日時・会場:
2004.10.24 元日本銀行広島支店
作・演出:
ルイジピランデッロ・斉藤晴彦
出演:
斎藤晴彦 ・本木幸世・荻野清子・片岡哲也他
感想:
う~ん。芝居だよね、これ。間違いなく芝居なんだけど、正直疲れちゃった・・・。翻訳ものってはわかるし、古いってのもわかる。でもね。本に負けてる?って感じでしょうか、劇団が。でも、役者が悪いとか、演出が悪いってわけではない。なんとなく違和感があるだけ。地方劇団でよくある学校の演劇部や文化祭の延長で楽しくやっている人々とは根本的に違うのでそういうことではない。でも、こういうテーマを扱うほど熟練しているかというとそうでもないって感じ。微妙、非常に微妙~。さて、本ですが、台詞芝居で難解だと言ってたけど、そんなに難しい内容ではないし、ホラーとしてもそんなに怖くない。なんせ、生み出されることなかった6人の登場人物が作者を探しさまよっているだけで、俗に言う自分探しであり、意味なく誰かれに祟たっりするわけではない。ジャンル的には業界で跋扈する舞台怪談のひとつってところ。また、作中の登場人物とリアル世界の人々が出会う?ってのは、世界で一番やさしい哲学書とかなんとか言ってだいぶ前に流行った・・・ソフィの世界だったかな?の本ネタ的展開だし。また、社会的タブーの娘と親父の関係では、テレビで"高校教師"でやってたし、ビジュアルでなくてもノベルの世界では結構ある。小説はPTAのおば様方の検閲に引っかからないためすっごいんだぞう。まぁ、日本文学・西洋文学などに問わず古典っていわれるものはほとんどセクシャル要因はご多分に漏れず持っているのだから珍しいことはない。特に多重人格やトラウマ関係の小説本では使い古されちゃってるし。現代社会や情報過多の時代ではこの設定だけで押すのはつらいかと・・・。ヴァーチャルがリアルを超え、その境界が曖昧になっている現代はそのものが、サイコでありホラーなわけで・・・。こんな哲学問答もどきをしてても埒が明かないのでやめます。では、観客から採点します。いつもちょっと違う客層。どうなんだろう。日ごろ芝居見ている人には見えないし、かといって全くの素人ってわけでもない難しい人たち。黒テントのファン層なのだろうか。実に興味深い。でも小さい芝居小屋でよくある座席を真ん中に詰めるってのを知らない人が多かったのが気になった。テント小屋や特設会場では普通なんだけどね。つめるのが下手で関係者がてこずっていたのが印象に残る。舞台は、元日本銀行広島支店の1階だから中央にカウンターが残りさらにガラスのついたてが残っている。それらをまたぐ形で舞台は設置されていた。まさに特別会場である。設備自体は設定上、劇団の立ち稽古の場ということで大道具などそのままという感じでラフに作られていた。本は、原作を大事にしているのか、大変わかりづらい構成で、台詞も日本的でなく洗練されていない気がした。直訳っていうか、正直に訳したという感じ。爆訳(知ってる?)まではいわないが、意訳程度にはしてほしかった。物語の難解さより翻訳の難解さが強く感じられた。また、演出は斉藤晴彦カラー爆発!これで良い。これで良いのだ。過去に演じられた戯曲を見に来ているのではない。あくまでも黒テント公演に足を運んでいるだから。役者は結構良かった。台詞が中心人物だけで構成されていたので台詞のほとんどない人々が多かったにも関わらず、ちゃんと端々まで役を演じることでその人の性格などを感じることができた。登場が立ち稽古に集合するところから始まる。開幕のベルもなく日常のなか舞台が始まる。そういった演出などはなかなか良い感じだ。一番お気に入りの役者は、荻野清子。音楽担当の人らしい。良いぞ、良い。どこかで見たことのある懐かしさを感じる演じ方ではあったが。後はボーダー以上の横並びって感じ。芝居を見たって気には十分なれる。黒テント自体を始めてみたので、いつもと毛色の違う演目で演者も観客も戸惑っていたのかもしれない。いつのことかは知らないけれど、次回の黒テント流の歌あり、楽器ありの芝居ってのを見てみたいと思う。そうすればもう少し、のびのびとした役者たちの顔を見ることができるのではないだろうか。
