広島で芝居を楽しむためのブログ

広島での観劇レビューや日々思うこと徒然と。芝居で生の驚き、生の迫力、生の感動を多くの人に知ってもらいたい。

公演名:悪魔の唄

2005年03月24日 | 観劇レビュー
日時・会場:
 2005.3.23 19:00 アステールプラザ大ホール
作・演出:
 長塚圭史
出演:
 吉田鋼太郎・山内圭哉・小島聖・伊勢志摩・
 池田鉄洋・中山祐一朗・伊達暁・長塚圭史
感想:
 長塚圭史君期待どおりやってくれました。
それでは、レビューです。

 1階席は埋まり、2階席が3分入り程度。なかなかの盛況。客層もキャピキャピギャル少々に、おねぇさま世代がほとんどという、阿佐ヶ谷スパイダースの至極まっとうなファンの集いの様相を呈していた。最近は阿佐スパも広島でもメジャーになり、芝居ということで迷い込む中高年のカップルはなりを潜め、良い意味でも悪い意味でも長塚圭史が理解されてきていることを実感した。
さて、今回ホールに入って目を引いたのが舞台セット。これがなかなか良い感じで作りこまれ、さぁ、これから芝意味を見るぞって気持ちにさせられ、ひとり盛りあがった。やっぱり舞台はよいなぁなんて感慨にふけっていると間もなく公演が開始した。
 おっ、舞台の端でいすに腰掛け歌っているのは小島聖。細いなぁ。美人だなぁ。声も良く通るし。好きです、大好きです。そして演技うまい。線が細く飄々としているのに存在があり、花がある。今回は幽霊役でしたが、まぁぴったりで良かった。また、吉田鋼太郎、やっぱりうまいぞ。コミカルさとシリアスさの両面を持つ相変わらず良い俳優さんでした。実は池田鉄洋が好きです。なんでかなぁ。とぼけたような、そして、キレ気味でいっちゃってるようなキャラが大好きです。顔で笑って目が笑っていない、そんな感じにはまってます。今回もご多分に漏れずいっちゃってたのがグッド。いっちゃってる役といえば今回もうひとりは伊勢志摩。池田鉄洋とは違って、まともにいっちゃった人を見事演じました。そして、山内君、中山君は割愛です。(笑)どちらも好きな役者さんですが、ワンパだと言われれば、そのとおりです。(W笑)いつもの彼らがいたっていえば、知っている人は一発でわかるでしょう。最後に長塚圭史。ひょろ長く、相変わらずアンガールズみたいです。声はちゃんととおっているけど、役におもみというか存在感がない。彼が彼である必然性を今回もまた理解できませんでした。
 次に脚本ですが、なんでゾンビで幽霊で戦争なのでしょうか。そして、ポップでコミカルでブラックでホラーなのでしゅうか?まったく理解できませんでした。戦争を語るほど、思想、哲学、価値観どれをとっても薄っぺら。恐怖を連想させるほどのホラーでもなく、社会を皮肉るブラックでもない。軽い感じにしたくて、コミカル調のゾンビと幽霊?どれもこれも不発。まさに時代に乗り遅れている感じのするこの脚本こそが、間違えてよみがえったゾンビであり、執念深い幽霊ではないかと。舞台から何か教えられようとか何か学ぼうなんて思ってませんが、エンターテイメントにもなりきっていないものはちょっと・・・。テンポも間延びとは言いませんが、もっと早くてもよい。そして、上演時間が長すぎ、最低30分は短く、欲をいえば半分にしてしまったほうが引き締まると思う。毎回阿佐ヶ谷スパイダースの舞台の役者は鉄板です。間違いがありません。それが脚本のつたなさを毎回役者で補っているといっても過言ではありません。
 後、気になったのは、衣装。なかなか良かったのですが、最初から最後まで出ずっぱりの日本兵の軍服が・・・。パッと見は良いけど、いろいろと思うところがあったし、拳銃はちゃんと南部十四式だったの?なんか違うような気がした。そのほかの衣装は可もなく不可もなく良い感じでマッチしていたような気がしますが。
 なんやかんや書きましたが、なかなか面白い舞台でした。でも、阿佐ヶ谷スパイダースって、手放しでほめられたり万人にお勧めできるものではないと思います。

 最後に、2,000円の110ページ豪華パンフレットは買っていません。だってねぇ・・・。