tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

第15回今井町並み散歩は、5月15~16日です!

2010年04月08日 | 奈良にこだわる
いよいよ5月15日(土)、16日(日)の両日、「第15回今井町並み散歩」という町を挙げての大イベントが開催される。ちょうど今年は、今井町出身の茶人今井宗久の生誕490年である。コンセプトは《お茶の文化が今井にどのように根づき、発展してきたかを再確認するとともに商いとのつながりをよりいっそう深めていくことを目的に開催する》というものだ。このイベントは「平城遷都1300年祭 県民活動支援事業」にも選定されている。主な出し物を報道用資料から拾うと

【15日(土)開催】
1.宗久顕彰会・献茶式
【内容】宗久の遺徳を称えるために、住職による供養と表千家奈良支部同門会による献茶式を行う。
【場所】稱念寺本堂
【時間】午前10時

2.火坂雅志氏講演会
【内容】今井宗久が主人公の小説『覇商の門』の作者、火坂雅志氏に「宗久の商人と茶人としての生き様」というテーマで魅力を語っていただく。
【場所】稱念寺
【定員】200名
【時間】午後1時30分から午後3時30分まで

3.呈茶席
【内容】 表千家奈良支部同門会による呈茶
【場所】順明寺本堂
【時間】午前9時から午後4時まで
【お茶費】500円
【限定数】500人

4.茶行列衣装の展示
【内容】茶行列の衣装を展示し、16日の茶行列のPRを行う。
【場所】尾崎家
【時間】午前9時から午後4時まで



【16日(日)開催】
1.町並み散歩開会セレモニー
【内容】第15回今井町並み散歩の総合開催のセレモニーを行い、意義を確かめあう。
【時間】午前9時40分から
【場所】旧南口門前(保育所の運動場)

2.今井六斎市
【内容】六斎市は室町・江戸期の時代に毎月6回定期的に開かれた市であり、商人の町、今井町のありし日のにぎわいを感じつつ個性豊かな物品をつくられた出店者、また参加者との心のふれあうコミュニティの場とし、商品の販売、購入だけでなく、ともに遊ぶ市とする。
【時間】午前9時から午後4時まで
【場所】御堂筋
【出店数】総区画数164区画、118店舗
【出展品目】手芸、陶芸、木工、絵画、食品、リサイクル品などの手作り品を中心としたもの、地場産品。

3.茶行列
【意義】今井町とゆかりのある今井宗久は堺で商人として活躍するとともに、茶人としてもその名を残しています。堺市の大仙公園には宗久ゆかりの茶室(現豊田家にありました)黄梅庵として伝えられています。そこで、今井宗久の徳を讃えると共に、お茶の文化を通してその時代に生きた人々の考え方に少し触れていただきたいと願っています。
【内容】今井町にゆかりの今井宗久とお茶をテーマに、その時代の衣装に扮して、今井町を歩きます。呈茶席にてお茶をよばれる。今年も堺から2日間かけて徒歩にて来町。出迎え隊を組織。
【出演人員】午前/午後 各26名 合計52名
【出演者】今井宗久、織田信長、千利休、豊臣秀吉、津田宗及、町衆、十職、付き人、茶摘娘、プラカード
【出発】午前10時と午後2時から 旧南口門

4.わかば会呈茶席
【内容】お抹茶を味わっていただきます。
【場所】今井景観支援センター
【菓子の製作】今井銘菓『宗久』山本鈴音堂
【お茶費】500円
【時間】午前9時から午後4時まで



【5/15~16の両日開催】
1.今井町衆市
【内容】今井町がかつて商都であったことを物語る品々を展示・販売することでこれからの今井町の商いを考えていく。
【時間】午前10時から午後4時30分まで
【場所】順明寺

2.重要文化財及び伝統的建造物の内部公開
【時間】午前9時から午後4時まで
【対象の重要文化財等】
1.今西家2.豊田家3.中橋家4.音村家5.旧米谷家6.河合家7.高木家8.上田家9.丸田家(元吉村家)10.細田家(古地図展示)11.山尾家(有料)12.稱念寺13.華甍(はないらか)14.尾家

3.名工の館 大和の茶道具師
【内容】茶道具6人の先生の作品を展示します。
【出品者】釜屋(川邊庄造氏) 茶筌(久保左文氏) 蒔絵師(西條一斉氏) 染織(竹村沙佳映氏) 赤膚焼(古瀬尭三氏) 木竹工芸師(川鳳嶽氏)
【会場】旧米谷家
【時間】午前9時から午後4時まで

