広島で芝居を楽しむためのブログ

広島での観劇レビューや日々思うこと徒然と。芝居で生の驚き、生の迫力、生の感動を多くの人に知ってもらいたい。

公演名:コムレイドプロデュース『神の子』

2020年01月17日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2020年1月16日~ 19:00/JMSアステールプラザ
作・演出:
 赤堀雅秋
出演:
 大森南朋・長澤まさみ・でんでん・江口のりこ・石橋静河・永岡佑
・川畑和雄・飯田あさと・赤堀雅秋・田中哲司
感想:
客入りはほぼ満席。
さすがは結構早めにチケット完売と
なっていただけのことはあります。
客層はミーハー風でもなく
芝居好き風でもなく
大人しめのカップルが多い感じで
長澤まさみファンや大森南朋ファン、田中哲司ファンが
あまり存在感が表に出ていないのは
物理的もしくは精神的に存在が希薄だからでしょうか。
シックな感じのおねぇさん方が
ちらほらおられたのが
もしかしたらその方達だったのでしょうか。
演者は個人的にはやっぱり長澤まさみです。
思ったより演技がうまかった。(笑)
デフォルメした演技イメージがありましたが
普通の人を普通に演じており、なんだか良い感じ。
普通を普通に演じられるその演技に惚れました。
昨日から好きです長澤まさみ。
大手を振ってファンになることを公言しよう!!
そして、大森南朋!!
いじけた感じはまさに十八番!?サイコーです。
一時域イイ感じの漢を演じていたけど
やっぱり内向的演技が一枚上ですね。
田中哲司はやさぐれ感が◎。
あの感じはやっぱり彼でないと。
でんでん、少年ぽさを残した
無邪気オヤジを演じさせれば他の追従を許しません。
実は今回の芝居のキーマンだったのです。
裸の王様でいうところの最後の
「あいつ裸だぜ!」って言っちゃうガキ。
なかなか微妙なこの役はでんでんしか成立しません。
 衣装は江口のりこのエロそうでエロくない
そのいでたちが何とも良い感じ。
長澤まさみが白系でちょっとしたこじゃれ感や
ブランド感のあるアウターだったのにちょっと違和感が。
役柄的にはシックで落ち着いた装いだろうと思うけど
ヒロインが映える明るい色を選択したのかなぁ。
予算的には充実の衣装ですがセレクトが
どうも芝居内容とリンクが薄いような感じ。
舞台セットはコンパクトながら丁寧な作りこみ。
また、張り物・切り出し裏面でも
ほぼネイキッドで使用していたところを見ると
地方公演への移動設置を意識した
コストパフォーマンス重視のセットだったよう。
次いで脚本と演出ですが
終劇後に隣席から「脚本が~」という呪詛にも似た
つぶやきが聞こえてきて笑っちゃいました。
全体的に演者のアクというか
カラーを消したナチュラルな芝居。
さらに淡々と流れていく展開と
盛り上がりも盛り下がりもないテンションの中、
理詰めで強引に抑え込む展開も
理論をぶっこわす壊すアナーキストも登場せず
カタルシスがないまま終わりを迎えてしまう。
そんな舞台に期待を込めてこの場に足を踏み入れたはずなのに
何も得ることがなかった事実に
行き場を失った感情が口からきっと洩れたのでしょう。
しかし、最後まで退屈を感じることなく
観劇できるものですから大したものです。
役者のカラーがにじみ出た芝居であれば
勢いで納得できたのでしょうが
あくまでも日常の片隅を描いたこの舞台
加飾減色もせずストレート勝負しかできず。
と、いうことで突然ですが総評です。
個人的にはCプラス。
結構面白く良い芝居だったと思いますが
舞台にはノリと勢いを求めちゃうのが悲しい性。
欲を言えばせっかくの豪華キャスト
それぞれの色気をもう少し感じたかった。


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