tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

『続・大学的 奈良ガイド』(昭和堂)は、こんなスグレモノ!

2022年05月01日 | ブック・レビュー
奈良女子大学文学部なら学プロジェクト編『続・大学的 奈良ガイド ― 新しい見どころ60編』(2022年4月25日 昭和堂刊)税別2,000円を入手した。言わずと知れた同プロジェクト編『大学的 奈良ガイド ― こだわりの歩き方』(2009年4月20日 昭和堂刊)税別2,300円の続編である。続編の帯には「奈良の謎と魅力が盛りだくさん」とある。

正編が出たのは、私が「奈良まほろばソムリエ検定」1級に合格し、最上級の「奈良まほろばソムリエ」をめざして「これから頑張るぞ~!」というときだった。だから随所に黄色の蛍光ペンでマークし、付箋もたくさんついている。かといって、どれだけマスターしたかは心許ないのであるが…。

続編は1編を4頁で統一しているので、60ものテーマがずらりと並んでいる。これらはすべて、『月刊大和路ならら』(一般社団法人「 なら文化交流機構」刊)に連載されたものだという。目次から拾ってみると

第1章 モノは語る
 木簡と史書は語る ――平城宮大極殿建設の真実  舘野和己
 葡萄の道――「ボ・ダウ」「ぶだう」「ブドウ」  矢島洋一 など
第2章 まなざしと表現
 高松塚古墳のメディア学――発見当時の新聞記事を読む  小川伸彦
 大いなる『正倉院模造宝物』――吉田包春の美の世界  六車美保 など
第3章 横顔に映る奈良
 宇多上皇、吉野宮滝へ――道真の「御幸記」を繙く  西村さとみ
 澤田四郎作を知っていますか――大和が生んだ知のネットワーカー 寺岡伸悟 など
第4章 時空間を超えて
 「国のまほろば」という言葉――その理由と時  小路田泰直
 景観に見る奈良の風――見えないものから奈良を見る  浅田晴久 など
第5章 暮らしの今昔
 女性の暮らしやすさから見た奈良――家事・育児負担とサポート・ネットワーク 水垣源太郎
 あとの祭りにしないために――祭礼継承のためにいま何をなすべきか  武藤康弘 など


版元の「内容説明」には、

前著『大学的奈良ガイド』は、一般のガイド本では満足できない「学び好き」の奈良ファンの厚い層の存在を発見した画期的一書であった。大学の教授陣による確かで清新な知を求める世の欲求や向学心はいまも健在であり、続編が渇望されてきた。

今回の本は、全体を5章にテーマ分けをして、より分かりやすい視点を新たに採用しつつも、一歩も二歩も踏み込んだ内容となっている。


正編が出たあと、奈良まほろばソムリエ友の会(当時)の故 小北博孝会長と、「当会も、ゆくゆくはこんな立派な本を出したいですね」と言い合っていた。それはいまだ実現していないが、これまで読みやすい初心者向けの本(すべて新書版)を4冊刊行したので、目標は半ば達成したとも言える(『奈良「地理・地名・地図」の謎』『奈良の隠れ名所』『奈良百寺巡礼』『奈良万葉の旅百首』の4冊)。

続編はこれから読むところであるが、1ページ目から読むのは大変そうなので、興味のあるところから拾い読みするつもりである。この大型連休中にはとても片付きそうにないので、カバンに入れて少しずつ読んでいくつもりである。これから「奈良まほろばソムリエ」をめざす人には、格好の手引き書となるだろう。皆さんも書店で本書を手に取り、よろしければぜひお買い求めください!
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