4.名工の館 大和の匠
【内容】伝統の技術を継承している匠たちの技を紹介します。
【出品者】寧楽友禅(橋爪公志氏) 奈良筆実演(田川欽三氏・15日、田川知世氏・16日)
【会場】音村家
【時間】午前9時から午後4時まで

5.大和今井の茶粥
【内容】古くからの伝統食で、飽食の時代の今だからこそ、そして大和の今井でこそ見直してみたい食の一つとして復元しました。茶粥は今井では昔から日常的に食べられていました。お茶に関する色々な取組みの一環として、町家のかまどに火を入れ、見世物にとどまらず、茶粥を再発見したいと思います。
【時間】午前11時、午後12時30分、午後2時
(計3回)※15日は午前11時のみなし。
【場所】今井まちや館
【限定食数】1回40食の15日80食、16日120食、計200食
【茶粥代】700円

6.にない茶屋
【内容】天秤棒で担ぎつつ茶碗一つの商いは茶の出前でございます。
【会場】町内2ヶ所
【時間】午前9時から午後4時まで
【お茶費】有料

7.大和茶紹介
【内容】日本茶発祥の地である大和高原で、「大和今井の茶粥」でも使用しているお茶を自然栽培している大和茶グループによるもてなし。
【時間】午前9時から午後4時まで
【場所】今井まちなみ交流センター 華甍

8.語りの書展
【内容】若林梅香一門による書の展示を通じ、もてなしの心を伝える。
【時間】午前9時から午後4時まで
【場所】今井まちなみ交流センター華甍

9.観光ガイドウォーク
【内容】10人から20人を1グループとして、観光ボランティアガイドが1人ついて、町を案内しながら町並みを散策する。華甍にて、今井町の全体を説明する。
【時間】午前9時から午後3時まで
(各集合所で人数が集まり次第出発)
【集合】「華甍」観光案内所(今井まちなみ交流センター)、蘇武橋観光案内所
、今井小学校駐車場(午前中のみ)

10.スタンプウォーク
【内容】指定文化財の民家など13軒にスタンプを置き、案内地図にスタンプを集めながら町並みを散策する。用紙は華甍、蘇武橋観光案内所、今井小学校、今井まちづくりセンターで配布する。
【時間】午前9時から午後3時まで

11.クイズラリー
【内容】今井の町家に設置されたクイズに答えていただき、正解者から抽選20名に景品を進呈する。
また、着物で来られた方先着150名ずつに粗品を進呈。
【時間】午前9時から午後3時まで
【クイズ設置場所】3ヶ所
【進呈場所】尾家(16日午後3時30分抽選)

このほか、まちかどギャラリー、町並みパネル展、童謡唱歌を歌う会、ギャラリー中井(中井良雄氏の絵画展)、観光案内、ふとん仕立て実演などが行われる。

こんなに盛りだくさんで、賑やかなお祭りである。1300年祭の今年は、せんとくんも登場し、記念撮影もできる。5/15~16は、ぜひ今井町をお訪ねいただきたい。
※トップ写真は第4回古社寺を歩こう会(09.9.12撮影)。他の2点は、若林梅香さん(今井町町並み保存会)のHPより拝借。
http://homepage3.nifty.com/syodou-yamakitiman/

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奈良樂

2010年04月06日 | グルメガイド
財団法人南都経済センターが発行する「センター月報」(2010年3月号)の「ビジネス情報」頁に、株式会社植嶋と、同社のオリジナルブランド「奈良樂(ならしょうがく)」が紹介された。タイトルは《売れる「商品づくり」と「売場」づくりで活路を拓く》、執筆されたのは同センター主席研究員の井阪英夫氏だ。

井阪氏からは、掲載前から「植嶋という元気な会社があるよ」と聞かされていた。私は同社の「極豆(ごくまめ)」という豆菓子が気に入っていて、「夢しるべ風しるべ」(奈良国立博物館前)内の「大和百菜」などで買い求めては、ビールのつまみにしていた。
http://www.yume-kaze.com/site/shoplist/yamato.html



株式会社植嶋はいわば、工場を持たないメーカーである。同社HPには《奈良県生駒郡斑鳩町にある「お菓子の商社」です。楽しい売場づくりの企画・提案から売場サポートまで、きめ細かなサポートを行ないます》とある。創業は1927年(昭和2年)というから、80年以上の歴史誇る。
http://www.ueshima-net.co.jp/

