月1~2回、奈良新聞「明風清音」欄に寄稿している。先週(2025.4.17 付)掲載されたのは〈「肝機能」がV字回復〉だった。この話は当ブログにも書いたことがある。
※トップ画像は最新(3/12)の検査結果。左の私の数値は、すべて右側の基準値以下だ、えへん
私は若手社員だった頃から、人間ドックで検査を受けると、「γ(ガンマ)GTP」など、肝機能の数字は、軒並み悪かった。それが年を追うごとにジワジワと悪化し、2~3年前には初めて訪ねた「呼吸器内科」(睡眠時無呼吸症候群の疑い)で、「肝機能が悪すぎます。お酒は土日だけにして、平日はすべて休肝日にしては?」と言われたことがある。
行きつけの内科医にその結果を見せると、「まあ、そこまで悪くはありません」とのことだったので、安心していた。しかし昨年の8月の特定健康診査で、γGTPは「645」という異常値になり、そこから「隔日断酒」を始めた。6ヵ月後の結果で、γGTPは96にまで改善した。
その話を「明風清音」に書いたのだが、掲載後、最新の検査結果(2025.3.12の検査)が届き、なんと!γGTPは76と、基準値以下にまで改善したのである。もちろんGOTもGPTも基準値以下だった。基準値以下は、20~30年ぶりのことだ。今も隔日断酒は続けているので、これがどこまで下がるか、ワクワクしている。
実は隔日断酒のおかげで、「飲む日」のお酒の味は、グンとおいしくなった。これは、肝臓が元気になったおかげだろう。だから「お酒をおいしく飲むために、隔日断酒をしている」と、言えなくもないのである。では、以下に全文を紹介する。
「肝機能」がV字回復
「糖尿が何だ命の酒は飲む」(奈良市・下村郁子さん「奈良柳壇」3月26日付)。「命の酒」とは威勢がいい。こないだまでは私も、全く同じ気持ちだった。
昨年8月、行きつけの医院(消化器内科)へ奈良市の「特定健康診査」の結果を聞きに行ったところ、「肝機能検査」の項目に軒並み※印(受診勧奨判定値を超える数値)がついていた。
「鉄田さん、これはダメです。γ(ガンマ)GTPは、基準値が86以下なのに、645。GOTもGPTも高いです。放っておくと確実に肝硬変になりますよ」「どうすれば良いですか?」「酒量を減らしてください、3ヵ月後に再検査しましょう」。
これは困った。糖尿(高血糖)だとまだ余裕があるが、肝硬変となると、これは大変だ。何より、お酒が飲めなくなる。20歳代で就職してから、徐々に晩酌の習慣がついた。といっても週に1度は休肝日を設けていたし、酒の上で失敗したこともない。しかし、それでも長年飲み続けると、こんな数値になるのだ。
「1日だけなら、断酒はできる。しかしこれを2日以上続けるのはムリだ」。そこで思いついたのが「隔日断酒」(私の造語)である。隔日でお酒を抜けば、酒量は確実に半減する。これは肝臓の回復に役立つだろう。一度やると決めたら覚悟して、必ずやり遂げねばならない。
実は最近、こんなことがあった。会社のもと同僚で、生涯独身だった男がいた。忠告する家族もいないので、好きなものだけを食べ、酒は好きなだけ飲んでいた(しかも酒に弱く、酒癖も良いとは言えなかった)。もともと血圧が高めで、血糖値は信じられないほど高く、それで入院したこともあった。
晩年には、腸炎や肺炎で入退院を繰り返した。私は、カロリー制限や、糖尿病内科の受診を薦めたが、症状が出ない限り、決して医者にかかろうとしなかった。結局彼は昨年1月、心筋梗塞で孤独死していた。
「宅配の弁当が何日分も溜まっている」と、アパートの隣人が不審に思い、大家さんに鍵を開けてもらったところ、死亡が確認されたのだ。まだ満67歳だった。「私の忠告に耳を傾けていれば、こんなことにはならなかったのに…」と歎き悲しんだが、彼は全く聞く耳を持たなかったので、これは不可抗力だったと諦めるしかない。
ともあれこれを反面教師として、私は隔日断酒に取り組んだ。何とか3ヵ月継続し、検査を受けると、おお、γGTPは173と約4分の1に下がっていた!GOTもGPTも大幅に改善していた。
医師は「いったい何をされたのですか?」「2日に1日、お酒を抜きました」「ではそれを継続して、3ヵ月後に、また検査に来てください」。果たして3ヵ月後、γGTPは96に下がっていた!基準値の86まで、あとひと息だ。
噂には聞いていたが、肝臓の回復力(再生能力)は、とても高いのである。しかし医師は決して「毎日飲んでもよろしい」とは言ってくれない。「これを続けてください。7月の特定健診の結果を見ましょう」。
隔日断酒は、良いことずくめだ。酒量が半減するので、酒代も半減する。晩酌をしないので、夜にもパソコン作業ができる。時々「なぜ、毎日酒を飲んでいたのだろう」と振り返る。お酒自体がおいしい、酔うとリラックスできる、などが思い浮かぶが、私の場合決定的なのは、「寝付きが良くなる」。
子どもの頃から、寝付きが悪く、午後からコーヒーなどを飲むと、深夜まで寝付けなかった。それが晩酌するようになって、寝付きが断然、良くなったのである。
隔日断酒を始めた頃は、飲まない日の睡眠は4時間、飲んだ日は10時間と極端に偏った。しかし医師によると、睡眠時間は「1日に必ず6~7時間、などと決めつける必要はない。4~5日平均して、1日6~7時間眠れていればそれで十分」なのだそうだ。肝機能改善のおかげで、「人生百年」が見えてきました!(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)
