広島で芝居を楽しむためのブログ

広島での観劇レビューや日々思うこと徒然と。芝居で生の驚き、生の迫力、生の感動を多くの人に知ってもらいたい。

公演名:ゲキ×シネ「髑髏城の七人 Season月《上弦の月》」

2020年03月20日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2020年2月27日(木)19:00/バルト11
作・演出:
 中島かずき/いのうえひでのり
出演者(広島公演):
 福士蒼汰・早乙女太一・三浦翔平・須賀健太・平間壮一
 ・高田聖子・渡辺いっけい 他
感想:
 高田聖子はやっぱり声がいい!!
でも寄る年波には勝てず
大画面のアップは不要だと思います。
また衣装も昔のボンテージ系ではないのは
これまた年齢的に仕方ないことか。
 やっぱり脚本がいいと
芝居って面白いことを再認識。
しかしながら一人二役系でないうえ
ストーリー展開も改変してあるので
ちょっと物足りなさを感じます。
まぁ、主役の見せ場をしっかり作るうえでは
必要な演出だとは思いますが。
後、霧丸なんてヤローは認めんぞ!?
沙霧のいない髑髏城なんて
俺の髑髏城じゃない!!
 さて、舞台セットは
今までにも増して豪勢です。
観客席がぐるんぐるん回って
巨大スクリーンがピカピカって感じです。
まぁ金かかっているなぁと。
また、衣装もしっかりと撮影のアップに
十分耐えられるほどの作りこみで
かなり金がかかっているなぁと。
ロング公演とダブルチーム上演による効果でしょうか。
 演者ですが
渡辺いっけいはやっぱり良い。
入りはライトですが後半は
やはり存在感を見せる演技で二重丸。
往年の市川、栗根あたりはうまい
まさに安定の名わき役です。
早乙女太一は舞台のうまさは見えるものの
存在感がもう一押し欲しかった。
三浦、須賀、平間はまぁ無難な線で
後はねぇ、福士蒼汰はどうかなぁと。
セリフといい殺陣といい
無理くり演じ感が半端ない。
某織田裕二の椿三十郎みたい!?
どうも舞台で浮いちゃっている。
 ということで総評です。
総評は、Cです。
脚本や演出、舞台及び衣装の豪華さは
なかなかの見ごたえなのですが
肝心の芝居が主役を中心にどうも・・・。
キャストのせいなのか
歌と踊りが多くちりばめられ
そのシーン本当にいるの!?って感じで
この辺を詰めたらシャープな
舞台になったのではないかなぁ!?

公演名:ザ・ニュースペーパー全国公演2020 広島公演

2020年03月17日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2020年2月24日(火)14:30/JMSアステールプラザ大ホール
出演者:
 渡部又兵衛・松下アキラ・福本ヒデ・竹内康明・山本天心
 ・浜田太一・石坂タケシ・土谷ひろし・桑山元・田中学
感想:
 男性率高し、
さらにお年を召した方多し。
またスーツではなく
ジャンパー率高し。
これだけで客層を間違いなく
思い浮かべることができるでしょう。
後、男女とも笑いの沸点が低い
というより笑いに来ている感じが強い。
社会風刺コント集団ですから
お笑いを見に来ているのですから
当たり前といえば当たり前か。
内容は習近平から始まって
安倍首相、小泉進一郎、トランプ
そして、朝まで生テレビで田原総一朗、
石原慎太郎、石破、志位、等々登場し
次いで息抜きのコロナウィルス出現!?
客いじりを始めます。
小休止のマスクネタ及びニュースネタからの
往年の小泉純一郎、さる高貴なご一家などの
緩急つけた流れで飽きることなく観られます。
個人的にはさる高貴なご一家が毎回お気に入りです。
 しかし、並べてもらうとわかる通り
ちょっとネタが古いかなぁ。
後、社会風刺と言いつつも毒が弱い。
知的なブラックユーモアでもないし
強く皮肉ってもいない。
あくまでもライトで下品にならない感じの舞台。
ちなみに演技とか演出を何気なく
観ていたのですが
芸風が出落ちだったことを再認識
観客も出てきたときパッと沸き
話の展開をつられて笑っている感じ。
最初はモノマネしていますが
コント中はデフォルメが弱くなり
特徴は残すものの話の聞きやすさや
理解しやすさを求めている感じ。
演出としては間違ってないけど
芸の完成度としてはいいのかなぁと。
まぁ、観客は喜んでいたので
良しなのでしょう。
 ちなみにアステールがいっぱいになったものの
経営は厳しいようで物販に力を入れていました。
DVDやグッツなどいつも通り
サインや写真に舞台後対応していました。
 最後になりましたが、
コントということで広島ネタが結構入っていました。
その辺のリサーチは抜かりなしな上
ザ・ニュースペーパーということだけあり
リアルタイムなネタもちゃんとフォローしていました。
芝居と違い遊びの多い舞台脚本ですから
対応できるのでしょうけど
演者は大変だろうなぁと。
でも音楽でもジャズのように
その場でアレンジかますのが
舞台の楽しみであり演者の力量ですから
このあたりはどんどんやっていただきたい。
また、観るほうもそのあたりを
ちゃんと感じて笑ってやっていただきたい!?
 さて、総評ですが
Cプラスということで
飽きることなく130分弱
面白いのは面白いのでBでもいいけど
不要な客いじりと不要な演出で
2時間で収まるはずの舞台が
10分伸びたということで。
必要な10分ならいいけど
???なためマイナスポイントに。
個人的には内容的には90分でも
いけるかなぁと思います。

