人間が色に対して抱くイメージも、進化的な理由があるはずです。赤い色は強い印象を与えます。赤いものといえば、火、血など確かに心おだやかでない感覚を誘発しそうです。白はさわやかさ、清らかさ、これも説明がつきそうです。清潔なもの、汚れていないものは色がなく、白であることが多いといえます。そういう単色も心理効果がありますが、これが組み合わさり、その形がまた新たな効果を生みます。
ジャコウアゲハの羽や胴体にある赤い点は黒の背景の中で胸騒ぎを感じさせるようなあやしさを感じます。これの幼虫がまたあやしげで、それが食べるウマノスズクサもどことなくあやしげです。
ところで、この写真は林の下にある隙間で木漏れ日が当たっているところですが、こういう場所は光と闇が交錯するため、チョウが飛ぶと現れたり消えたりするように見えます。鳥が食べようと思っても見失う確率が高いと思われます。クロアゲハやカラスアゲハはよくこういうところを飛びますが、捕食者を回避する効果があるのかもしれません。
この明暗のコントラストは葉が茂り、光が強くなる5月に入ってからのもので、春にはありませんでした。
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