ホリデイ現役添乗員日記

近畿日本ツーリスト ホリデイ現役添乗員が新鮮な情報をそのまま皆様にお伝えします

小国スイスの知恵

2010-07-27 19:02:54 | ホリちゃんスイス
こんにちは、ホリちゃんです。お暑うございます。引き続きスイスの話題です。
スイスは、九州と同じくらいの国土面積で、3/5が山岳地帯ですから、日本とよく似ています。今は先進国ですが、昔は傭兵、つまり人以外、輸出するものもない、どうしようもない貧乏国でした。早くから、「観光で食べていく」ことにフォーカスした国造りをしてきました。アルプスの名峰、氷河、湖、森、といった自然は創造主の作品ですが、人間が創った
町の景観と自然とのコントラストは、人工的に創りだされたものでした。だから、スイスは、どこへ行っても絵になり、シャッターチャンスの宝庫なのです。あのアイガー北壁の中をダイナマイトで爆破しながら、工事を進め、第一次大戦前夜に、ユングフラウ鉄道を完成させてしまう、無謀なようでいてしっかりした計算と企業家精神を忘れない国でした・
創造主と人間のオーケストラのような景観美を守るために、「環境保護」にも力を入れています。例えば、ツェルマットのような、排気ガスをまき散らす自動車は一切乗り入れできず、電気自動車だけの町もあります。街を歩けば、建物から窓辺の花に至るまで、目に見えない様々な法律や条例でまもられています。ホテルに泊まれば、節電と洗剤垂れ流しの相対量を少なくする工夫がなされ、エコに対する意識の高さがわかります。そして、忘れてならないのは、スイスが危機管理に優れていることです。阪神淡路大震災のときには、セントバーナードを派遣してきたような、他国の人命救助にも無関心ではいない国なのです。
あまり、知られていませんが、国民皆兵制で、国防は、各家庭単位で意識され、知恵とノウハウは共有されています。ハイキングコースで、散策しながら、美しい自然に触れることも
素晴らしいですが、この小国の生い立ちと成長過程、成人してからの大人の振る舞い、
こうしたことから、明日の日本がどうあるべきか?を思索し、大きな方向づけをするための
知恵がもらえる気がするのです。スイスへ行くことで、元気をもらってきてほしい!!
ホリちゃんはそう思っています。

スイスアルプス 国境の街

2010-07-25 17:02:36 | ホリちゃんスイス
こんにちは ホリちゃんです。日本列島は猛暑ですが、本来涼しいはずのヨーロッパも暑く、地球はどうしちゃったのかな? そこで、話題だけでも涼しくしようと思って、スイスをとりあげます! ホリちゃんの妻のマチルダが行ってきた「ゆったり満喫スイス」というツアーは、のんびりしていて、癒しになったと言っていましたが、マチルダには、そのうち当ブログにも登場してもらうつもり 
スイスは山国で、外国に囲まれた内陸の国だから、国境の街が多いのです。それぞれ個性があって、例えば、スイスとフランスの国境近くに位置するシャモニーは、フランスの街の雰囲気をもっています。モン・ブランに登る基点となるところです。モン・ブランでは、標高
3844mの、富士山より高い展望台経由で、イタリアへ渡ることもできます。山頂付近と
下界を眼下に見ながら、ケーブルカーを乗り継いで行くのです。これは、「空中散歩」といって、景観と眺めの美しさは、文章では表せないほど素晴らしいものですこの「空中散歩」はホリちゃんの行ってきたツアーですが、スイスの4大名峰すべて見に行けるし、
ハイキングにも行ける優れものツアーです。日本列島が暑く燃えている真夏から逃れ、
涼しいスイスを堪能したい方にもおすすめです。ハイキングしてみると、マッターホルン
などの名峰が、様々な表情をみせてくれることと、時折でくわすなにげない高山植物が
あの有名なエーデルワイスだったり、アルペンローズだったりするので、感動します。

ポーランドはおいしい!