公演名:新作歌舞伎 風の谷のナウシカ 後編

2020年03月08日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2020年2月28日(火)15:05/八丁座
原作・作・演出:
 宮崎駿/丹羽圭子・戸部和久/G2
出演者(広島公演):
 尾上菊之助・中村七之助・尾上松也・中村歌昇・坂東巳之助
 ・尾上右近・中村種之助・中村米吉・中村吉之丞・市村橘太郎
 ・嵐橘三郎・片岡亀蔵・河原崎権十郎・市村萬次郎・中村錦之助
 ・中村又五郎・中村歌六
感想:
 後編のスタートは道化の語りから始まり
登場人物それぞれが前編での己の物語での
立ち位置を語るという
視聴者に優しい安心設計だったものの
物語が進むにつれ???が増加の一途をたどり
最後、何がどうなったのかわかずじまいで歌舞伎終了。
やっぱり原作を知らないとついていけないのでしょうか!?
それにしても今回は突然始まる舞いがわからず。
心の葛藤や交流を描いているのだと思いますが。
また、巨神兵が出てきた時は大きかったけど
王蟲の時と同じように突然人が演じ始めて???。
個人的には本当に混迷を極めた後半でした。
しかしながら前編観てからの後編だけに
歌舞伎の見方もおぼろげながらわかってきて
舞台自体はなかなかおもしろい。
眠たくなることも何度かありましたが
何とか最後までたどり着いた3時間超でした。
 舞台セットや衣装は
けちることなくお金をつぎ込み
見ごたえはありました。
演者についてはすいません。
歌舞伎に慣れていないので
どこらあたりが個性なのか
わかりませんでした。
逆にどの演者もうまく
物語が滞りなく進んでいくのは
さすがは歌舞伎役者さんですね。
 さて、それでは総評です。
総評はCです。
原作および歌舞伎のファンはわかりませんが
何も知らない人が見ればこんなものでしょう。
もちろんSFやファンタジーに
耐性を持っているのが条件ですけど。
ちなみに前後篇総額8,600円で
交通見込で万札が飛ぶとなると
半ポイントは下がりますが
まぁ舞台としてはまぁ妥当でしょうか。

公演名:『罪のない嘘』〜毎日がエイプリルフール〜三谷幸喜作「アパッチ砦の攻防」より

2020年02月23日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2020年2月18日(火)19:00/JMSアステールプラザ大ホール
作・演出:
 三谷幸喜/モトイキシゲキ
出演(広島公演):
 佐藤B作・辰巳雄大(ふぉ~ゆ~) ・小林麻耶・菅原りこ・あめくみちこ
 ・黒田こらん・小林美江・山本ふじこ・中西良太・まいど豊・佐渡稔
 ・梅垣義明・鈴木杏樹・片岡鶴太郎
感想:
 ずばり面白いです。
やっぱり脚本がいいと
テンポや役者が生きてきますね。
もともとわかりやすいストーリーであることや
再演によって洗練されていることも
影響しているんでしょうけど。
ちなみにちょこちょこ地方ネタや
時事ネタが放り込まれているのは
ご愛敬ってやつでしょうか。
こちらは演者のアドリブって
ところもあるでしょうけど。
 客入りはほぼ満席。
男女比率半々って感じでしょうか。
これだけ男性率が高いのは珍しく
往年の東京ボードビルショウファンが
潜在的いるということか。
まさか鈴木杏樹ってことはないと思いますが
自分は全く知らないからと言って
巷ではフィーバーしていることもあるので
侮れないのが世の中です。
 さて、舞台はマンションの一室というシチュエーション、
結構しっかり作りこんだ舞台セットでした。
小道具系もしっかり実物でソファーも
なかなか良いものを使用している様子でした。
衣装は現代劇ですから衣装協力で
こちらも良いものを使っている感じ。
 演者はやはりB作ですね。
うまい、面白い、花がある!?
やっぱりダメおやじを演じさせると
きらりと光ります。
もちろん佐渡稔、あめくみちこ、山本ふじこなどの
東京ボードビルショーの面々は舞台俳優っていう
往年の演技を見せ安定感抜群です。
小林麻耶と菅原りこは芝居っけというか
色気がないうえ演技はお遊戯会です。
しっかりきっちり発音はしていますが
演技をつけられるレベルにないというか。
鶴ちゃんはコント風味の芝居でいい味だしており
一方、梅ちゃんはカラーを抑え無難なお芝居。
鈴木杏樹ですが色気はありませんが
無難な演技でテレビ俳優的シンプルさ
ちょっと抑えめだったのは
舞台外での騒ぎがあったからなのか!?
 ちなみに演出ですが
モトイキシゲキ演出って観たことないので
どこら辺がそうなのかわからず。
演者の色なのか演出なのか
ちょっとわからず。
芝居のテンポはよかったのですが
でもちょっと長いかも!?
2時間半の内容で20分の休憩
7時スタートの21時50分終了予定。
あの休憩が良いなんて言う人も
おられるので何とも言えませんが。
ノンストップ2時間という選択は
いかがでしょうか!?
 それでは、お待ちかねの総評です。
総評は、ずばりBマイナーです。
ちょっと厳しいでしょうかなぁ。
誰でもライトに観られ
楽しめる芝居なのでBでもいいと思う!?
でもゲスト人がちょっと弱く
エッジが効いてなかったのが
マイナスポイントでしょうか。

