玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

豊口信行

2018-08-25 22:54:21 | 生きもの調べ
豊口信行(地球永住計画)
「玉川上水にはフン虫がいるよ 2018」を終えて

 昨年の夏に引き続き、二回目となった今回のフン虫観察会。昨年もスタッフとして参加したのですが、フン虫を主人公に据えたひとつの物語のように展開したその内容は、主人公の紹介はもちろん、彼らを取り巻く自然環境や生きもの同士のつながりにも及ぶもので、圧巻と言うしかないものでした。参加した子どもたちと一緒になって、思わず熱中してしまったのを覚えています。

基本的には、今年も昨年を踏襲する形で進行しました。内容をごく簡単に説明すれば、
【野外】フン虫の生息するフィールドを実際に歩き、トラップでの採集の仕方を学び、そしてもちろん、生きている本物の虫を実際に見ることのできる野外の観察。
【教室】教室に移動してからは、高槻先生の解説を聞き、顕微鏡や虫眼鏡を使って細部の観察をし、スケッチを描き、紙粘土で模型を作る。
というものです。

 このプログラムは、市街地でありながら生きものが生息する玉川上水周辺の自然環境に加えて、武蔵野美術大学が近くにあるという立地条件に恵まれていると思います。駅から集合場所、集合場所から観察・採集するルート、そこから教室までが連続していてコンパクトにまとまっており、移動距離が比較的少なくて済むので、小さな子どもでも無理なく参加してもらえます。これはこの観察会の大きな利点のひとつでした。
 今回ぼくは企画から関わり、運営を担当していました。当日は写真撮影のサブ担当でもあり、昨年のような気楽さはあまりなかったというのが正直なところです。
事故やケガなしで終わらせたいということが念頭にあり、頭の中では秒針の音が聞こえ、次の展開についての備えをおさらいしていたりして、無邪気にのめり込めていた昨年とはちょっと違っていました。

今回参加してくれた子どもたちは17名。募集時に対象年齢を5歳から12歳としていましたが、この日は8歳が一番多くて、平均年齢はおよそ7.2歳でした。そんな小さな彼らが熱心にメモを取る姿や、身を乗り出して説明を聞く姿、真剣なまなざしで自分の作品を創り上げる姿ははっとさせられると同時に、感動的で、とても刺激を受けたのは昨年と全く一緒でした。興味のスイッチが入る音がそこかしこから聞こえてくるようで、彼らの目の輝きがそれを裏付けていました。
フンをめぐる話はフンがめぐる話で、人間以外の生きもののフンは、いつもめぐっているということ。そんなことを、改めて感じた観察会でした。

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