広島で芝居を楽しむためのブログ

広島での観劇レビューや日々思うこと徒然と。芝居で生の驚き、生の迫力、生の感動を多くの人に知ってもらいたい。

公演名:クリスマスキャロル

2004年12月11日 | 観劇レビュー
日時・会場:
 2004.12.11 アステールプラザ大ホール
作・演出:
 チャールズ・ディケンズ・ボブ・トムソン
出演:
 市村正親
感想:
 良くもなく、悪くもないそんな舞台。一言で言い表すならば、学校で行われる演劇鑑賞会。そう、どこのかのホールで現地集合現地解散で行われる学校行事のやつ。演目も"クリスマスキャロル"と全国学校協会及びPTA推薦みたいなものだった。お行儀良く、きちんとした構成、演出、そして、まじめな市村正親出演。市村正親ソロ・パフォーマンス、演じ方が古いっていうより、それを求めている観客がいて、それに答えることが主眼に作られている感じ。"屋根の上のバイオリン弾き"や"放浪記"などと同じである。そのため、いつもの芝居の客層が違う。着物を着たおばさま方をはじめ、まじめでざます的なおばちゃんが半分ぐらい。会話を盗み聞きをしてみると、その人達にとってもいつもと客層が違うらしい。若い人が多いんだそうだ。でも、全体的には年齢層高めなんですけどね、残念。一人芝居で演じるきるというより、本の朗読ような舞台。まさにオーソドックス。可も不可もない。そう感じるのは、やはり市村って演技うまいのか!と思わせる。しかし、使い方によるけどね。テレビや映画では強すぎてダメダメでしょう、多分。あくまでも舞台俳優、それも古典系正当派系だけとワンポイント起用になちゃうね。しかし、特にけなすことも誉めることもない舞台。これが今年最後で良かったのか、悪かったのか。気になったのは、上得意の方々のためのエッセンスを効かした演出がちょっと・・・。お上品な笑いには個人的にはついていけないかな。"演劇はあくまでもサブカルである"と主張する70年代の亡霊を頭の中にかう人間にとっては、毒のない舞台なんてクリープをいれてしまったコーヒーです。コーヒーがなければ飲むけど、金を出して飲むならやはりブラックコーヒー。"ありなし"でいえば"あり"で、"なしなし"でいえば"なし"である。話自体はわかりやすいし理解しやすい。原作がそうだからかもしれないけど、無理のないテンポ、展開とも評価しても良いのかも。小道具、服装とも良い感じ。舞台も何もないのがかえって様々なイメージを喚起できて良し。今時流行の邪魔なBGMもなく、最低限のSE及び照明ですべてを感じさせる演出は結構高得点かも。そして、それを感じさせない市村の演技力も良いのかも。こうしてみると、総合評価として良質とまではいかないけど、高品質の舞台だとは思います。原点がないぶん高得点に結びついたのでしょう。それでこそ、PTA推薦。しかし、主催の中にテレビ局、新聞社以外に清水演芸が入っていることに最初に気付くべきだった。敗因はすべてそこにあったはずなのに。

公演名:ピローマン

2004年12月02日 | 観劇レビュー
日時・場所:
 2004.12. 2 アステールプラザ大ホール
作・演出:
 マーティン・マクドナー・永塚圭史
出演
 高橋克美・山崎一・中山祐一郎・近藤芳正他
感想:
 チラシではみんなパジャマだったので、正直ピロートークの話だと思っていました。(笑)やべぇ~、オヤジじゃん、ありえな~い。まさかスノーマンの仲間とは・・・、大変失礼しました。ピローって枕って意味なんですね。知りませんでした。日本でいうところの"夜伽"かと思ってました。さて、木曜日という微妙な日程も手伝ってか、観客数は1階ほぼ満員、2階席パラパラといつもどおりでした。もっともっと、増えてほしいよう。ダフ屋が出てくるぐらいの勢いが欲しい。このての公演でも2ディズぐらいできコンスタントに客が見込めればもいろんな演劇もきてくれるだろうに。客層は、年齢ちょっと高めでした。高橋克己、山崎一そして近藤芳正ということで、まちがってもVERYやOGGI系ではなく、クロワッサンや婦人画法系の人々でありました。この芝居、上演時間が長かった。見てればそんなには感じないけど、7時00分から始まって10時40分まで。途中休憩15分としても結構長い。隣のおねーちゃんのデジタル時計の時報がならなければ気にならなかったけどね。話のテンポは良く、大変わかりやすい構成でした。しっかりできてると、長くても間延びせずいい感じになるものだ。ひとつ気になるのはやはり翻訳ものということで登場人物が横文字の名前、これだけはどうしても慣れません。後、翻訳者が悪いのか、演出が悪いのか、原作の意図している展開および演出を壊している。たぶん理解しやすいように?笑いを取るように?と役者にあわせ修正しているんだろうけど、多少の無理が見え隠れしてました。物語を理解というか消化し切れてないって感じ。しかし、マーティン・マクドナーはたぶん本物だと思います。おなじ年ぐらいなので、この情報過多で狭くなっちまった現代及び世界に育ち、同じようなものを見て感じて生きてきたんだなぁと思います。かたや日本で、かたや外国ということで社会観、人生観の違いもあるのですが。それにしても高橋克美。うまいじゃないか!くぅ~、いいぞ!かっこいいぞ!山崎一、兄さんか、兄さんだよね。見ているこちらがイライラするほど演じきる。また、おじょーちゃんと、おもうさま、おたあさまの木偶人形みたいな演じ方は良し。舞台装置も斬新案ものではなく、オーソドックスで面白しろかった。くるくる回って場面展開。また小道具も凝ったものはないけど異質な空間を作り出して良し。音楽も芝居に邪魔しない程度で良し。正直期待してなかった分おもしろかったぞ。