藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

なぜ若者が脱原発など政治活動に参加しないのか?

2012-08-10 15:53:18 | 社会・経済

皆さんは「三菱樹脂事件」と呼ばれる雇用拒否事件を覚えおられませんか。確か昭和48年に結審した事件のように記憶しています。

この事件は、Y さんが学生時代、 政治運動に参加している事を、 身上書に記載していなかったことを理由に、 試用期間完了前に三菱樹脂が Y さんを解雇した事件です。この事件は、 最高裁判所大法廷まで争われましたが、 最高裁判所は三菱樹脂の言い分を認め、思想信条を採用の決定条件として認める判決を出しました。 そのことにより就職を前提に大学に進学した若者が、 政治活動の場をもぎ取られました。 最高裁判所の判事は、 内閣が指名し国民が承認することは、 皆さんご存知ですが、 衆議院選挙時に最高裁判所の判事の信任投票が付随して行われることがありますが、 未だ過って不信任された判事は存在しません。

最高裁判所の一番大きな仕事は、 国や企業が行う行政や商活動の合憲性を担保することにあるのですが、 職業の選択の自由や、 思想信条の自由等の基本的人権の番人であるのですが、 「三菱樹脂事件」の様に、思想信条の自由、職業選択の自由に関する判断が示された時も、 国民審査制度は機能せず、三菱樹脂の雇用拒否を追認した形となりました。

その時の大審院は、二名の判事が違憲の意見でしたが、 多数決で合憲としました。 今冷静に考える時、本当に合憲だったのか疑問に思う。

今回福島で放射能の洗礼を受けて大学生が、 脱原発の運動に参加すると、就職時に何らかの選別をされる可能性を、 企業に与えてしまったのではないでしょうか。

衆議院選挙時における、国民審査制度を今一度真剣に考えてみてください。

我々の首を絞めているのは案外に、我々なのかもしれません。