同社は昨年、「奈良樂」という新ブランドを立ち上げた。HPには《古都奈良でお菓子に関わって80年。沢山の奈良人、そして奈良の豊かな食材との出会いが私たちを奮起させてくれました。そして徹底的にこだわりたかった。「日々の暮らしに楽しい予感を…」そんな思いをコンセプトに生まれたのが「奈良樂」なのです》《ほっとする心ゆるやかなひと時 ふと思い出す懐かしいあの頃 変わらぬ真心に新しい息吹を吹きこんで皆様にお届けしたい 「ずっとこれからも日本のお・や・つ」》 とある。



「奈良樂」ブランドのお菓子の例としては、《奈良県宇陀産の素晴らしい黒豆が、素朴ながら深い味わいの豆菓子になりました。万葉集に詠われる「吉野離宮」があったという奈良・吉野宮滝で造られている梅谷醸造の天然醸造の醤油との出会いからは 「奈良祥楽のみたらし団子」が生まれました》。

《奈良県内のこだわりの菓子職人とのコラボから生まれたのが「大和のお菓子」。その名のとおり素朴で懐かしい味が自慢です。そして、お菓子が大好きな私たちが全国に足を運び選んだ 愛され親しまれ続けてきたお菓子たち。それが「日本のおやつ わくわくセレクション」アイテムはなんと現在130種類》。


法隆寺店の店内

「奈良樂」には、シルバー(あられ、かりんとうなどの昔菓子)、ゴールド(県産醤油を使った団子や県産米粉ロールケーキなどの高級品)、グリーン(ソイパウンドなど特に健康面に留意した菓子)の3つのレベルがある。

店名を「奈良樂」とした直営店も、2店舗ある。1号店は法隆寺店(JR法隆寺駅前)、2号店は近鉄なんば店(近鉄「大阪難波」駅構内・西口)にある。トップ写真は1号店の外観だ。小さいながら明るくて、とても買いやすいお店である。女性従業員さんたちが、元気よく働いている。


法隆寺店のご当地ロール

私は辛党なので、やはり豆菓子などに目が行く。素焼きの宇陀産黒豆は、とても香ばしかった。最近、黒豆にはダイエット効果があるといわれ出したから、有り難味も増す。
http://www.nara-shogaku.jp/waku_udamame.html

家で使っている「キヨエ」(トランス脂肪酸ゼロ・オリーブジュース100%のオリーブオイル)で味付けした、「オリーブジュースな あ・ら・れ」というおかきも美味しかった。
http://www.nara-shogaku.jp/arare.html

あとで同社のHPを見ると、なんと、当ブログ読者のおぜんさん(料理研究家の白水智子さん)が「食感サクサク、お味も軽やか、でもコクがありついつい手が出るあられです。お腹にも重くないのでおやつに、最適。子供からお年寄りまで美味しくいただけるあられです。軽い油なので、封を開けても、油っぽくなりにくいです。さっぱりしているのがうれしいです」とコメントされていた。
※参考:おぜんさんのブログ「膳-sai」
http://blog.goo.ne.jp/ozen1_2006


オリーブジュースな あ・ら・れ(同社HPより拝借)

さしずめ私なら「コアラの国のオリーブオイルが、瑞穂(みずほ)の国でお米と出会いました。パリパリぽりぽり、ビールにも白ワインにもぴったり、お茶請けに最適!」というところか。

「ソイパウンド」という大豆を使ったパウンドケーキも、今回初めていただいたが、しっとりふっくら、しかも甘すぎない。これなら男性にもウケるだろう。以前「奈良のかすていら」を奈良漬屋さんで買って帰ったことがあるが、味にもパッケージにも、インパクトがあった。
http://www.nara-shogaku.jp/kasutera.html


ソイパウンドなど、美味しそうな焼き菓子が並ぶ

同社代表取締役・植嶋修治氏は、雑誌「naranto(ナラント)」09年夏号の「I'm Leader」頁にも登場された。《「卸売業はもともと、変化対応型であるべきなんです。得意先の構成比は5年スパンで変化してしまう。今後は2年3年と、そのスピードが早まると思われます(中略) 私たちが目指すのは『他にはない光る存在』として認められるオンリーワン企業なのです」》。

《「全国を駆け回り、東京や大阪で行われるお菓子の展示会へもこまめに足を運んで魅力ある商品を見出し、商品開発を念頭に交渉を続けました。地元メーカーとの企画会議を重ね、九州フェアなどのイベントも試みました。国産にこだわり、生産者の顔が見える販売スタイルで安心安全を印象づけ、価値を向上させたいという思いもありましたね」 地元・奈良に目を向けたのは、そうした一連の流れから。改革を決意してはじめて、奈良の食材のすごさを知った》。



