tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

外国人観光客の増加で活況を呈する奈良県。県下各地では、美味しい飲食店も激増中です。ぜひあなたも「どっぷり奈良好き」人に!

七福星の「豚足煮込み」

2007年08月30日 | グルメガイド
ミナミ周辺(大阪市)で飲むことになり、北堀江の「七福星(しちふくせい)」に行った。

「あまから手帖」(07年8月号)の「街の中華屋さん」特集に登場していたので、以前から目をつけていたのだ。目の前のビルには仕事でお邪魔したことがあるので、場所はすぐ分かった。若者の多い南堀江と違い、周辺にはオフィスビルが多い。

お店はビル1階の奥で、路地のようなところに面している。見かけは場末のラーメン屋風で、がらんとしたコンクリート打ちっ放しの店に簡単なテーブルと椅子が並ぶ。

まずはビールと「すぐにできるおつまみ」筆頭の「豚の胃袋」(350円)を注文。ゆでてスライスした豚の胃(冷製)は、ネギとショウガ醤油でいただく。クセはなくコリコリとした食感が良い。

具たっぷりの「餃子」(400円)には、味噌ダレがつく。このタレは初体験だ。半分を酢醤油、半分を味噌ダレで食べたが、やはり味噌ダレが合う。よく考えたものだ。

そしてメイン(写真)の「豚足(とんそく)煮込み」(800円)と「蒸し鶏ネギ油(小)」(550円)。これはうまい! 4時間煮込んだ(下茹で2時間+味をつけて2時間)という豚足はトロトロと口の中で溶ける。スパイス(八角)と紹興酒の香りが鼻から抜ける。こんな美味しい豚足煮込みは食べたことがない。豚は鹿児島の黒豚だそうだ。

冷たい蒸し鶏には、油で熱したネギがトッピングされている。クセのないササ身にネギ油をからめて食べた味は、決して高級中華に引けを取らない。750円の「大」にすれば良かった…。
※七福星の紹介サイト
http://www.pretty-online.jp/shop/01188.html
http://fmosaka.net/antenna/food/archives/2006/04/post_236.html

「いやー、食べ物では大阪にかなわないなぁ」と言いながら店を後にした。近くにあれば、必ず常連になっているだろう。この店一番の名物は「台湾もつ鍋」(ラーメン付 2人前=2500円)だそうなので、秋風が吹く頃には、ぜひもう一度訪ねてみたい。
※お店の地図(西区北堀江1-10-2 都市開発ビル1階:北堀江病院の裏=東)
http://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E135.29.54.79N34.40.14.58&ZM=9
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うだしげきさんの「ちちろ」

2007年08月29日 | 奈良にこだわる
映画『殯の森』の舞台挨拶(8/25)で、主演のうだしげきさんが「ヒマなので来て下さい」とおっしゃっていた「ならまち文庫・古書喫茶ちちろ」というお店を訪ねた。

奈良県文化会館の裏手にあるNHK奈良放送局の裏(北側の道沿い)。西から行くなら、奈良女子大正門の南東にある交番の角を東に少し入ったところにある。なお「ちちろ」とは、コオロギのことだ。
※ちちろの紹介サイト
http://n-dv.net/chichiro.html

写真で見ていたとおりの古い町屋(かつて山頭火が訪ねたこともある)で、靴を脱いで上がると、うださんが奥から出てこられた。当然だが、認知症の老人ではない。思っていたより背が高くて精悍で、(映画と違って)言語も明瞭だ。
※殯の森(ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/b17b9531a8a24d5b633cb31fd3370df8

壁際にずらりと並んだ古書は売り物だそうだが、奈良の本がない。お聞きすると「奈良に関する文章を書いているので、2階(書斎)に置いてあります」とのこと。だから売り物ではないのだが、わざわざ2階まで案内して下さった。なるほど『奈良点描』『奈良の宿 日吉館』『大和の年中行事』はじめ、奈良関連本が書棚に並んでいる。

