の新形式ですけど、実質改造車であるキハ141系、JR化後の製造だけど国鉄時代の形式の続きを名乗っているキハ183系は、国鉄車両として紹介しているので省きます。


721系
製造1988年〜2003年。札幌圏の電化区間における輸送力改善と空港輸送対応のために登場した交流近郊形電車です。当初はサイリスタ位相制御の直流電動機の車両で3両編成が登場しましたが、途中からVVVFインバータ制御の交流電動機の車両に製造が変わり、快速「エアポート」用に6両編成のuシート(指定席)用車両も登場。また、初期は極寒地向け3扉のために車体中央もデッキ扉がありましたが、4000番台、5000番台はデッキの扉が廃止されています。733系3000番台の増備により、今後は快速「エアポート」運用から完全に離脱する見込みです。2+2列の普通車でも転換クロスシート車なので、旅行者からすると、これが来ると当たりと思える車両です。


721系0番台。3両編成で、主に函館本線の普通列車に用いられています


721系2000番台2107F。2010年にF-7編成をサイリスタ位相制御からVVVFインバータ制御に改造した車両で、1編成のみのレアな存在です


721系3000番台。721系0番台の後期製造車を時速130kmでの運転に対応するよう改造した車両です。3両編成の車両と、「エアポート」運用対応の6両編成の車両があります


721系4000番台。721系1000・2000番台を快速「エアポート」向けに改造した6両編成です


721系5000番台。上述の4000番台編成時に余剰になった先頭車と、新造した中間車を合わせて快速「エアポート」向けに投入した6両編成です


731系
製造1996年〜2006年。札幌圏に残る711系の初期型車両を置き換える為に登場した通勤形電車です。3両編成のみで、全車ロングシート。デッキ扉を廃止し、防寒対策に出入り口扉上にエアーカーテンの機能を備えています。同時期に開発していたキハ201系との協調運転機能を持つのが特徴で、気動車と電車の併結運転が可能になっています。なお、721系、733系、735系などの形式とも併結運転が可能です。



731系。運転台への着雪を防ぐことを目的に、前面が凸凹した構造になっている。このスタイルは、後年登場した733系、735系にも引き継がれた。


785系
製造1990年〜2002年。札幌〜旭川を結ぶ特急の高速化の為に登場した車両です。当初は基本4両編成と増結用2両編成が各5本で製造されましたが、2002年に781系の特急「ライラック」に変わって快速「エアポート」/特急「スーパーホワイトアロー」運用に入るために、増備車が登場して、初期車2両を除いて5両編成7本に組み替えされました。残った初期車2両は後年789系「スーパー白鳥」の増結車となりました。また789系1000番台投入後は、「スーパーホワイトアロー」の愛称を廃止して、「スーパーカムイ」になり、781系に替わって「すずらん」の運用にも入りました。老朽化と789系の特急「ライラック」転用により廃車が進み、5両編成2本が残って特急「すずらん」にのみ運用されています。



特急「すずらん」の785系。現在は5両編成2本のみのため、定期検査時は789系1000番台が代走する


キハ130形
製造1988〜1989年。日高本線の高速化と輸送力適正化のために登場した軽快気動車で、車体長15.8mの16m級の車両です。日高本線の輸送量に合わせて設計された車両でしたが、軽量化のために鉄板が薄く、日高本線が沿岸を走ることで塩害による老朽化が深刻化。なんと2002年で全廃されてしまいました。結果、日高本線はキハ40形に戻ることになり、キハ130形のダイヤに合わせるために、エンジン換装したキハ40形350番台が投入されました。


廃車解体前に撮影したキハ130形「日高ポニー号」ペイント車。たまたま車内から姿を撮影したが、これ1枚だけしか撮れなかった


キハ150形
製造1993年〜1995年。老朽化したキハ22形、キハ56形の置きかえと、冬期はキハ40形では単行運転が難しい線区での単行運転を可能にするため、JR東日本のキハ110系をベースに開発された車両です。キハ40形との併結運転も可能であることが、キハ110系とは異なります。塗装がライトパープルの0番台はクーラー付ですが、塗装が黄緑色の100番台はクーラー無しとなっています。0番台は旭川を中心に富良野線や留萌本線、函館本線などで主に運用され、100番台は苫小牧を中心に室蘭本線、石勝線、函館本線で運用されています。100番台は、以前は函館本線の山線(長万部〜小樽)で主に運行されていましたが、そちらはH100形に置き換わっています。


旭川駅でよく見るキハ150形0番台。主として富良野線で運行されています


函館本線の山線を走っていたころのキハ150形100番台。現在は室蘭本線と石勝線で主に運行されています


キハ160形
製造1997年3月。キハ130形の1両が事故廃車されたために、補充として製造された1両だけの車両です。日高本線で運用されていましたが、2007年にハイブリッド気動車の試験車両へ改造されて、2013年まで試験車両として運用されてから廃車になっています。1両だけかつ、途中で試験車両になってしまい、私自身は結局乗ることも見ることも出来なかった車両でした。


キハ201系
製造1996年。731系との協調運転を目的に、車体傾斜機構による電車並みの高速運転を可能とした通勤型気動車です。車体も基本的に731系に準じており、前面の青色の帯と、パンタグラフが無いことから見分けを付けることができます。快速「ニセコライナー」として、電化区間は731系と連結運転し、非電化区間は単独で走行することができます。3両編成4本が存在し、札幌近郊で731系や733系に混じって普通列車としても運行されています。


苗穂駅付近を単独で走るキハ201系。札沼線も電化前は走っていました。現在は主に函館本線での運用です


キハ281系
製造1992年〜1993年。北海道の輸送において主要な都市間輸送区間である札幌〜函館を従来よりも大幅に時間短縮すべく、JR四国の2000系で実現した気動車での制御式振り子を導入し、最高時速130kmで札幌〜函館を3時間を切って結んだ特急車両です。採用されたステンレス車体に、先頭部は貫通扉を用意して扉上に運転台を設けるスタイルは、その後のキハ283系、キハ261系、789系でも採用されました。なお、キハ283系とは併結運転が可能で、以前は当たり前にキハ281系にキハ283系を増結している姿が見られました。登場時から近年までは特急「スーパー北斗」として運転され、2020年に特急「北斗」に愛称変更されました。登場から30年近く系化していることもあり、2022年度中には全廃される予定です。



北海道の特急列車にとってエポックメーキングな車両だったキハ281系。キハ261系1000番台に混じりながらも、あと1年くらいは姿を見られそう


キハ283系
製造1995年〜2001年。キハ281系の改良形として、制御式振り子の傾斜角を5度から6度へ広げ、さらなる高性能化を図った車両です。特急「スーパーおおぞら」と「スーパーとかち」へ投入され、「スーパー北斗」としても走りました。後年製造されたキハ261系からは、空気バネによる車体傾斜システムになったため、JR北海道の営業用車両では最後の振り子式車両となりました。道央と道東を高速で結んでいましたが、2011年に発生した脱線火災事故により、廃車が発生。最高速度も130km/hから110km/hへ落とされ、老朽化によるキハ261系1000番台により置き換えが開始されています。キハ281系と同じく、2022年度中には全廃される予定です。



石勝線、根室本線の高速化に寄与したキハ283系だが、2011年に発生した脱線火災事故がこの車両の運命を決めてしまった


以上です。
JR北海道自体の車両形式の種類が少ないので、こんなところでした。
あと2年したら、国鉄形はキハ54形以外は消えて、721系も徐々に姿を消しているでしょうかね。キハ281系、キハ283系も消えているはずなので、国鉄時代並に車両の画一化が進んでいるかも知れません。
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