冒頭で紹介した「ビジネス情報」(センター月報)は、《価格競争に飲み込まれたら将来はない。今後も自社開発で高付加価値商品のラインナップを増やすとともに、それらを活用した売れる売り場をスーパーなどに企画提案していく》という植嶋氏の言葉で締めくくられている。

奈良の優れた食材や、奈良の伝統イメージを巧みに取り入れ、独自商品で幅広い顧客層を開拓する同社のパワーには、恐れ入る。奈良を前面に打ち出した「奈良樂」をメインブランドに、ぜひ全国に「奈良にうまいものあり」をアピールしていただきたいものである。
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山の辺の道「喫茶 卑弥呼庵」

2010年04月04日 | 奈良にこだわる
山の辺の道沿いに「卑弥呼庵(ひみこあん)」(天理市柳本町)というお店がある。よくガイド本などで紹介されているので、ご存じの方も多いだろう。例えば、最近出たばかりの『奈良さわやかさんぽ』(山と渓谷社)には《崇神天皇陵と景行天皇陵とを結ぶ道の間、畑を囲む民家の中で真っ赤な野点傘が目印の喫茶店》。



《ご主人が自宅の日本間家屋を開放して始めたという和風喫茶店で、お茶の先生である奥様が点てる抹茶や、ご主人考案のコーヒーフレッシュを茶せんで泡立てた和風コーヒーを座敷や縁側でいただける》(同)。



《山東伊勢子さん(59)・政幸さん(67)夫妻が自宅の日本家屋をそのまま使った「卑弥呼庵(あん)」は、民宿ならぬ民喫茶? 縁側で靴を脱ぎ、二間続きの座敷に上がればホッとひと息。ゴロンと横になってしまうハイカーも》(朝日新聞「週刊まちぶら 山の辺の道 下」06.5.15)。



4/10(土)に開催する第5回 古社寺を歩こう会「柳本は、魅力がいっぱい!」の打ち合わせで、先日、N先輩と天理市柳本町を訪ねた。その際「柳本もてなしのまちづくり会」の方から、「面白い喫茶店がありますよ。コースに入れましょうか?」というご提案をいただいたのが、このお店である。
※Coming Soon!第5回古社寺を歩こう会(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6298443d3b460572c4295aee90a37fcf

心引かれたが、地図を見ると、南東方向に相当歩くので(国道169号線・天神山古墳南の渋谷バス停から東へ徒歩8分)、スケジュール的にムリがあると断念した。しかし、とても面白そうなお店なので、帰りにお訪ねすることにした。「まちづくり会」の方から連絡していただいていたので、お店の前に着くと、山東さんご夫妻が出迎えて下さった。ご覧のとおりの、重厚な日本家屋である。



詳しいレポートが「かがやきピープル in まほろば」(国交省「日本風景街道」事業関連のブログ)に出ているので、引用する。《山の辺の道から少し路地を入ったところにあるお店は、山の辺の道のオトナの隠れ家といったところ。奈良公園のお茶席などでも見かける野点傘が目印となってお店の入り口である門に誘います。門脇にはお店のママさん伊勢子さん丹精のお花が日々欠かさず活けられています。そして門を一歩入ると、そこは伊勢子さんギャラリー 蔓編み細工と地域のボランティア活動で生まれた花炭のコラボ作品をはじめ圧倒的なボリュームで目を楽しませてくれます》。
http://fukei-mahoroba.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-5a92.html



《伊勢子さんはもともと現在お店となっている自宅で、お花の教室を開いていて、茶花を活けた離れの座敷で生徒さんにお茶の接待も度々催していました。その延長でご主人である政幸さんの定年を機会に自宅で「卑弥呼庵」を始めたそうです》。


よく泡立った「和風コーヒー」400円。茶筅は砂糖を混ぜるときに使う

《名物の「和風コーヒー」は政幸さんのオリジナルで「妻のお茶を真似してイタズラ心で抹茶茶碗を使ってコーヒーを淹れフレッシュで泡立ててみたらまろやかな味になった」のが始まり。たっぷりとボリュームがあるので、縁側の柱にでももたれて、三輪山や景行天皇陵を望む長閑な山の辺の道を眺めながらまったりといただくのがお似合い。そのまま半日ぐらい読書をしても気を使わなくても済む――まったくの田舎の親戚感覚でお客様をお迎えするのが卑弥呼庵のコンセプトといえるようです》。