1階には吉本隆明や本多勝一など、いかにも全共闘世代(うださんは昭和21年生)好みの本を中心に、いろんなジャンルの古書があり、沖縄本は1つのコーナーになっている。文筆家らしく日本語(言葉)に関する本も多く、文庫コーナーには司馬遼太郎などもある。

豆から挽いていただいたホットコーヒー(400円)をいただきながら、うださんご自身の仕事のことや、河瀬さんが提唱している「なら国際映画祭」のことなどをお聞きすると、丁寧にお答えいただいた。

考え事をするときなど、映画の老人(しげき)の表情に戻る。メイクだと思っていたら、本当に前歯が1本欠けていたのにも驚いた。

お店を出る前に、うださんの写真を撮らせていただいた。いつもの癖で「もう少し笑って」「レンズを見て」とか言ってしまったが、カンヌ映画祭グランプリ作品の主演男優に注文をつけたのだなと、あとで赤面してしまった。

うださんと気軽にお話もできるし、お店で『殯の森』のパンフレット(700円)を買うと、サインまでして下さった。ぜひ、お訪ねいただきたい(定休日は月曜)。
※ちちろのホームページ
http://www2.odn.ne.jp/~cdl17850/
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殯の森

2007年08月26日 | 奈良にこだわる
《殯(もがり) 敬う人の死を惜しみ、しのぶ時間のこと。また、その場所の意。語源に「喪あがり」喪があける意、か。》 映画『殯の森』のエンドロールが流れる直前に、この字幕が出た。

昨日(8/25)、カンヌ映画祭でグランプリ(審査員特別大賞)を受賞したこの映画を見てきた。近鉄高の原駅(奈良市朱雀)前の「ワーナー・マイカル・シネマズ高の原」(イオン高の原ショッピングセンター内)で、この日から上映が開始されたのだ。

自主上映を除けば、奈良県下での公開は今回が初めてである(厳密には、ここは京都府木津川市になるが)。そこで初回上映の終わりと第2回の冒頭で、河瀬直美監督と主演のうだしげきさんによる舞台挨拶が行われた。

私は第2回上映(12:30)を見に行った。舞台挨拶は15分ほどの軽妙なトークだったが、うださんがお若いのには驚いた。なお彼は、この映画を15回見られたそうだ。奈良女子大近く(NHKの裏手)で古書喫茶を営まれていて「ヒマなので来て下さい」とおっしゃっていたので、一度立ち寄ろうと思っている。
※古書喫茶ちちろ
http://n-dv.net/chichiro.html

映画については、私の知人で先に見た人が2人いて、1人は面白かったと言い、1人はほとんど寝ていた、と言ったので、どちらが本当かと興味を持っていた。なお私は、河瀬作品は初期の短編を見た程度の初心者である。

冒頭から、鬱蒼とした森が登場する。県下で見慣れた杉の人工林ではなく、広葉樹の天然林だ。私の頭の中で、早くも「千の風になって」が流れ始めた。田原地区(奈良市)の整然と刈り込まれた茶畑も印象的だ。
※『殯の森』の公式ホームページ
http://www.mogarinomori.com/

グループホームのシーンでは、深い皺が刻まれたお年寄りの顔がアップで写る。まるでフェリーニの映画だ。その中でヒロインの真千子(尾野真千子:五條市西吉野町出身)の若さ・美しさが際立つ。

認知症のしげきは妻(まーこ)を33年前に亡くしている。新任介護福祉士の真千子は幼い息子を事故で亡くし、それがもとで離婚している(真千子は息子の死を自分のせいだと責めている)。ある日、2人はしげきの妻のお墓参り(三十三回忌)に出かけるが…。

90分の作品は、とびきり上等のアート系映画である。主役はしげきと真千子というより、森であり風であり鳥の声であり川であり田畑である。その中で生かされている人々がいて、そこで1つの事件が起きる。

