ホリデイ現役添乗員日記

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ミステリアスな「神秘の子羊」ゲント帰還

2011-06-18 15:16:58 | ホリちゃんオランダ・ベルギー
ホリちゃんです。ゲントの町は、いつも数時間しかいないのに何故かインパクトが強烈です。見どころは多いし、町はきれいですが、あの神聖ローマ帝国皇帝となったカール5世が洗礼を受けた聖バーフ大聖堂がアクセントとなって町を締めています。

   

全盛期は織物業で栄えたために、繊維ホールやギルドハウスなど、教会近くの一等地を占める建物も歴史を感じさせます。

   

アムステルダムやブルージュと同じように、運河は交通の大動脈であり、しかも風景の美しさはまた格別です。

   

   

   

   

   

   

  十字軍がアラビアに築いた城塞がモデルとされる「フランドル伯の居城」も見えます。

   

まず、町を歩いていて、かつての肉屋のマーケットを改装したカフェがあるのにもびっくりした。また、ビールの醸造所兼ビアホールが、運河めぐりの発着所近くにすぐ出てくると、グルメでビール大国のベルギーらしいなと思います。

   

   

   

聖バーフ大聖堂には、「神秘の子羊」という名画があります。フランドル美術の最高傑作と言われ、ファン・アイク兄弟の作品です。

   

全部で26枚の絵が上下2段の構成で下の段に天使に囲まれた「祭壇の子羊」が描かれています。祭壇の生贄が、人類の原罪を背負う「イエス・キリスト」であることは明らかです。上の段は「キリストの勝利」がテーマです。時代の不安からくる中世時代の神秘主義といった背景もさることながら、原画のモチーフや構成、細かい表情や感情も描き分けるルネサンスの巨匠のような作品に接して大いに感銘を受けました。

   

   

ただし、中で写真は全く撮れないために、ここでとりあげた写真は、葉書やガイドブックからの借用です。この祭壇画には、「神秘の子羊」というタイトルに負けないミステリアスなエピソードがあるのです。持ち去られたり、盗難にあったり! ナポレオン支配の時代に、一度パリに持ち去られ、また戻ってきた経緯があります。ナポレオン支配が終わり、規則や法令が変わったといっても、よくあの時代のフランスが返してよこしたなと、不思議に思います。さらに、ベルリンの展覧会に出したところ、パネルが何枚か盗まれ、再度集められ復元されるという、これまた、信じられないことが起きています。第二次大戦のときは、ナチス・ドイツの占領軍が持ち去り、ナチスの占領地であったオーストリアの塩抗に隠します。戦後アメリカ軍が発見し、現在はゲントに戻っているから良いようなものの、例えば、ルーブル美術館やニューヨークのメトロポリタン美術館にあったとすれば、知名度はあっても、外国にあって帰ってきていないという哀しさはぬぐえないでしょう。ゲントに帰還した経緯を考えるとミステリーそのものですね。

   

昔の栄光をしのび、歴史と伝統が町づくりに美しく反映しているゲントへ行ってみましょう。ホリデイツアーのオランダ・ベルギーのツアーでゲントに来たならば、欠かさず聖バーフ大聖堂の「神秘の子羊」を鑑賞します。

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