ご主人の山東政幸さんは、建築分野の仕事をされる公務員だった。《定年後は別の場所でお店を始める計画もあったが、自宅でお店を始めたのはやはりきっかけがありました。それは、山の辺の道が好きでいつも歩きに来る友人の声でした。「このあたりには休憩できるお店はおろか、お弁当を広げられる木陰も少ない」「この家が茶店だったら他のハイカーもきっと喜ぶよ」と。なるほど、縁側からの借景にはお金もかからないことでもあり、思いがけなく自宅でお店が誕生することになったのでした》。

《卑弥呼庵というネーミングは店を始めるとき、ちょうど黒塚古墳の33面の三角縁神獣鏡が発掘され、卑弥呼の鏡ということで全国的に話題になったのにあやかったとのこと。決して歴史に詳しいわけではないので、学者さんなどに話しかけられたときは、「もともと建築分野で役所にいた人間なのでどちらかといえば歴史の壊し屋さんだったかも」とざっくばらんに先手を打つと政幸さん》。



私たちは1時間近くお邪魔していたが、本当に、いつまでものんびりとくつろげるお店である。トップ画像は、以前NHKの「西日本の旅」に出演された時のものだそうだが、ご主人と奥さんのお顔がソックリに描けているので、紹介させていただいた。4/10にお訪ねできないのが心残りであるが、また山辺の道散策の折、仲間を連れて立ち寄らせていただくことにしたい。

山東さん、奥さん、有り難うございました。
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Topic 奈良が世界1~3位を独占!

2010年04月02日 | お知らせ
「国宝阿修羅展」のすべてを楽しむ公式ガイドブック (ぴあMOOK)

ぴあ

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昨夜(4/1)、当ブログ読者の「あをによし南都」さんから、特ダネ情報をいただいた。《すごい統計が発表されたようです。やはり奈良は日本の奈良でなく世界級の奈良ですね。奈良国立博物館の西山さんがTV出演で強調されていた「世界トップクラス」はまさにここで証明されているのですね》。

彼が添付してくれたYahoo!ニュースによると《[ロンドン 31日 ロイター] 2009年に世界各地の美術館で開かれた特別展の1日当たりの来場者数調査で、日本の展示会が1位から4位を独占したことが分かった。英アート情報誌「The Art Newspaper」が発表した》。「アート・ニューズペーパー」誌がつけた見出しは、「日本の名宝が、奈良と東京の驚異的な数の群集を動員」、リードは「本誌常連読者は、日本の展示が再び主要展示会に関する本誌年間調査でトップに立つという場面に、驚くこともなく出くわすだろう」だった。

《それによると、1位は東京国立博物館の「国宝 阿修羅展」で、1日当たりの来場者数は1万5960人。2位は奈良国立博物館の「正倉院展」で同14965人。3位には同9473人で東京国立博物館の「皇室の名宝―日本美の華」、4位は同9267人で国立西洋美術館の「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」が入った。ほかにも、国立新美術館の「THE ハプスブルク」が同5609人で10位に入り、ベスト10のうち半分を日本の展示会が占めた》。
http://d.hatena.ne.jp/utako1265alighieri/20100401/p1

正倉院展六十回のあゆみ

奈良国立博物館

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「アート・ニューズペーパー」誌発表のベスト4を並べてみると、

順位・作品展・会場名
1位 国宝 阿修羅展 東京国立博物館
2位 正倉院展 奈良国立博物館
3位 皇室の名宝―日本美の華 東京国立博物館(正倉院宝物&春日権現絵巻など)
4位 ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画 国立西洋美術館

と、確かに奈良の名宝が世界1~3位を独占している。朝日新聞も、早速《阿修羅展、入場者数で世界1位 英誌が09年調査》《美術専門の英・月刊誌「アート・ニューズペーパー」4月号が、2009年の展覧会入場者数ランキングの1位は東京国立博物館で開催された「国宝 阿修羅展」(朝日新聞社など主催)だったと発表した。1日当たりの平均入場者数を比べたもので、上位4位を日本の展覧会が占めた》(4/1 21:48配信)と、ロイターの記事を紹介している。
http://www.asahi.com/culture/update/0401/TKY201004010388.html

皇室の名宝・名所ガイドブック (めだかの本)
米田 雄介
毎日新聞社

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奈良がベスト3を独占とは、過去に例を見ない快挙である。私はよく「奈良は文化財の宝庫なのに、『倉庫』になり下がっている」と申し上げているが、ひとたび倉庫から取り出し、しかるべき場所で展示し、ちゃんとPRすれば、これだけの数のファンを引きつけるのである。

