4/24(土)、平城遷都1300年祭の平城宮跡会場がオープンした。翌日(4/25)の朝日新聞によると《時空の扉 開く 平城遷都1300年祭 県内外から3万4000人来場》《24日開幕した平城遷都1300年祭の主会場、平城宮跡会場(奈良市佐紀町)には、県内外から予想を上回る約3万4千人(主催者発表)の来場者が詰めかけた。施設には長い行列ができたものの、大きな混乱はなく、心配された交通渋滞はほとんどなかった》。
参考:平城宮跡会場内覧会(報道関係者用)の模様
《主催者が最も気をもんだ交通渋滞は、マイカー自粛や郊外の駐車場からシャトルバス利用を勧める「パーク&バスライド」の事前PRが奏功したためか、「いつもの土曜よりすいている」(日本道路交通情報センター)状況だった》。
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000001004250002
近鉄大和西大寺駅南口のシャトルバス乗り場
私は4/25(日)、平城宮跡会場を訪れた。4/29(祝)に私がボランティアガイドを務める平城宮跡ガイドツアー(「平城宮跡探訪ツアー」の1つ)の予習のため、知人のtsujikenさんとD井さんがガイドする様子を見せてもらいに来たのである。
※平城宮跡ガイドツアー(平城遷都1300年記念事業協会のサイト)
http://www.1300.jp/event/detail/kyuuseki/keve100326.html
1台、バスを見送った
この日は近鉄大和西大寺駅から無料シャトルバスに乗った。最初来たバスには乗れず、次のバスに乗り、会場に向かった。駅南口にある乗り場でバスに乗り、まっすぐ南下して大宮通(阪奈道路)に出て、朱雀門の西側から宮跡会場(エントランス広場)に向かうというルートだ。これは、よく考えたものだ。しかし待ち時間を入れると駅から30分以上かかったので、結果的には歩いた方が早かった。
会場にはたくさんの人が詰めかけていた。来場者によると「昨日より多い」とのことで、確かに今朝(4/26)の新聞各紙には、2日目(4/25)の来場者は3万8千人(前日比+4千人)と出ていた。
出展参加ホール
ツアーがスタートする「探訪ツアーセンター」のお隣りの「出展参加ホール」では、国交省の「国営平城宮跡歴史公園の模型展示」(常設展)のほか、奈良交通が「バスで巡る奈良・大和路の観光案内」展をしていて、多くの人を集めていた。
パナガイドの説明。向かって右がtsujikenさん、左がD井さん
「平城京」と「平城宮」は違うのです(tsujikenさん)
さてガイドツアー(1.5時間コース)は、参加者(東海地方の史跡探訪愛好者団体)のバス到着が遅延したため、10分遅れの11:40にスタートした(解散は大極殿前で13:00)。まずはオリエンテーションルームでパナガイド(無線レシーバー)を装着し、平城京の歴史を学ぶ。説明はメインガイドのtsujikenさんである。
ツアーセンター前をいざ出発
遣唐使船の前で熱弁
次は遣唐使船の説明である。周囲には多くの人がいてザワザワしているが、tsujikenさんの声は直接イヤホンに入ってくるので、とても鮮明である。tsujikenさんは「吉備大臣入唐絵巻」の図版などを使いながら、丁寧に説明される。このあとは、すぐ東にある朱雀門に回る。
朱雀門前で
ここで、1つハプニング。このグループは、探訪ツアーセンターに13:00までに戻らなければいけない、というのだ。解散場所の大極殿からツアーセンターへは徒歩で20分はかかるので、12:40分には解散しなければいけない。ツアーは10分遅れでスタートしているので、1.5時間のツアーを1時間でこなさなければいけない計算になる。
最後尾を固めるD井さん
途中、近鉄電車の踏切やトラムの通行などで、行列が止まることがあったし、時々立ち止まって記念撮影される方もいたが、そこはtsujikenさん、うまく説明を端折(はしょ)られ、ちゃんと対処されていた。サポートガイドD井さんも、列の最後尾でうまくフォローされていた。結局、予定時刻の12:40ジャストに、大極殿前で解散することができた。めでたし、めでたし。こんな事態も考慮に入れておかないといけない、という良いお手本になった。
私はこのツアーを拝見して、1つ良いアイデアを思いついた。tsujikenさんのように、説明を短くして時間に余裕を作る。そして時計と周囲の混雑状況をにらみながら、記念写真の撮影タイムを作るのだ。トイレ休憩を兼ねるのも良い。シャッターを押したりすれば、奈良の好感度も高まることだろう。早速、自分のシナリオに書き込むことにしよう。
