ホリちゃんです。 昨日は、記念すべき日でした。ホリちゃんとデイちゃんのブログ開設から、ちょうど365日で、ホリちゃんも、ブロガーとしては、満一歳になるのです。アマチュアですから、何かと未熟な点はありますが、興味深くて役に立つ記事を目標にこれからも、がんばっていきますので、応援宜しくお願いします。
でも、本業は添乗で、一応「プロ」として二十数年やっていますから、失敗は許されません。何かチョンボすると、プロ野球選手のエラーと同じで、「大観衆」の前で大恥かくことになります。へたをすると取り返しがつかなくなり、結果次第では、仕事を失うこともあります。そういう修羅場をくぐってきていますから、経験値と職業的カンは、いざというとき、いちばん役に立つ目に見えない各自の「資産」です
経験値とカンがものを言った例として、昨年経験した3度のフライトキャンセルのトラブルを説明してみます。まず、1度目は4月、アイスランドの火山灰の影響で日本に帰れずに、多くの旅客が日本に帰れずに、延泊していた映像はテレビにも出ましたね。ホリちゃんも、26名のグループを連れてドイツにいました。乗り継ぎでミュンヘンの空港に来た時に、火山灰の影響で、空港管制官が空港閉鎖を決めて、アナウンスが流れました。フライトキャンセルです。空港閉鎖ですから、飛行機は全部飛びません。自然災害は航空会社が免責ですから、普通は延泊のホテル代は旅客の個人負担ですが、ラッキーなことに、ホリちゃんの相手をつとめたルフトハンザ職員はルフトハンザ負担でホテルを空港周辺に用意してくれました。
一番大切な、今日のフライトに変わる翌日のフライトの予約は? 空港再開は明日までメドが立たないから、明日の朝7時頃もう一度来なさい、優先的にグループを同じフライトでとっておくから!と言われて、その場は引き下がりました。でも、天気予報は悪くないし、胸騒ぎして、夜中の1時半頃電話で聞いてみたら、空港閉鎖は解除されて、すでに再開しているとのこと!一杯食わされたと思いつつ、すぐに、ルフトハンザへ直行 昨日とスタッフは変わっていたが、かまわず交渉! 相手はしたたかで、「アメとムチ」の戦略できた。それは、「もう1泊すれば、グループ全員一緒のフライト、しかも直行便をとってあげる。どうしても、今日帰るというなら、4~5パターンに分けて、グループを分散するし、乗り継ぎもある」というものだった。 もう1泊もルフトハンザ負担で、しかも、グループで同じフライトという甘い言葉に一瞬気持ちがグラッときたが、明日はまた、スタッフが変わるし、これだけ、キャンセル待ちの個人客がいる中で、団体割引のツアーグループを優先する保証などどこにもない!と思い直し、空席状況をその場で調べて異なった乗り継ぎパターンにわかれたものの、全員をその日の帰国便に乗せることができた。 このときは、作戦勝ち、直観的に「今日帰る選択肢以外に明日はない」と考えたのは正しかったと思います。
次は、ショパンの生誕200周年記念で企画したポーランド航空の直行チャーター便のツアー。7月。ふだんは考えられない仙台発着のポーランド直行便。このときも、日本帰国日にフライトキャンセルになりました。このときは、自然災害と違って航空会社に非があるので、ホテルから、食事から、送迎から全部航空会社負担ですすめるよう、同僚の添乗員と一緒に粘って交渉。しかも、チャーター便だから、帰りもチャーター便で全員いっしょが原則で、自己主張して、要求を貫き通したことは言うまでもありません。
3度目は、10月。カナダへ紅葉を見に行くツアーで、アメリカの航空会社でした。成田から、アメリカのニューアーク空港経由でモントリオールへ飛ぶという出発日にフライトキャンセルが起こりました。テクニカルリーズンといって、機体整備に問題があったため、このときも、コンチネンタル航空を相手に、粘り強く交渉しました。まず、2度くらい、小出しに「遅れ」をアナウンスするやり方に、おかしい!と職業的カンがはたらき、空港レストランで使えるミールクーポンを発行して、とりあえず、目の前から乗客をレストランに追いやって不満を和らげるやり方に、そこまで予算を使うなら、単なる「遅れ」では済まないと思っていました。ホリちゃんは、出発ゲートに居残って様子を伺っていたところ、案の定、「フライトキャンセル」がアナウンスされました。あーあ、ガッカリ!という気持ちと、そうれ見ろ、思った通りと自慢したい複雑な相反する心理の同居。 すかさず、コンチネンタル航空のカウンターの一番前に陣取って交渉。良かった、いちばん前にいて アッと言う間にカウンタ-周辺は、グループの添乗員から、個人客まで、大行列でごった返していたのです。 昔、ルイ・ヴィトンやエルメスで買物に苦労したときと同じ要領で自分専用の接客スタッフを素早くつかまえないと交渉になりません。でも、このときは、他社の添乗員もすぐ後ろにいて、結果的には、2グループの手続きを一人のスタッフが同時進行で進める結果となって、待ち時間が長引いたのは計算違いでした。でも、いつのまにか、いっしょに割って入って、こちらにもグループがいる!といって、「同時進行化」させてしまった手腕は、他社の添乗員さんでしたが、見事でした。敵ながらあっぱれというか、女性は強い! スタッフ(男)の目線と関心は、あちらにいっている。でも、2人とも、翌日の乗り継ぎ便の座席予約、ホテルの確保、食事の確保、空港とホテルの間の送迎の確保で所期の目的を達したのは言うまでもありません。それから、関係機関に緊急連絡して、フライト変更と到着時間を伝えると、驚いたことに、関係機関のスタッフは、ホリちゃんを使って、余計な仕事を頼んできました。同じフライトに、添乗員の付かないホリデイツアーの個人客がいるから、名前を呼んで、探して同じ手続きをしてくれ!というのです。 緊急連絡先だから、ホリちゃんを助けてくれるはずのスタッフが、ホリちゃんを緊急援助のスタッフにみたててきたのです。個人客の皆さん、普通、添乗員がつかないツアーのときは、こういうときの交渉や手続きも普通は自分でやるんですよ!
緊急時はマニュアルも前例も全く役に立たないことがあります。あくまでも、経験値とその蓄積からくる職業的カンや一瞬の判断が大切なときもあります。今の日本は、前例のない災害と事故の処理に追われています。日本の原発事故の処理を行う「頭脳」が足りなければ、外国から人を連れて来るくらいでないと!と思っていたら、フランスから、大手原発会社のCEOがやってきましたね 頑張れ日本! 日本の戦後の歴史は、瓦礫と焼け野原から始まった。復興のための経験値は十分と思います
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