山の辺の道沿いに「卑弥呼庵(ひみこあん)」(天理市柳本町)というお店がある。よくガイド本などで紹介されているので、ご存じの方も多いだろう。例えば、最近出たばかりの『奈良さわやかさんぽ』(山と渓谷社)には《崇神天皇陵と景行天皇陵とを結ぶ道の間、畑を囲む民家の中で真っ赤な野点傘が目印の喫茶店》。
《ご主人が自宅の日本間家屋を開放して始めたという和風喫茶店で、お茶の先生である奥様が点てる抹茶や、ご主人考案のコーヒーフレッシュを茶せんで泡立てた和風コーヒーを座敷や縁側でいただける》(同)。
《山東伊勢子さん(59)・政幸さん(67)夫妻が自宅の日本家屋をそのまま使った「卑弥呼庵(あん)」は、民宿ならぬ民喫茶? 縁側で靴を脱ぎ、二間続きの座敷に上がればホッとひと息。ゴロンと横になってしまうハイカーも》(朝日新聞「週刊まちぶら 山の辺の道 下」06.5.15)。
4/10(土)に開催する第5回 古社寺を歩こう会「柳本は、魅力がいっぱい!」の打ち合わせで、先日、N先輩と天理市柳本町を訪ねた。その際「柳本もてなしのまちづくり会」の方から、「面白い喫茶店がありますよ。コースに入れましょうか?」というご提案をいただいたのが、このお店である。
※Coming Soon!第5回古社寺を歩こう会(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6298443d3b460572c4295aee90a37fcf
心引かれたが、地図を見ると、南東方向に相当歩くので(国道169号線・天神山古墳南の渋谷バス停から東へ徒歩8分)、スケジュール的にムリがあると断念した。しかし、とても面白そうなお店なので、帰りにお訪ねすることにした。「まちづくり会」の方から連絡していただいていたので、お店の前に着くと、山東さんご夫妻が出迎えて下さった。ご覧のとおりの、重厚な日本家屋である。
詳しいレポートが「かがやきピープル in まほろば」(国交省「日本風景街道」事業関連のブログ)に出ているので、引用する。《山の辺の道から少し路地を入ったところにあるお店は、山の辺の道のオトナの隠れ家といったところ。奈良公園のお茶席などでも見かける野点傘が目印となってお店の入り口である門に誘います。門脇にはお店のママさん伊勢子さん丹精のお花が日々欠かさず活けられています。そして門を一歩入ると、そこは伊勢子さんギャラリー 蔓編み細工と地域のボランティア活動で生まれた花炭のコラボ作品をはじめ圧倒的なボリュームで目を楽しませてくれます》。
http://fukei-mahoroba.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-5a92.html
《伊勢子さんはもともと現在お店となっている自宅で、お花の教室を開いていて、茶花を活けた離れの座敷で生徒さんにお茶の接待も度々催していました。その延長でご主人である政幸さんの定年を機会に自宅で「卑弥呼庵」を始めたそうです》。
よく泡立った「和風コーヒー」400円。茶筅は砂糖を混ぜるときに使う
《名物の「和風コーヒー」は政幸さんのオリジナルで「妻のお茶を真似してイタズラ心で抹茶茶碗を使ってコーヒーを淹れフレッシュで泡立ててみたらまろやかな味になった」のが始まり。たっぷりとボリュームがあるので、縁側の柱にでももたれて、三輪山や景行天皇陵を望む長閑な山の辺の道を眺めながらまったりといただくのがお似合い。そのまま半日ぐらい読書をしても気を使わなくても済む――まったくの田舎の親戚感覚でお客様をお迎えするのが卑弥呼庵のコンセプトといえるようです》。
ご主人の山東政幸さんは、建築分野の仕事をされる公務員だった。《定年後は別の場所でお店を始める計画もあったが、自宅でお店を始めたのはやはりきっかけがありました。それは、山の辺の道が好きでいつも歩きに来る友人の声でした。「このあたりには休憩できるお店はおろか、お弁当を広げられる木陰も少ない」「この家が茶店だったら他のハイカーもきっと喜ぶよ」と。なるほど、縁側からの借景にはお金もかからないことでもあり、思いがけなく自宅でお店が誕生することになったのでした》。
《卑弥呼庵というネーミングは店を始めるとき、ちょうど黒塚古墳の33面の三角縁神獣鏡が発掘され、卑弥呼の鏡ということで全国的に話題になったのにあやかったとのこと。決して歴史に詳しいわけではないので、学者さんなどに話しかけられたときは、「もともと建築分野で役所にいた人間なのでどちらかといえば歴史の壊し屋さんだったかも」とざっくばらんに先手を打つと政幸さん》。
私たちは1時間近くお邪魔していたが、本当に、いつまでものんびりとくつろげるお店である。トップ画像は、以前NHKの「西日本の旅」に出演された時のものだそうだが、ご主人と奥さんのお顔がソックリに描けているので、紹介させていただいた。4/10にお訪ねできないのが心残りであるが、また山辺の道散策の折、仲間を連れて立ち寄らせていただくことにしたい。