※トップ画像は最新(3/12)の検査結果。左の私の数値は、すべて右側の基準値以下だ、えへん
私は若手社員だった頃から、人間ドックで検査を受けると、「γ(ガンマ)GTP」など、肝機能の数字は、軒並み悪かった。それが年を追うごとにジワジワと悪化し、2~3年前には初めて訪ねた「呼吸器内科」(睡眠時無呼吸症候群の疑い)で、「肝機能が悪すぎます。お酒は土日だけにして、平日はすべて休肝日にしては?」と言われたことがある。
行きつけの内科医にその結果を見せると、「まあ、そこまで悪くはありません」とのことだったので、安心していた。しかし昨年の8月の特定健康診査で、γGTPは「645」という異常値になり、そこから「隔日断酒」を始めた。6ヵ月後の結果で、γGTPは96にまで改善した。
その話を「明風清音」に書いたのだが、掲載後、最新の検査結果(2025.3.12の検査)が届き、なんと!γGTPは76と、基準値以下にまで改善したのである。もちろんGOTもGPTも基準値以下だった。基準値以下は、20~30年ぶりのことだ。今も隔日断酒は続けているので、これがどこまで下がるか、ワクワクしている。
実は隔日断酒のおかげで、「飲む日」のお酒の味は、グンとおいしくなった。これは、肝臓が元気になったおかげだろう。だから「お酒をおいしく飲むために、隔日断酒をしている」と、言えなくもないのである。では、以下に全文を紹介する。
「肝機能」がV字回復
「糖尿が何だ命の酒は飲む」(奈良市・下村郁子さん「奈良柳壇」3月26日付)。「命の酒」とは威勢がいい。こないだまでは私も、全く同じ気持ちだった。
昨年8月、行きつけの医院(消化器内科)へ奈良市の「特定健康診査」の結果を聞きに行ったところ、「肝機能検査」の項目に軒並み※印(受診勧奨判定値を超える数値)がついていた。
「鉄田さん、これはダメです。γ(ガンマ)GTPは、基準値が86以下なのに、645。GOTもGPTも高いです。放っておくと確実に肝硬変になりますよ」「どうすれば良いですか?」「酒量を減らしてください、3ヵ月後に再検査しましょう」。
これは困った。糖尿(高血糖)だとまだ余裕があるが、肝硬変となると、これは大変だ。何より、お酒が飲めなくなる。20歳代で就職してから、徐々に晩酌の習慣がついた。といっても週に1度は休肝日を設けていたし、酒の上で失敗したこともない。しかし、それでも長年飲み続けると、こんな数値になるのだ。
「1日だけなら、断酒はできる。しかしこれを2日以上続けるのはムリだ」。そこで思いついたのが「隔日断酒」(私の造語)である。隔日でお酒を抜けば、酒量は確実に半減する。これは肝臓の回復に役立つだろう。一度やると決めたら覚悟して、必ずやり遂げねばならない。
実は最近、こんなことがあった。会社のもと同僚で、生涯独身だった男がいた。忠告する家族もいないので、好きなものだけを食べ、酒は好きなだけ飲んでいた(しかも酒に弱く、酒癖も良いとは言えなかった)。もともと血圧が高めで、血糖値は信じられないほど高く、それで入院したこともあった。
晩年には、腸炎や肺炎で入退院を繰り返した。私は、カロリー制限や、糖尿病内科の受診を薦めたが、症状が出ない限り、決して医者にかかろうとしなかった。結局彼は昨年1月、心筋梗塞で孤独死していた。
「宅配の弁当が何日分も溜まっている」と、アパートの隣人が不審に思い、大家さんに鍵を開けてもらったところ、死亡が確認されたのだ。まだ満67歳だった。「私の忠告に耳を傾けていれば、こんなことにはならなかったのに…」と歎き悲しんだが、彼は全く聞く耳を持たなかったので、これは不可抗力だったと諦めるしかない。
ともあれこれを反面教師として、私は隔日断酒に取り組んだ。何とか3ヵ月継続し、検査を受けると、おお、γGTPは173と約4分の1に下がっていた!GOTもGPTも大幅に改善していた。
医師は「いったい何をされたのですか?」「2日に1日、お酒を抜きました」「ではそれを継続して、3ヵ月後に、また検査に来てください」。果たして3ヵ月後、γGTPは96に下がっていた!基準値の86まで、あとひと息だ。
噂には聞いていたが、肝臓の回復力(再生能力)は、とても高いのである。しかし医師は決して「毎日飲んでもよろしい」とは言ってくれない。「これを続けてください。7月の特定健診の結果を見ましょう」。
隔日断酒は、良いことずくめだ。酒量が半減するので、酒代も半減する。晩酌をしないので、夜にもパソコン作業ができる。時々「なぜ、毎日酒を飲んでいたのだろう」と振り返る。お酒自体がおいしい、酔うとリラックスできる、などが思い浮かぶが、私の場合決定的なのは、「寝付きが良くなる」。
子どもの頃から、寝付きが悪く、午後からコーヒーなどを飲むと、深夜まで寝付けなかった。それが晩酌するようになって、寝付きが断然、良くなったのである。
隔日断酒を始めた頃は、飲まない日の睡眠は4時間、飲んだ日は10時間と極端に偏った。しかし医師によると、睡眠時間は「1日に必ず6~7時間、などと決めつける必要はない。4~5日平均して、1日6~7時間眠れていればそれで十分」なのだそうだ。肝機能改善のおかげで、「人生百年」が見えてきました!(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)
