ホリデイ現役添乗員日記

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シェークスピアも想定外! ヴェローナの賑わい

2011-07-08 17:18:10 | ホリちゃんイタリア
ホリちゃんです。日本も暑いですが、イタリアも暑かったです。ただし、暑さの質が違います。イタリアでは、木陰やビルの中に入れば涼しいですが、日差しは強いので、帽子、サングラス、日焼け止めクリームなどが役に立つわけです。日本は湿度が高くて、夜遅くなっても気温が28℃を上回る、いわゆる「熱帯夜」があって、どうしようもなく過ごしにくいですね。さてさて、本題に入りましょう。シェークスピアといえば、500年以上昔のイギリスの劇作家で、その作品は「古典中の古典」の扱いですね。古典だから、文体が古いので、英文学科の学生さんもさぞかし、苦労とやりがいを感じる作家でしょうね。ホリちゃんも、英語に関してはいささか自信がついてきた大学生の頃、一般教養の英語教授がもの好きにも、「マクベス」を購読テキストにしたものだから、大変! 何しろ、1ページ読むのに辞書を引き引き、1~2時間かかり、読むこと半ページで「あくび」、1ページで「倦怠感」、1ページ半でぼちぼち、シェークスピアに対するかすかな憎しみまで沸いてくる始末。そんな日本人学生をギャフンと言わせたシェークスピアも欧米人の間では、インテリの嗜みになっています。そして、ホリちゃんが今の仕事をはじめてからは、シェークスピアの類まれな取材力と想像力に驚嘆することになったのです。それというのも、シェークスピアの主要作品はどういうわけか、外国のネタが非常に多いのです。あの時代、シェークスピアがイギリスを離れて海外旅行なんかしているはずがないし、遊学の記録も残っていない、ということは、伝説や言い伝え、書物から想像を巡らせて作品を書いたということになります。

イタリアのヴェローナといえば、シェークスピアの4大悲劇の1つ、「ロミオとジュリエット」の舞台として知られています。劇中のモンターギュ家とキャピュレット家の勢力争いは、実在のヴェローナ貴族のいがみ合いがモデルになっています。そこで、ヴェローナ市も中々うまい商売を考えたもので、キャピュレット家の令嬢宅だったところを「ジュリエットの家」と称して入場料までとって観光客を誘致しています。

   

ジュリエットの像が置いてあって右胸に触れば幸せな結婚ができるという言い伝えから、みんな右胸に触って写真を撮っていくので、そこだけ色が落ちてすり減っています。

   

劇中で、ジュリエットが「オー、ロミオ」と名をよび、恋心を告白してしまうバルコニーも観光名所になっています。

   


ヴェローナといえば、東西南北交通の要で、古代ローマ帝国も早くから目をつけたものですから、今も、掘り起こせば地下から、古代ローマ時代の遺跡がどんどん出てくる町なのです。
 
   

   

町中に入るのにローマのコンスタンティヌスの凱旋門を思わせる凱旋門あり

   

すぐ目につくのが、城壁とともに、コロッセオを思わせる円形闘技場(アレーナ)です

   

   

世界遺産扱いの旧市街も、シェークスピア劇の背景となった13~14世紀の独立都市国家(コムーネ)の時代そのままです。

   

商業と経済の中心地、エルベ広場は今も市がたち、マーケットの屋台が盛んです。

   

   

一方、行政の中心地だったシニョ-リア広場もあって、中央には、「新曲」を書いた
ダンテの像が見えます。

   

   

   

「ロミオとジュリエット」のあらすじは、良く知られています。貴族同志のいがみ合いが両家にとってかけがえのない息子・娘を結果として死に追いやってしまった。仇敵でありながら恋に落ちてしまった若者の悲劇を通じて、シェークスピアが描きたかったものは何か?とても難しいテーマです。人間の憎しみ、いがみ合いの感情、深層心理といったテーマを歴史に忠実にドキュメンタリーに語りながら、シェークスピアは表現してみせたのではないでしょうか。決して、悲劇の結果、両家の和解に結びつき、ハッピーエンドで終わるような作品ではなかった。そして、事態はシェークスピアの想像を超えて思わぬ方向へ進んでしまい、シェークスピアの名声も原動力となって、ヴェローナを北イタリア有数の観光都市、世界遺産にしてしまったのです。だから、いつ訪れても、観光客でいっぱいで、ショッピング・ストリートやジュリエットの家では、シェークスピアのシェの字も知らない観光客も存分に楽しんでいるのです。ホリデイツアーでも、
ヴェローナへ行くツアーを選んでいちど行ってみて下さい。その中世的な美しさは、誰をも感動させる力があるからこそ、世界遺産なのです。

   

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