広島で芝居を楽しむためのブログ

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公演名:新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』前篇

2020年02月16日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2020年2月14日~20日 15:00/八丁座
原作・作・演出・協力:
 宮崎駿(徳間書店刊)/丹羽圭子・戸部和久/G2/スタジオジブリ
出演:
 尾上菊之助・中村七之助・尾上松也・中村歌昇・坂東巳之助
 ・尾上右近・中村種之助・中村米吉・中村吉之丞・市村橘太郎
 ・嵐橘三郎・片岡亀蔵・河原崎権十郎・市村萬次郎・中村錦之助
 ・中村又五郎・中村歌六感想:
感想:
 最初に謝っておきます。
原作を読んでいません。
アニメはテレビ放送をちらっと見た程度、
歌舞伎はシネマ歌舞伎を数本見た程度、
さらにナウシカ情報および宮崎駿情報は
岡田斗司夫が情報源と偏った基礎知識。
 客入りは初日の平日ということで3割程度。
女性割合が高く年齢層も高め、
歌舞伎好き系のご婦人かなぁって人が交じり
アニメファンかと思う人もライトナ感じ。
ナウシカ自体が古い作品なので
それ相応の年齢層の方々なのは当たり前か。
 後から気づきましたが演出が
G2だからなのか映像的には
見やすくとっつきやすい感じ。
テンポはいいと思いますが脚本のせいか
世界観と話が???が結構ありました。
何のシーンなのか何やっているのか
理解できないことがちらほら。
劇場入り口で人物相関図を貰いましたが
皆さんはついていけたのでしょうか!?
やっぱり予備知識は必要なのか。
王国や連合帝国や国王に皇帝、
次々に人や単語が飛び交い、
何(誰)が何(誰)やら整理がつかず。
途中説明台詞がほぼありませんし
さらに原作7巻を7時間上演だから致し方ないところか。
う~ん、これを宮崎駿は了解しているのか!?
まさか鈴木敏夫の陰謀なのか!?
そのあたりがちょっと気になるところではあります。
ちなみに題名は風の谷のナウシカですが
確かにナウシカは主人公ですが
パンフレットに並んで写るクシャナも主人公で
二人の皇女っていうダブル主人公のストーリー展開。
これはあの宮崎駿がやりたかった物語に
たぶん近い構成にはなっているのでしょうね。
 演者中村七之助は女方の色気があり
なかなかよかったのですが
尾上菊之助はどうも不発終わった感じ。
これは演者のせいというより
脚本のほうが問題が大きいかと。
ナウシカの心情や行動がちょっと弱い。
本来描くべき演じるべき部分が
原作やアニメにはあるんだろうなぁと。
逆に描きやすいステレオタイプの登場人物は
尾上松也のかっこよさや
片岡亀蔵の曲者感がバリっとでていて
その他脇を固める方々も
さすがは歌舞伎俳優無難こなし
とてもいい感じでした。
 衣装は歌舞伎だけにお金がかかっています。
でも主人公のぼてっとした青き衣は色気がない。
皆さんかなり気張っていい感じだったのに
この一点だけは色々な意味でもったいない。
 舞台セットは巨大王蟲はもちろん
ガンシップ、メーヴェの乗り物などと
壁画風大幕を特注したりと大判ぶるまい。
仕掛けと言えば本水ありの大サービス!!
 歌舞伎演出といえば
見得や変化する衣装、
あの独特のセリフ回しと
歌舞伎風味を堪能でき
かなり楽しめる幕の内状態です。
 さて、物語は前篇で中途ですが
総評ならぬ半評です。
半評は、ちょっと厳しめのCマイナーです!!
なかなか楽しめる作品なのですが
もうちょっとハードルを下げ
新参者でも観られるものにしてほしい。
まぁ、料金が全編だけで4,300円ですから
わかる人が見に来てほしいということでしょうか。
これがある意味篩なのかも!?
さぁ、後編に期待しよう!!


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