公演名:新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』前篇

2020年02月16日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2020年2月14日~20日 15:00/八丁座
原作・作・演出・協力:
 宮崎駿(徳間書店刊)/丹羽圭子・戸部和久/G2/スタジオジブリ
出演:
 尾上菊之助・中村七之助・尾上松也・中村歌昇・坂東巳之助
 ・尾上右近・中村種之助・中村米吉・中村吉之丞・市村橘太郎
 ・嵐橘三郎・片岡亀蔵・河原崎権十郎・市村萬次郎・中村錦之助
 ・中村又五郎・中村歌六感想:
感想:
 最初に謝っておきます。
原作を読んでいません。
アニメはテレビ放送をちらっと見た程度、
歌舞伎はシネマ歌舞伎を数本見た程度、
さらにナウシカ情報および宮崎駿情報は
岡田斗司夫が情報源と偏った基礎知識。
 客入りは初日の平日ということで3割程度。
女性割合が高く年齢層も高め、
歌舞伎好き系のご婦人かなぁって人が交じり
アニメファンかと思う人もライトナ感じ。
ナウシカ自体が古い作品なので
それ相応の年齢層の方々なのは当たり前か。
 後から気づきましたが演出が
G2だからなのか映像的には
見やすくとっつきやすい感じ。
テンポはいいと思いますが脚本のせいか
世界観と話が???が結構ありました。
何のシーンなのか何やっているのか
理解できないことがちらほら。
劇場入り口で人物相関図を貰いましたが
皆さんはついていけたのでしょうか!?
やっぱり予備知識は必要なのか。
王国や連合帝国や国王に皇帝、
次々に人や単語が飛び交い、
何(誰)が何(誰)やら整理がつかず。
途中説明台詞がほぼありませんし
さらに原作7巻を7時間上演だから致し方ないところか。
う~ん、これを宮崎駿は了解しているのか!?
まさか鈴木敏夫の陰謀なのか!?
そのあたりがちょっと気になるところではあります。
ちなみに題名は風の谷のナウシカですが
確かにナウシカは主人公ですが
パンフレットに並んで写るクシャナも主人公で
二人の皇女っていうダブル主人公のストーリー展開。
これはあの宮崎駿がやりたかった物語に
たぶん近い構成にはなっているのでしょうね。
 演者中村七之助は女方の色気があり
なかなかよかったのですが
尾上菊之助はどうも不発終わった感じ。
これは演者のせいというより
脚本のほうが問題が大きいかと。
ナウシカの心情や行動がちょっと弱い。
本来描くべき演じるべき部分が
原作やアニメにはあるんだろうなぁと。
逆に描きやすいステレオタイプの登場人物は
尾上松也のかっこよさや
片岡亀蔵の曲者感がバリっとでていて
その他脇を固める方々も
さすがは歌舞伎俳優無難こなし
とてもいい感じでした。
 衣装は歌舞伎だけにお金がかかっています。
でも主人公のぼてっとした青き衣は色気がない。
皆さんかなり気張っていい感じだったのに
この一点だけは色々な意味でもったいない。
 舞台セットは巨大王蟲はもちろん
ガンシップ、メーヴェの乗り物などと
壁画風大幕を特注したりと大判ぶるまい。
仕掛けと言えば本水ありの大サービス!!
 歌舞伎演出といえば
見得や変化する衣装、
あの独特のセリフ回しと
歌舞伎風味を堪能でき
かなり楽しめる幕の内状態です。
 さて、物語は前篇で中途ですが
総評ならぬ半評です。
半評は、ちょっと厳しめのCマイナーです!!
なかなか楽しめる作品なのですが
もうちょっとハードルを下げ
新参者でも観られるものにしてほしい。
まぁ、料金が全編だけで4,300円ですから
わかる人が見に来てほしいということでしょうか。
これがある意味篩なのかも!?
さぁ、後編に期待しよう!!