tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

芸妓 菊乃のかわいい奈良

2010年11月29日 | ブック・レビュー
ならまち最若手の美人芸妓(げいこ)、菊乃(きくの)さんが書かれた『芸妓 菊乃のかわいい奈良』(実業之日本社刊)を読んだ。これは、とてもユニークな奈良ガイド本である。菊乃さんが薦める奈良の「かわいいもん」「おいしいもん」「ありがたいもん」「うつくしいもん」「おとまりどころ」が、たっぷりと紹介されている。

本の帯には《「奈良にうまいもんなし、夜の街なし」などと悲しいことをいわはる方もいてますが、そんなことありまへん。うちの大切な、大好きな奈良の魅力をのぞいてみてください》とある。

版元の紹介には《奈良の芸妓さんのはじめての本、できました! 奈良は、かわいいもの天国。みなさん、どうぞごひいきにぃ。最若手芸妓・菊乃ねえさんが案内する、乙女でディープなガイドエッセイ》《●かわいいもん……猫かふぇ 寧估庵、亀ノコミチ、垣谷繊維など ●おいしいもん……Le BENKEI、日本料理 つる由、カフェcloverなど ●ありがたいもん……春日大社、氷室神社、御霊神社、不空院など ●うつくしいもん……佐保川、飛火野、鶯の滝、滝坂の道など ●おとまりどころ……菊水楼、ゲストハウス枕、登大路ホテルなど》。


第1回菊乃会「春日大社日本舞踊奉納」の模様
(菊乃さんのホームページ「菊乃流」より拝借)
http://www.kikuno.net/index.html

菊乃さんは当ブログもご覧になっているのか、私がブログで紹介したお店がたくさん登場する。日本料理つる由のほか、囲炉裏ダイニングたなか、そば切り川名、BEKKAN PIATTO(別館ピアット)、TEN.TEN.CAFE(テンテンカフェ) etc.
※つる由 ― 奈良に咲く割烹の華(当ブログ内・以下同じ)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/3854b1b98d589ad2e3a73387a42a646c
※囲炉裏ダイニングたなか
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/ffa5581b73d215f0b2064a607def71fc
※そば切り川名
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/94e3ccb56d7f28bcceff90de061530c5
※BEKKAN PIATTO
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/227f8d053b7a2902487b6e0b0b31610e
※TEN.TEN.CAFEのキーマカレー
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/3c633d0e6df12a79c9e7c46b01094def

「あとがき」には《まだまだ奈良にはご紹介できなかったすてきなお店がぎょうさんあります》として、粟ならまち店、黒川本家、クイーンアリス・シルクロード、天平青柳(てんぴょうあおやぎ) etc.の名前が挙がっている。新しいお店も、よくご存じのようだ。
※粟ならまち店(当ブログ内・以下同じ)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/ee42679fb5112ad0b1e1c66cdfef264b
※黒川本家の「葛あんかけ丼」
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/e88b3762af71622ffaa8c6998aa04b04
※クイーンアリス・シルクロード
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/84be1a0dd1adf900dee7cbbf14aaaab5?fm=rss
※天平青柳
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/37cac6d7aadd13089c5cb16be7e39530

芸妓 菊乃のかわいい奈良
菊乃
実業之日本社

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菊乃さんは、奈良市・元林院町(がんりいんちょう)の芸妓さんである。菊乃さんのHPによると、元林院町は《明治初年花街として出発。明治44年元林院町検番設置。大正年間には置屋12軒に増え昭和にかけ芸妓も200人を数えるぐらいになるが昭和40年代半になると元林院の衰退が始まり現在置屋は3軒、芸妓数は13名》。
http://www.kikuno.net/about.html

《元林院という寺院は興福寺の別院だったと言われ創建時期は不明。地方から出てきた人たちの宿所だった。興福寺別院の元林院は 1532年で焼失しその後再建されずこの頃から奈良の他の町と同様町人たちが移り住み元林院町の歴史の始まり。江戸時代には竹坊と称する絵師たちが工房を構え絵屋町を形成。別名絵屋町と呼ばれる》。

実業之日本社の「コン平&糖子のブログ」には、著者・菊乃さんへのインタビュー記事が載っていて、無料で公開されている。これが面白い。《「現在奈良にお住まいだそうですが、奈良に住む人の人柄ってどんな感じなのですか?」 菊乃「個性的な人が多いんとちがうかな? う~ん、個性的というよりは、自分を持ってはる方が多いですねぇ。前から奈良に住んでる人にしても、こう、『わたしはわたし』というような方が多いように見受けられますね。強気で『わたしはわたし!』と肩ひじはっているのではなく『うちはうちやから~』みたいな。『だからこうしたい~』『したいからしてんねん~』っていう方が多いように感じますねぇ」》。う~ん、これは鋭い。奈良県人は、わりと頑固なのだ。
http://ameblo.jp/konpeitoshobou/entry-10668306793.html#main