ロケは田原だけでなく、奈良市月ヶ瀬(スイカ畑)や東吉野村(川べり)でも行われたと舞台挨拶で聞いた。真千子の住まいがある北東向(きたひがしむき 奈良市花芝町)の雰囲気も良い。主人公たちの心を投影した印象的な風景を選んだ河瀬監督の感性は、鋭い。

しかし予期していたほど「奈良色」が前面に出た映画ではなく、むしろ普遍的な情景を選んだようにも思える(東北や九州でも撮れそうだ)。生と死、老いと若さ、魂と肉体、という普遍的なものを表現するのだから、それで良いのだが。

それにしても、こんな才能の持ち主が奈良から生まれたとは、素晴らしい。河瀬監督は、平城京遷都1300年の2010年に「平城宮跡周辺で国際映画祭を開催したい」という抱負を語っておられたが、ぜひ実現させたいものだ。

※写真は、田原の茶畑(奈良市此瀬町。頂上に太安万侶墓がある 6/23撮影)。
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菩提もと 升平

2007年08月25日 | 奈良にこだわる
「清酒 菩提(ぼだい)もと 純米 升平(しょうへい)」という奈良の銘酒がある。「もと」(漢字では酉へんに元)とは、酒母(しゅぼ=蒸し米や米麹の中で酵母を培養したもの)のことだ。

平安中期から室町末期、奈良市菩提山(ぼだいせん)町にある正暦寺(しょうりゃくじ)で行われていた醸造法を「菩提もと造り」という。永く廃れていたその製法を、八木酒造株式会社(奈良市高畑町)が1999年に復活させたのが、このお酒である。

入手の難しいこのお酒をいただいたのは、私のブログでおなじみの南都さんの、奈良市高畑にあるご実家である。夏休みで帰省されているところに、押しかけたのだ(8/21)。

私はこのお酒を初めていただいたのだが、やや甘口でずっしりと濃い味は、淡麗辛口ばやりの世の中にあって、存在感が際立つ。ラベルもクラシックで、伝統の重みを感じさせる。さすがは日本酒発祥の地、奈良の酒だ。

この日は、ご覧の通り天ぷらを次々に揚げて下さり(写真は3度目くらいのお代わり。エビの太さには仰天)、塩辛やちらし寿司などもたっぷりいただいた。お父さまの興味深い話に耳を傾けながら、美味しいお料理やお酒を堪能した。

お母さまや奥さまなど、ご家族総出で歓待していただき感謝の申し上げようもない。それにしても南都さんは私を車で送るため、せっかくの銘酒を一滴も口にされず、これは大変お気の毒なことであった。

南都さん、ご家族の皆様、本当に有り難うございました。
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桃尾の滝

2007年08月19日 | 写真
暑い日が続いている。奈良市は昨日(8/18)も最高気温が36.4℃という猛暑日だった。なので、涼しい話題をひとつ。

天理市・布留川(ふるがわ)の上流に「桃尾の滝」(もものおのたき・天理市滝本町)がある。石上神宮付近から天理ダム方面に登り、途中で狭い横道に入る。

ここは明治に廃絶した龍福寺(桃尾山蓮華王院)の境内地だったところで、今も修験道の行場になっている。訪れた日(8/9)にも、家族連れの行楽客に混じって白い衣の修行者がおられて、驚いた。

古今集には「布留の滝」として詠まれ、芭蕉も訪れたという。清流は県の「やまとの水」(31か所のうちの1つ)にも選ばれている。
※滝全体の写真はこちら
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/9a/c0136c32d137d80d057a6d3175fed873.jpg

23mの滝の中ほどをよく見ると、小さい石仏があった。中世には真言密教の大道場だったというから、その名残なのだろう。行楽地というより、やはり「行場」という厳かな雰囲気がある。

地元の人以外には案外知られていない名所だ。私も、近くの「親里ホッケー場」へはよく行っているのだが、ここを訪れるのは初めてだった。暑気払いに、いちど訪ねてはいかが?
http://domestic.travel.yahoo.co.jp/bin/tifdetail?no=jtba3902631&genre=10&t=a&sg=103&ref=k29s&ken=29
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