山東さん、奥さん、有り難うございました。
《ご主人が自宅の日本間家屋を開放して始めたという和風喫茶店で、お茶の先生である奥様が点てる抹茶や、ご主人考案のコーヒーフレッシュを茶せんで泡立てた和風コーヒーを座敷や縁側でいただける》(同)。
《山東伊勢子さん(59)・政幸さん(67)夫妻が自宅の日本家屋をそのまま使った「卑弥呼庵(あん)」は、民宿ならぬ民喫茶? 縁側で靴を脱ぎ、二間続きの座敷に上がればホッとひと息。ゴロンと横になってしまうハイカーも》(朝日新聞「週刊まちぶら 山の辺の道 下」06.5.15)。
4/10(土)に開催する第5回 古社寺を歩こう会「柳本は、魅力がいっぱい!」の打ち合わせで、先日、N先輩と天理市柳本町を訪ねた。その際「柳本もてなしのまちづくり会」の方から、「面白い喫茶店がありますよ。コースに入れましょうか?」というご提案をいただいたのが、このお店である。
※Coming Soon!第5回古社寺を歩こう会(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6298443d3b460572c4295aee90a37fcf
心引かれたが、地図を見ると、南東方向に相当歩くので(国道169号線・天神山古墳南の渋谷バス停から東へ徒歩8分)、スケジュール的にムリがあると断念した。しかし、とても面白そうなお店なので、帰りにお訪ねすることにした。「まちづくり会」の方から連絡していただいていたので、お店の前に着くと、山東さんご夫妻が出迎えて下さった。ご覧のとおりの、重厚な日本家屋である。
詳しいレポートが「かがやきピープル in まほろば」(国交省「日本風景街道」事業関連のブログ)に出ているので、引用する。《山の辺の道から少し路地を入ったところにあるお店は、山の辺の道のオトナの隠れ家といったところ。奈良公園のお茶席などでも見かける野点傘が目印となってお店の入り口である門に誘います。門脇にはお店のママさん伊勢子さん丹精のお花が日々欠かさず活けられています。そして門を一歩入ると、そこは伊勢子さんギャラリー 蔓編み細工と地域のボランティア活動で生まれた花炭のコラボ作品をはじめ圧倒的なボリュームで目を楽しませてくれます》。
http://fukei-mahoroba.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-5a92.html
《伊勢子さんはもともと現在お店となっている自宅で、お花の教室を開いていて、茶花を活けた離れの座敷で生徒さんにお茶の接待も度々催していました。その延長でご主人である政幸さんの定年を機会に自宅で「卑弥呼庵」を始めたそうです》。
よく泡立った「和風コーヒー」400円。茶筅は砂糖を混ぜるときに使う
《名物の「和風コーヒー」は政幸さんのオリジナルで「妻のお茶を真似してイタズラ心で抹茶茶碗を使ってコーヒーを淹れフレッシュで泡立ててみたらまろやかな味になった」のが始まり。たっぷりとボリュームがあるので、縁側の柱にでももたれて、三輪山や景行天皇陵を望む長閑な山の辺の道を眺めながらまったりといただくのがお似合い。そのまま半日ぐらい読書をしても気を使わなくても済む――まったくの田舎の親戚感覚でお客様をお迎えするのが卑弥呼庵のコンセプトといえるようです》。
ご主人の山東政幸さんは、建築分野の仕事をされる公務員だった。《定年後は別の場所でお店を始める計画もあったが、自宅でお店を始めたのはやはりきっかけがありました。それは、山の辺の道が好きでいつも歩きに来る友人の声でした。「このあたりには休憩できるお店はおろか、お弁当を広げられる木陰も少ない」「この家が茶店だったら他のハイカーもきっと喜ぶよ」と。なるほど、縁側からの借景にはお金もかからないことでもあり、思いがけなく自宅でお店が誕生することになったのでした》。
《卑弥呼庵というネーミングは店を始めるとき、ちょうど黒塚古墳の33面の三角縁神獣鏡が発掘され、卑弥呼の鏡ということで全国的に話題になったのにあやかったとのこと。決して歴史に詳しいわけではないので、学者さんなどに話しかけられたときは、「もともと建築分野で役所にいた人間なのでどちらかといえば歴史の壊し屋さんだったかも」とざっくばらんに先手を打つと政幸さん》。
私たちは1時間近くお邪魔していたが、本当に、いつまでものんびりとくつろげるお店である。トップ画像は、以前NHKの「西日本の旅」に出演された時のものだそうだが、ご主人と奥さんのお顔がソックリに描けているので、紹介させていただいた。4/10にお訪ねできないのが心残りであるが、また山辺の道散策の折、仲間を連れて立ち寄らせていただくことにしたい。
山東さん、奥さん、有り難うございました。