たいていの来場者は、大極殿の大きさに驚いていた。東大寺大仏殿より、ずっと小さいのだが(大極殿=間口44m、奥行20m、棟高27m。大仏殿=間口57m、奥行50m、棟高49m)。奈良新聞(4/25付)にも《広さ大きさに驚嘆 大極殿》《奈良時代に国家儀式が行われた空間を体感しようと、第一次大極殿にも大勢の見学者が訪れた》。
http://www.nara-np.co.jp/20100425111951.html
大極殿の基壇の上から、薬師寺の塔や唐招提寺金堂が見渡せる
《神奈川県川崎市の梶川健司さん(76)は「これだけ広い空間が保存されてきたのがうらやましい。神奈川県にこんな場所はありません」、南門広場で古代衣装を借りて散策した奈良市の前田恵美さん(31)は「大きさだけでもびっくりします。昔の人もこんな姿で歩いていたんでしょう。貴重な体験ができました」と笑顔で話した。前庭にはいくつもの花壇が設けられ、大極殿を背景に記念撮影する姿も見られた》。
衛士隊の再現
tsujikenさんたちと分かれて、会場内を散策した。途中で衛士隊の再現や、天平衣装をつけた女性たちに出くわした。何だか古代にタイムスリップしたようで、とても楽しい。これまでに2度、内覧会に参加したが、どちらも雨だったので、印象は良くなかったのだが…。皆さん、平城宮跡会場は、天気予報を確かめてからお訪ねいただきたい。また、日差しを遮るものが少ないので、夏場は避けた方が無難である(ガイドツアーも夏場はお休みだ)。
※天平衣装体験(同協会のサイト)
http://www.1300.jp/event/detail/kyuuseki/0701.html
神戸から来たという天平衣装の女の子たち。ポーズもキマっている
「クーカルイタリアン・イン奈良」の店舗も見てきたが、ちょうど良い具合に繁盛していた。奈良新聞(4/25付)によると、このお店は《県産の食材を使い、イタリアンの有名シェフが腕を振るう「クーカルイタリアン・イン・奈良」(同実行委員会主催)が平城宮跡会場の交流広場で開幕。開店前から食事を求める人の列ができた》。
http://www.nara-np.co.jp/20100425135956.html
クーカルイタリアン・イン奈良
《シルクロードでつながれた奈良とイタリアを食で結ぶ催し。4店舗が並び、有名シェフが考案したパスタやジェラート、ピッツァなどを手軽な値段で提供。オープンテラスは多くの人でにぎわった》。というものである。
鳥も水浴び。宮跡は地下水位が高いので、こんな池があるのだ
こちらは湿地。高い地下水位が木簡を守った
それにしても、この日は暑かった。読売新聞(4/26付)には《最高気温が約20度となった会場では、「日なたを長時間歩き回ることを避け、水分補給を」とのアナウンスが流れた。来場者からは、会場で配布されたうちわが人気で、ソフトクリームの販売が好調だった》。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news/20100426-OYT8T00016.htm
朱雀門の前で集合写真を撮る団体。暑いので大変だ
《エントランス広場の案内所前では、奈良市商店街振興会のスタッフが、大極殿の写真と、せんとくんのイラスト入り特製うちわを配布した。裏側には、加盟31商店街と観光名所を記した地図を掲載。約2時間で1日に配布予定の3000枚に達し、大花章義専務理事(69)は「これから好天が続くので、うちわで暑さをしのぎながら、商店街にも興味を持って」とPRした》。
ランチは「四季旬菜大和路」(フードコート内)でミニ大佛うどんとめはり寿司のセット550円。卵を練り込んだ麺が良い
《フードコートでは、ソフトクリームが前日の約4倍の売れ行き。子ども2人と大極殿、まほろばステージを約3時間かけて見学した奈良市富雄の会社員雨宮康幸さん(41)は「休憩所が少なく、熱中症が心配。夏場は暑さ対策をしっかりしないと」と話した》。
フードコート内の「奈良地産野菜と天然酵母パンの店Buono(ボーノ)」でパンを買って帰った。とても美味しい
帰りは近鉄大和西大寺駅まで歩いた。シャトルバス乗り場には長蛇の列ができていて、30分待ちと告げられたからだ(JR奈良駅や近鉄奈良駅行きのバスは、あまり並んでいなかった)。大和西大寺駅で、当ブログ読者のyokoさんにお会いした。駅のすぐ近くにお住まいだという。「宮跡会場がオープンすると、渋滞で外へ出られないと思っていましたが、とてもスムーズで驚きました。昨日は自転車で会場を訪ねました」とのことだった。
問題は4/29からのゴールデンウィークだ。この期間中、私はボランティアガイドとして2回会場を訪れるので、追って当ブログでレポートすることにしたい。
tsujikenさん、D井さん、日曜日は有り難うございました。とても参考になりました。しばらく忙しいですが、頑張って務めを果たしましょう!
