ひねもす日報

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ぐるりのこと。

2008年07月13日 | 本・映画
 「ぐるりのこと。」を観に行く。泣くだろうなーとは思っていたけれど、映画館で泣いたのは久し振り。帰宅後、エビチリ食べながら夫にあらすじ感想などを話しながら思い出し泣き。泣けるシーン以外の、映画の始まりから10年後の穏やかなシーンでさえ、過去の10年があったからと思うとまた泣けた。

 この映画を観て、もう色々要らないんじゃないかと思った。家族三人が慎ましく暮らしていけるだけのお金さえあれば、もういいんじゃないかと。
 何も上手くいかないし、仕方ないことだらけで。映画の中では、父親が自殺していたりガンになったりする。兄弟が何千万も不動産で借金してしまったりする。法廷のシーンでは、世の中で毎日起こる事件やそれを取り巻く人たちが描かれる。そういう日々の中での大事なことを、上手く表現した映画だった。
 リリーフランキーの台詞でよいのがいくつかあって、「誰が脚本!?」と思ったら監督だった。この監督のは何年も前から全作観ているけれど、彼も年齢を重ねたのかな。よい年の取り方をしたいとも思った。清潔にこざっぱりと年齢を重ねたい。こころがデトックスをした。感動して考えて、ため息と疲労が残った。
 ここまで感動したけれど、手元にDVDで持っておきたいとは思わないなー。重たいというか、そういうのとはまた違う感じ。

 主演のリリーフランキーはインタビューで「何も変わったことは起こらないし、普通のことを描いた映画」と話していた。確かにそうではある。
コメント (2)
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