2010-07-20 03:36:53 | デイちゃん中欧
デイちゃんです

前回デイちゃんがポーランドへまた行かなくちゃ

心に固く決心したのには

実は別な理由もありまして

それはどうしてもどうしても


法王様のケーキが食べたいのです


ポーランドという国は

第二次世界大戦後

国境がずりっと西へ250キロメートルもずれた国でして

それゆえ大戦前は

様々な宗教や人種がいたのだが

戦争が終わってみたら

ほぼポーランド人のカトリックの国になっていた


なのでポーランド料理も

ドイツ・イタリア・ロシア・フランス・チェコ・ハンガリー・ユダヤ・トルコ等

いろんな国の影響を受けている

ピエロギなんかも餃子に似ているし

野菜も豊富なので


さすがカトリックの国

まじおいしいのだ


そのなかでもデイちゃんは

前ローマ法王のヨハネ・パウロ2世が大好きだったという

たっぷりのクリームをパイ生地にはさんだケーキ

クレムフカが食べたい

今回密かに狙っていたのだった



ヨハネ・パウロ2世はヴァドヴィツェに産まれ

と学校と教会とケーキ屋さん

半径100メートル以内という

絶妙な環境で育ち

小さいときからクレムフカが大好き

ヴァドヴィツェに凱旋したときも

真っ先にクレムフカを食べたそうだ


それならデイちゃんも・・・食べたい

でも・・・


そこはツアーの悲しさ

ヴァドヴィツェに行ったのに

まさか食べたいから時間を取れとガイドには言えず

涙を飲んであきらめた

ああそれなのに・・・


ええ私は食べたわよすごくおいしかった

やっぱり、どこで食べるよりも

ヴァドヴィツェで食べたクレムフカは違ったわね


・・・なんですって

時間がないと気にしてたのはデイちゃんだけで

もうひとりの添乗員さんは

なんとなんと

食べたというの


真面目というのは、こういう時に裏目になる

次は絶対おいしいクレムフカを食べてやる


デイちゃんは心に固く誓ったのであった


今回は看板だけで我慢したけど


ああ早く行きたいポーランド







アウシュビッツの青い空

2010-07-18 01:48:43 | デイちゃん中欧
お久しぶりデイちゃんです

今年はショパン生誕200年ということで

ポーランドに行ってきました

でも旅行業者は考えている


今年はショパンでポーランドを売れるが

来年はどうする

目玉がないぞ


そこで出た考えとして・・・


・・・アウシュビッツを抜かそうか


そういう案が出てきてもおかしくないほど

アウシュビッツはある意味特殊な場所



ポーランドはほとんど英語ガイドが来るので

添乗員は前もって予備知識を頭に叩き込んでおく

デイちゃんも1週間くらいずっと勉強してポーランドに向かった


ポーランドはカトリックの国

ポーランドは平坦であるが故にいつも侵略され続けた国

そして今は平和な国

でも平和を手に入れるまで

この国ほど困難を極めた国もない


国内の経済の繁栄のため

他の国を追い出されたユダヤ人を受け入れ

そのためヒトラーがユダヤ人を抹殺しようと

文字どうり抹殺しようと

作られたのが強制収容所

そこは想像を絶する場所だった


デイちゃんはお仕事だから

出来るだけ冷静にわかりやすく

英語ガイドの話をお客様に訳さなければならない

でもでも

途中であまりに辛くなってしまい

気分が悪くなって

倒れそうになってしまった


どうしよう


英語ガイドに小声でささやく

少し休みたい

ああなんたること

こんなこと添乗員になって初めてだ

でも

囚人として収容された人はそんなデイちゃんを許さないだろう

なにしろ収容者たちは休憩どころか

トイレだって一日2回しかも全員一緒に決められた時間しか

許されなかったんだから


訳さなくちゃ

何があっても訳さなくちゃ


ぐるぐるまわる頭をかかえて

この場所で起きたかつての出来事から目をそらしてはいけない

その一念でとにかく訳しきった


・・・気が付いたら終わっていて

空には青空が

いつものとうりにあった



あなたには苦しい仕事だったけど

毎日やっている私は慣れる

この仕事を良いとは思わないけれど

誰かがやらなければならないのなら

私がやる

みんなに知ってほしいから



最後にガイドがデイちゃんにそう言って

また会えるといいわね

帰っていった


そうまた行かなくちゃ

どんなに悲惨な場所でも

かつてはそれが現実だったのだから








一服の清涼剤

2010-07-13 19:28:18 | ホリちゃんスイス

こんにちは  ホリちゃんです。
今年はヨーロッパが暑い。ヨーロッパの分水嶺と呼ばれ、平均標高の高いスイスアルプスの
各都市も暑い。どうも、北緯30℃~40℃の間に、亜熱帯ベルトというやっかいなものが発生し、異様な暑さをもたらしているらしいのです。
しかし、3000m~4000mの世界は別でした。身が引き締まるとともに、人間の手が遠く及ばない創造主の創った究極の造形芸術を見せてもらった気がします。その美しさは圧巻です!次回は、スイスアルプスの魅力について語ってみたいと思います。

ショパンとポーランド回想

2010-07-09 21:50:40 | ホリちゃん中欧
こんにちは、ホリちゃんです。 しばらくご無沙汰していたポーランドに、また行けることになりました。7月と8月 2回続けて!! 先日お話ししたように、直行
チャ-タ-便ですから、時間的効率は最高で、肉体的苦痛は最小限です! 皆さんも、海外に限らず、旅に出てみると、自分の人生の異なったステージの想いでと分かち難く結びついていて、突然過去がよみがえってくることはありませんか? そんなとき、想いでは、しばしば、自分の大好きな音楽やメロディ-を伴って鮮やかさを増す、 ホリちゃんは、ポーランドの地を踏んで、街や景観が変わると、ポーランドの生んだピアノの詩人、
ショパンの数々の名曲や旋律がよみがえります。  例えばね、     クラクフの旧市街のショパンの家がある周辺や、狭い中世的な街路は、パリの都心部分と
イメ-ジがマッチしています。雨の日などは、ベージュやシルバーを基調とした古めかしい建物の屋根に銀色の雨が降り注ぐ、「雨だれの前奏曲」の世界そのものです。個人的なことですが、北海道生まれのカントリーボーイだったホリちゃんが、初めて、渋谷や表参道を雨の日うろつきまわった若い頃の体験がベースになっています。そんなことは個人的でどうでもいいことですからこれ以上は自粛しますが、一般的に言えることは、例えば、ワルシャワ郊外のシェラソヴァ.ヴォラにある、ショパンの生家に行ってみて下さい。 美しい田園風景が旧伯爵家のイメージとマッチして、数々の
ワルツやマズルカなど、舞踏会場にふさわしい華麗な旋律が、しっくりくるのです 首都ワルシャワの都心部や旧市街広場は、ポーランド人の毅然とした祖国愛や革命運動、祖国への誇りが雪崩となって目の前に迫ってくる感じですね!そう、
祖国愛がモチーフの「英雄ポロネーズ」や「軍隊ポロネーズ」、ポーランド貴族とパリの
社交界がだぶったイメージの「スケルツオ(諧謔曲)」の数々、仲良く連れ立った絵になる
カップルをみると、バラードやノクタ-ン(特に夜想曲の2番)などが、瞼にうかぶようです。