2004.10.24 元日本銀行広島支店
作・演出:
ルイジピランデッロ・斉藤晴彦
出演:
斎藤晴彦 ・本木幸世・荻野清子・片岡哲也他
感想:
う~ん。芝居だよね、これ。間違いなく芝居なんだけど、正直疲れちゃった・・・。翻訳ものってはわかるし、古いってのもわかる。でもね。本に負けてる?って感じでしょうか、劇団が。でも、役者が悪いとか、演出が悪いってわけではない。なんとなく違和感があるだけ。地方劇団でよくある学校の演劇部や文化祭の延長で楽しくやっている人々とは根本的に違うのでそういうことではない。でも、こういうテーマを扱うほど熟練しているかというとそうでもないって感じ。微妙、非常に微妙~。さて、本ですが、台詞芝居で難解だと言ってたけど、そんなに難しい内容ではないし、ホラーとしてもそんなに怖くない。なんせ、生み出されることなかった6人の登場人物が作者を探しさまよっているだけで、俗に言う自分探しであり、意味なく誰かれに祟たっりするわけではない。ジャンル的には業界で跋扈する舞台怪談のひとつってところ。また、作中の登場人物とリアル世界の人々が出会う?ってのは、世界で一番やさしい哲学書とかなんとか言ってだいぶ前に流行った・・・ソフィの世界だったかな?の本ネタ的展開だし。また、社会的タブーの娘と親父の関係では、テレビで"高校教師"でやってたし、ビジュアルでなくてもノベルの世界では結構ある。小説はPTAのおば様方の検閲に引っかからないためすっごいんだぞう。まぁ、日本文学・西洋文学などに問わず古典っていわれるものはほとんどセクシャル要因はご多分に漏れず持っているのだから珍しいことはない。特に多重人格やトラウマ関係の小説本では使い古されちゃってるし。現代社会や情報過多の時代ではこの設定だけで押すのはつらいかと・・・。ヴァーチャルがリアルを超え、その境界が曖昧になっている現代はそのものが、サイコでありホラーなわけで・・・。こんな哲学問答もどきをしてても埒が明かないのでやめます。では、観客から採点します。いつもちょっと違う客層。どうなんだろう。日ごろ芝居見ている人には見えないし、かといって全くの素人ってわけでもない難しい人たち。黒テントのファン層なのだろうか。実に興味深い。でも小さい芝居小屋でよくある座席を真ん中に詰めるってのを知らない人が多かったのが気になった。テント小屋や特設会場では普通なんだけどね。つめるのが下手で関係者がてこずっていたのが印象に残る。舞台は、元日本銀行広島支店の1階だから中央にカウンターが残りさらにガラスのついたてが残っている。それらをまたぐ形で舞台は設置されていた。まさに特別会場である。設備自体は設定上、劇団の立ち稽古の場ということで大道具などそのままという感じでラフに作られていた。本は、原作を大事にしているのか、大変わかりづらい構成で、台詞も日本的でなく洗練されていない気がした。直訳っていうか、正直に訳したという感じ。爆訳(知ってる?)まではいわないが、意訳程度にはしてほしかった。物語の難解さより翻訳の難解さが強く感じられた。また、演出は斉藤晴彦カラー爆発!これで良い。これで良いのだ。過去に演じられた戯曲を見に来ているのではない。あくまでも黒テント公演に足を運んでいるだから。役者は結構良かった。台詞が中心人物だけで構成されていたので台詞のほとんどない人々が多かったにも関わらず、ちゃんと端々まで役を演じることでその人の性格などを感じることができた。登場が立ち稽古に集合するところから始まる。開幕のベルもなく日常のなか舞台が始まる。そういった演出などはなかなか良い感じだ。一番お気に入りの役者は、荻野清子。音楽担当の人らしい。良いぞ、良い。どこかで見たことのある懐かしさを感じる演じ方ではあったが。後はボーダー以上の横並びって感じ。芝居を見たって気には十分なれる。黒テント自体を始めてみたので、いつもと毛色の違う演目で演者も観客も戸惑っていたのかもしれない。いつのことかは知らないけれど、次回の黒テント流の歌あり、楽器ありの芝居ってのを見てみたいと思う。そうすればもう少し、のびのびとした役者たちの顔を見ることができるのではないだろうか。