参考:平城宮跡会場内覧会(報道関係者用)の模様
《主催者が最も気をもんだ交通渋滞は、マイカー自粛や郊外の駐車場からシャトルバス利用を勧める「パーク&バスライド」の事前PRが奏功したためか、「いつもの土曜よりすいている」(日本道路交通情報センター)状況だった》。
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000001004250002
近鉄大和西大寺駅南口のシャトルバス乗り場
私は4/25(日)、平城宮跡会場を訪れた。4/29(祝)に私がボランティアガイドを務める平城宮跡ガイドツアー(「平城宮跡探訪ツアー」の1つ)の予習のため、知人のtsujikenさんとD井さんがガイドする様子を見せてもらいに来たのである。
※平城宮跡ガイドツアー(平城遷都1300年記念事業協会のサイト)
http://www.1300.jp/event/detail/kyuuseki/keve100326.html
1台、バスを見送った
この日は近鉄大和西大寺駅から無料シャトルバスに乗った。最初来たバスには乗れず、次のバスに乗り、会場に向かった。駅南口にある乗り場でバスに乗り、まっすぐ南下して大宮通(阪奈道路)に出て、朱雀門の西側から宮跡会場(エントランス広場)に向かうというルートだ。これは、よく考えたものだ。しかし待ち時間を入れると駅から30分以上かかったので、結果的には歩いた方が早かった。
会場にはたくさんの人が詰めかけていた。来場者によると「昨日より多い」とのことで、確かに今朝(4/26)の新聞各紙には、2日目(4/25)の来場者は3万8千人(前日比+4千人)と出ていた。
出展参加ホール
ツアーがスタートする「探訪ツアーセンター」のお隣りの「出展参加ホール」では、国交省の「国営平城宮跡歴史公園の模型展示」(常設展)のほか、奈良交通が「バスで巡る奈良・大和路の観光案内」展をしていて、多くの人を集めていた。
パナガイドの説明。向かって右がtsujikenさん、左がD井さん
「平城京」と「平城宮」は違うのです(tsujikenさん)
さてガイドツアー(1.5時間コース)は、参加者(東海地方の史跡探訪愛好者団体)のバス到着が遅延したため、10分遅れの11:40にスタートした(解散は大極殿前で13:00)。まずはオリエンテーションルームでパナガイド(無線レシーバー)を装着し、平城京の歴史を学ぶ。説明はメインガイドのtsujikenさんである。
ツアーセンター前をいざ出発
遣唐使船の前で熱弁
次は遣唐使船の説明である。周囲には多くの人がいてザワザワしているが、tsujikenさんの声は直接イヤホンに入ってくるので、とても鮮明である。tsujikenさんは「吉備大臣入唐絵巻」の図版などを使いながら、丁寧に説明される。このあとは、すぐ東にある朱雀門に回る。
朱雀門前で
ここで、1つハプニング。このグループは、探訪ツアーセンターに13:00までに戻らなければいけない、というのだ。解散場所の大極殿からツアーセンターへは徒歩で20分はかかるので、12:40分には解散しなければいけない。ツアーは10分遅れでスタートしているので、1.5時間のツアーを1時間でこなさなければいけない計算になる。
最後尾を固めるD井さん
途中、近鉄電車の踏切やトラムの通行などで、行列が止まることがあったし、時々立ち止まって記念撮影される方もいたが、そこはtsujikenさん、うまく説明を端折(はしょ)られ、ちゃんと対処されていた。サポートガイドD井さんも、列の最後尾でうまくフォローされていた。結局、予定時刻の12:40ジャストに、大極殿前で解散することができた。めでたし、めでたし。こんな事態も考慮に入れておかないといけない、という良いお手本になった。
私はこのツアーを拝見して、1つ良いアイデアを思いついた。tsujikenさんのように、説明を短くして時間に余裕を作る。そして時計と周囲の混雑状況をにらみながら、記念写真の撮影タイムを作るのだ。トイレ休憩を兼ねるのも良い。シャッターを押したりすれば、奈良の好感度も高まることだろう。早速、自分のシナリオに書き込むことにしよう。
たいていの来場者は、大極殿の大きさに驚いていた。東大寺大仏殿より、ずっと小さいのだが(大極殿=間口44m、奥行20m、棟高27m。大仏殿=間口57m、奥行50m、棟高49m)。奈良新聞(4/25付)にも《広さ大きさに驚嘆 大極殿》《奈良時代に国家儀式が行われた空間を体感しようと、第一次大極殿にも大勢の見学者が訪れた》。