以前、これも「あをによし南都」さんに教えていただいた「秘密のケンミンSHOW『奈良の明日を考える』」で、《平城遷都1300年を迎えた奈良県。関東をはじめ全国的にはリスペクトされているのに、どうやら関西では事情が違うらしい!?  どうして関西とほかの地域ではイメージにギャップがあるのか?》(番組HP)という話があったが、国際的に比較しても、奈良の名宝はこんなに評価されていたのだ!
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/e1526829cfc65e076b27b0f774f103c8

今更ながら、奈良のポテンシャルの高さには驚かされる。平城遷都1300年祭を機会に、この素晴らしい奈良を全国、いや全世界にアピールしていきたいものだ。
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飛鳥に「神籬(ひもろぎ)」あり!

2010年04月01日 | グルメガイド
ずいぶん以前、同期のMくんから「明日香村に『神籬(ひもろぎ)』という、とても美味しい懐石料理屋があるよ」という話を聞いた。「おんだ祭り」で有名な飛鳥坐(あすかにいます)神社の斜め前にあり、お店の前は何度も通るのだが、入るタイミングを逃し続けていた。

お店のことは、新聞でも何度か読んだ。朝日新聞奈良版(09.4.15付)の《明日香「食」マップ》では、《飛鳥坐(あすかにいます)神社の眼前に位置することから、店名は「神宿る場所」の意味。古布細工店を改装し、03年に開店した》。



《手書きのメニューに、万葉歌が記された敷紙、店内のあちこちに飾られた季節の花々。女将(おかみ)の西川直子さん(57)は「何事も中途半端にせず、気持ちを込めている」と話す。料理に使う水も、吉野の山奥から3時間かけてくんでくるこだわりようだ》。

3/30(火)、同僚と村へ出張する機会があり、念願かなってランチをいただくことになった。予約なしでいただけるメニューは、「飛鳥鍋御膳」2500円と「天麩羅にゅうめん御膳」1500円の2種類である。私たちは、「天麩羅にゅうめん御膳」を注文した。



待つこと10分、まず紙鍋とたっぷりの野菜が運ばれてくる。これを煮ている間に、天ぷらが来る。からりと揚がったとても美味しい天ぷらである。ネタも油も、相当吟味されていることが分かる。天つゆではなく「抹茶塩」でいただくのだが、これもいい。



鍋の野菜に火が通ったところで、薬味をつけてひと口。新鮮な野菜の甘味とツユの昆布と鰹ダシがないまぜになって、絶妙のハーモニーを奏でている。これは「命のダシ」である。このダシは同店のいろんな料理のベースになっているそうだ(明日香さんからの情報によると、料理長さんは「吉兆」のご出身だとか)。
※参考:明日香さんのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/asuka_sayasaya/56943663.html

野菜を平らげたあとはやや太めのそうめんを入れる。煮崩れしない麺が、うまい具合にダシを吸ってくれる(夏場はそのままいただくので、細いそうめんに変えるそうだ)。漬物も、ご飯に載ったちりめん山椒も、香り高いゆずシャーベットも、すべて手作りというこだわりである。



店内の様子がお店のホームページに出ているので、雰囲気がよく分かる。古い町家を活かした、ほっこり落ち着けるお店である。もとは夜も営業されていたそうだが、最近始めた「万葉おやき」(1個=200円)が大好評で、大量の注文をこなすため、昼のみの営業(2部制)に切り替えられたそうだ。


※神籬のホームページ(写真は、女将の西川直子さん)
http://love-asuka.jp/himorogi/index.html

前日までに予約すれば、茶粥懐石3500円や飛鳥鍋懐石4800円をいただくこともできる。女将の西川さんご推薦の茶粥懐石は、上記の朝日新聞によると《10品以上の料理を盛りつけた縁高(器)や豆乳鍋などが出された後、最後に毎回作りたての茶粥が登場。単純な料理に見えるが、さらさらした食感を出すには熟練の技が必要》という逸品である。

とても美味しい飛鳥のお値打ち懐石料理店である。ぜひいちど、お訪ねいただきたい。

※所在地:奈良県高市郡明日香村飛鳥614(電話・FAX 0744-54-2646)
営業時間:(1)午前11時半~午後1時(2)午後1時半~3時の2部制
定休日:毎週水曜日と第3火曜日 
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