《「芯は強いけど、当たりはソフトな人が多いんですね。奈良に住んでて感じる奈良の魅力ってなんでしょう」 菊乃「そうですねぇ。奈良は、どこからか集まってきた人らが多いんです。地元の人は少ない気がしますね。いったん奈良を出て、どっかよそへ行ってまた戻ってくるというパターンも多いみたいですよ。よその土地や外国へ行ったら奈良の良さを再発見して、『やっぱり奈良がいい』って思うみたいですよ。ほっとできるんですって。心のふるさとというんかなぁ」》

《菊乃「うちは大阪出身なんですけど、もう奈良で過ごしている時間の方が長いさかい。たまに帰省してまた奈良へ帰ってきたときはね、夜に近鉄奈良駅に降り立って空気を吸ったら、『はぁぁぁ』って落ち着くんですよね。関東から来られた方もね、近鉄奈良駅の前の行基像(ぎょうぎぞう)あたりでいつも、『奈良の空気は全然違うなぁ』と感じはるそうですよ。普段いたら思わないんですけどね」》

《「菊乃さんは10代のころからずっと舞妓、芸妓をされていて、とてもお忙しいイメージがあるのですが、恋愛をする時間はあったのですか?」 菊乃「ある、ないではなく、そういう時間は作るもんでしょう。それに、恋愛しているときっていつの間にか睡眠不足になってしまっていても、妙にうきうきして、元気が出てきません? 健康やないとデートできないし。化粧品を選ぶにしても、どういうのが好きなんかな、こういうのが好きなんかな、こんなのデートで着ようかしら? なんてわくわく感が24時間続きますでしょ。うきうきモードがスイッチオンですよ。恋愛は元気にしてくれるものでしょう。逆に、元気になれない恋愛はだめですよね。うちは前向きなんでマイナス思考の男性はお断り!」》
http://ameblo.jp/konpeitoshobou/entry-10695166651.html#main

GACKTIONARY
Gackt
角川マーケティング(角川グループパブリッシング)

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《「菊乃さんは、どんな男性が好みですか?」菊乃「今、GACKTさんが大好きなんです(笑)今度、GACKTさんが主演の『眠狂四郎』の公演を観に行くんですよ。楽しみですね。もうチケットが届いた日にゃあ……ふふふ。生もお綺麗でしたねぇ~。着流しが素敵で~♪ お顔でいうとね、こう、切れ長でしゅーっとしたような、目の細い人が好きなんです。あと『鬼平犯科帳』の二代目中村吉右衛門さんとか。どちらかというとファザコンなんです、うち(笑)。逆に若い人は苦手なんですよ、一緒にいても何を喋っていいか分からなくて。年上の方でお話上手な方が好きですね。それもかなり年の離れた人。でも、GACETさんは特別。彼ってこの世のものじゃないような美しさがあるじゃないですか。そこがいいんですよね」》。

菊乃さんは花柳流の名取(花柳鷹)で、この土曜日(11/27)には「名生の奈良~世阿弥への熱き想いを所縁の奈良で」(やまと郡山城ホール・伝統芸能シリーズ)というイベントで、創作舞踊「井筒」を舞われた。能の「井筒」(筒井筒)から詞章を取り込んだ新作で、あまり大きな動きのない難しい舞踊だったが、菊乃さんは情感たっぷりに舞われていた。菊乃さんが登場すると、静かな会場内からどよめきが起きた。

「夜の街がない」といわれる奈良で、菊乃さんの存在は大きい。最近は「ゆうドキッ!」(奈良テレビ放送)や「かんさい想い出シアター」(NHK総合テレビ)などにも出演され、奈良の「顔」として活躍されている。3年前からはお茶屋バー「つるや」も営まれている(ただし「一見さんお断り」である。私も入れてもらえなかった)。『芸妓 菊乃のかわいい奈良』は、そんな菊乃さんへの「入門書」としても読める本だ。
http://www.asahi.com/food/news/TKY200711180082.html

この本には、奈良の花街に住む若手芸妓の目から見た「かわいい奈良」の魅力が満載されている。ぜひお読みいただきたい。


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4 コメント

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Unknown ()
2010-11-29 23:50:11
菊乃さんの舞い、とても素敵でした。
菊乃さんは、一つの道を極めようと日々研鑽してこられたのだと思います。その姿が大変たおやかで美しく、忙しなく過ごしてしまう自分自身の毎日を改めて見つめ直す事が出来た貴重なひとときでした。
ありがとうございました。。。
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芸能の奥深さ (tetsuda)
2010-11-30 06:26:19
麻さん、初コメント有り難うございました。

> 菊乃さんの舞い、とても素敵でした。菊乃さんは、一つの
> 道を極めようと日々研鑽してこられたのだと思います。

はい、素晴らしかったですし、本当におきれいでした。伝統ある日本芸能の奥深さに触れることのできた、貴重なひとときでした。
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ホームページ「菊乃流」 (50の手習い)
2013-03-15 23:05:51
菊乃さんのホームページ「菊乃流」http://www.kikuno.net/index.html が、以前のものと変わっています。菊乃さんご本人は気づいてらっしゃるのでしょうか?
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Facebook経由で (tetsuda)
2013-03-16 10:28:04
50の手習いさん、コメント有難うございました。

> 「菊乃流」が、以前のものと変わっています。

ホントですね。Facebook経由で、ご本人に知らせておきました。ご指摘、深謝です。
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