ショッキングな見出しの記事が出ていた。奈良日日新聞(5/26付)の1面トップだ。
《“大仏商法”時代すでに終わった 奈良市「戦略会議」が苦言 民間もっと努力を》。
5/24に開かれた奈良市の「観光戦略部会」(第6回)の模様を伝える記事で、同部会の事務局が、「観光戦略部会報告書(案)」を発表したのだ。
部会では《奈良観光の課題としては、「観光商品」がない▽食の魅力がない▽特産品を増やすことが必要▽宿泊施設が不足▽魅力を伝える情報発信が機能していない▽公共交通の便が悪い―などが指摘された》。
《委員らの議論では、「もっと観光の具体論を示すべき」といった意見から、「市長との意見交換が必要」という、官民の連携強化などが出されたほか、「民間が観光の努力を怠り、商売熱心でない」といった厳しい意見も出るなど、観光に対する抜本的見直しの必要性が示唆された》そうだ。
こんなキビしい「苦言」を呈する「観光戦略部会」とは、奈良市長の諮問機関である「都市経営戦略会議」の下にある4部会の1つだ。
※奈良市・都市経営戦略会議のサイト
http://www.city.nara.nara.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1147829686195&SiteID=0
市のホームページによると《具体的な施策の後方支援としての奈良ブランドをもう一度創り出す、あるいは磨きだす施策を検討するにあたり、どのようにそれを進めるかを検討し、意見・提言します》とある。
※観光戦略部会のサイト
http://www.city.nara.nara.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1153731902165&SiteID=0
観光戦略部会のサイトには、会員名簿(=奈良の著名人・有識者)やこれまでの議事録・資料が掲載されていて、とても参考になる(ただし苦言も多い)。詳細が紹介されている第4回資料「奈良の観光について」からピックアップしてみると、
1.奈良(市)観光の長所
・社寺、自然、神仏、人間、動物が共生している。
・1200年の文化が途切れず活かされている。
・神話・信仰の歴史があり、名所旧跡がある。
・奈良(市)に憧れ、行きたいという人が多い。
・寺院を訪れると心が癒される。
2.短所
・門前の菓子がない(江戸時代まではあった)。
・地元民が奈良に誇りを持っていない。
・町のまん中に商店(市場)がない。
・宿泊者数・宿泊施設数がともに少ない。
・奈良検定のPRが足りない。
・首都圏にPR拠点がない(iスタジオは不評)。
・観光パンフレットは「京都の付け足し」のよう。
3.今後の方向
・「行政がすべきこと」と「市民・企業がやること」の役割分担を明確に。
・中南部に送客し、奈良市に泊まってもらう。
・シニア層対象の「奈良講」(宿泊で歴史・文化を学ぶ)を設置。
・3日間使える共通拝観券(パスポート)。
・清潔な部屋と風呂だけの宿泊施設(個性やニーズに応じた施設)。
・行政は奈良検定の盛り上げ・やり方の工夫を(観光の起爆剤になりうる)。
長所・短所とも、よく書かれている。思い当たることばかりだ。市の機関なのに、耳の痛いことをきちんと出しているところがエラい。確かに「奈良検定」も、もっと活用すべきだ。
第5回の議事録には、報告書を仕上げた後《実際に、旅行業者、旅館組合等の方々と議論してみてはどうか》《次回(5/24)はその報告を作る会議とする》とある。
つまり、この次(第7回)には観光業者と議論することになる訳で、どんなバトルになるのか、傍聴したいものだ。
※参考:観光地奈良の勝ち残り戦略(4)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/da061e8e6a2ccb4e00900a2ae25467d4
※写真は、朝もやの興福寺(南円堂と五重塔 07年5月撮影)
《“大仏商法”時代すでに終わった 奈良市「戦略会議」が苦言 民間もっと努力を》。
5/24に開かれた奈良市の「観光戦略部会」(第6回)の模様を伝える記事で、同部会の事務局が、「観光戦略部会報告書(案)」を発表したのだ。
部会では《奈良観光の課題としては、「観光商品」がない▽食の魅力がない▽特産品を増やすことが必要▽宿泊施設が不足▽魅力を伝える情報発信が機能していない▽公共交通の便が悪い―などが指摘された》。
《委員らの議論では、「もっと観光の具体論を示すべき」といった意見から、「市長との意見交換が必要」という、官民の連携強化などが出されたほか、「民間が観光の努力を怠り、商売熱心でない」といった厳しい意見も出るなど、観光に対する抜本的見直しの必要性が示唆された》そうだ。
こんなキビしい「苦言」を呈する「観光戦略部会」とは、奈良市長の諮問機関である「都市経営戦略会議」の下にある4部会の1つだ。
※奈良市・都市経営戦略会議のサイト
http://www.city.nara.nara.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1147829686195&SiteID=0
市のホームページによると《具体的な施策の後方支援としての奈良ブランドをもう一度創り出す、あるいは磨きだす施策を検討するにあたり、どのようにそれを進めるかを検討し、意見・提言します》とある。
※観光戦略部会のサイト
http://www.city.nara.nara.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1153731902165&SiteID=0
観光戦略部会のサイトには、会員名簿(=奈良の著名人・有識者)やこれまでの議事録・資料が掲載されていて、とても参考になる(ただし苦言も多い)。詳細が紹介されている第4回資料「奈良の観光について」からピックアップしてみると、
1.奈良(市)観光の長所
・社寺、自然、神仏、人間、動物が共生している。
・1200年の文化が途切れず活かされている。
・神話・信仰の歴史があり、名所旧跡がある。
・奈良(市)に憧れ、行きたいという人が多い。
・寺院を訪れると心が癒される。
2.短所
・門前の菓子がない(江戸時代まではあった)。
・地元民が奈良に誇りを持っていない。
・町のまん中に商店(市場)がない。
・宿泊者数・宿泊施設数がともに少ない。
・奈良検定のPRが足りない。
・首都圏にPR拠点がない(iスタジオは不評)。
・観光パンフレットは「京都の付け足し」のよう。
3.今後の方向
・「行政がすべきこと」と「市民・企業がやること」の役割分担を明確に。
・中南部に送客し、奈良市に泊まってもらう。
・シニア層対象の「奈良講」(宿泊で歴史・文化を学ぶ)を設置。
・3日間使える共通拝観券(パスポート)。
・清潔な部屋と風呂だけの宿泊施設(個性やニーズに応じた施設)。
・行政は奈良検定の盛り上げ・やり方の工夫を(観光の起爆剤になりうる)。
長所・短所とも、よく書かれている。思い当たることばかりだ。市の機関なのに、耳の痛いことをきちんと出しているところがエラい。確かに「奈良検定」も、もっと活用すべきだ。
第5回の議事録には、報告書を仕上げた後《実際に、旅行業者、旅館組合等の方々と議論してみてはどうか》《次回(5/24)はその報告を作る会議とする》とある。
つまり、この次(第7回)には観光業者と議論することになる訳で、どんなバトルになるのか、傍聴したいものだ。
※参考:観光地奈良の勝ち残り戦略(4)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/da061e8e6a2ccb4e00900a2ae25467d4
※写真は、朝もやの興福寺(南円堂と五重塔 07年5月撮影)