http://www.nara-np.co.jp/20100425111951.html
大極殿の基壇の上から、薬師寺の塔や唐招提寺金堂が見渡せる
《神奈川県川崎市の梶川健司さん(76)は「これだけ広い空間が保存されてきたのがうらやましい。神奈川県にこんな場所はありません」、南門広場で古代衣装を借りて散策した奈良市の前田恵美さん(31)は「大きさだけでもびっくりします。昔の人もこんな姿で歩いていたんでしょう。貴重な体験ができました」と笑顔で話した。前庭にはいくつもの花壇が設けられ、大極殿を背景に記念撮影する姿も見られた》。
衛士隊の再現
tsujikenさんたちと分かれて、会場内を散策した。途中で衛士隊の再現や、天平衣装をつけた女性たちに出くわした。何だか古代にタイムスリップしたようで、とても楽しい。これまでに2度、内覧会に参加したが、どちらも雨だったので、印象は良くなかったのだが…。皆さん、平城宮跡会場は、天気予報を確かめてからお訪ねいただきたい。また、日差しを遮るものが少ないので、夏場は避けた方が無難である(ガイドツアーも夏場はお休みだ)。
※天平衣装体験(同協会のサイト)
http://www.1300.jp/event/detail/kyuuseki/0701.html
神戸から来たという天平衣装の女の子たち。ポーズもキマっている
「クーカルイタリアン・イン奈良」の店舗も見てきたが、ちょうど良い具合に繁盛していた。奈良新聞(4/25付)によると、このお店は《県産の食材を使い、イタリアンの有名シェフが腕を振るう「クーカルイタリアン・イン・奈良」(同実行委員会主催)が平城宮跡会場の交流広場で開幕。開店前から食事を求める人の列ができた》。
http://www.nara-np.co.jp/20100425135956.html
クーカルイタリアン・イン奈良
《シルクロードでつながれた奈良とイタリアを食で結ぶ催し。4店舗が並び、有名シェフが考案したパスタやジェラート、ピッツァなどを手軽な値段で提供。オープンテラスは多くの人でにぎわった》。というものである。
鳥も水浴び。宮跡は地下水位が高いので、こんな池があるのだ
こちらは湿地。高い地下水位が木簡を守った
それにしても、この日は暑かった。読売新聞(4/26付)には《最高気温が約20度となった会場では、「日なたを長時間歩き回ることを避け、水分補給を」とのアナウンスが流れた。来場者からは、会場で配布されたうちわが人気で、ソフトクリームの販売が好調だった》。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news/20100426-OYT8T00016.htm
朱雀門の前で集合写真を撮る団体。暑いので大変だ
《エントランス広場の案内所前では、奈良市商店街振興会のスタッフが、大極殿の写真と、せんとくんのイラスト入り特製うちわを配布した。裏側には、加盟31商店街と観光名所を記した地図を掲載。約2時間で1日に配布予定の3000枚に達し、大花章義専務理事(69)は「これから好天が続くので、うちわで暑さをしのぎながら、商店街にも興味を持って」とPRした》。
ランチは「四季旬菜大和路」(フードコート内)でミニ大佛うどんとめはり寿司のセット550円。卵を練り込んだ麺が良い
《フードコートでは、ソフトクリームが前日の約4倍の売れ行き。子ども2人と大極殿、まほろばステージを約3時間かけて見学した奈良市富雄の会社員雨宮康幸さん(41)は「休憩所が少なく、熱中症が心配。夏場は暑さ対策をしっかりしないと」と話した》。
フードコート内の「奈良地産野菜と天然酵母パンの店Buono(ボーノ)」でパンを買って帰った。とても美味しい
帰りは近鉄大和西大寺駅まで歩いた。シャトルバス乗り場には長蛇の列ができていて、30分待ちと告げられたからだ(JR奈良駅や近鉄奈良駅行きのバスは、あまり並んでいなかった)。大和西大寺駅で、当ブログ読者のyokoさんにお会いした。駅のすぐ近くにお住まいだという。「宮跡会場がオープンすると、渋滞で外へ出られないと思っていましたが、とてもスムーズで驚きました。昨日は自転車で会場を訪ねました」とのことだった。
問題は4/29からのゴールデンウィークだ。この期間中、私はボランティアガイドとして2回会場を訪れるので、追って当ブログでレポートすることにしたい。
tsujikenさん、D井さん、日曜日は有り難うございました。とても参考になりました。しばらく忙しいですが、頑張って務めを果たしましょう!