WESTWOOD -手作りビンボー暮らし-

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琉球戦国列伝

2022年10月22日 | 面白かった本

古琉球と呼ばれる15世紀、ヤマトの戦国時代に先んじて琉球にも戦国時代があった。琉球というそれほど広くはないがその海洋地勢的位置から貿易で栄え、その富をもととした波乱万丈の目くるめくような勢力争いと権力の変遷、登場人物の多さは「三国志」にも匹敵する物語と言われている。

しかし、学校教科「地理歴史」「日本史」まして「世界史」でもほとんど取り上げられることはない。日本のとりわけ「本土」の人たちには琉球史あるいは沖縄史といっても凄惨な沖縄戦と戦後の米軍基地をめぐる現代史、いわゆる「アメリカ世」くらいの知識しか持たないのではないか。実際、私自身もそうだった。

沖縄音楽に触れハマってしまってから、その歴史にも興味を持つようになった。戦中戦後史に関しては多くの書物があるが19世紀以前の歴史について一般向けにも分かりやすく書かれたものはあまりない。
そんな中で古琉球の戦国時代100年ほどに限ってだが、琉球の歴史の中でも最もダイナミックであったろう時代を、一般初心者にも分かりやすく解説されている。帯にも「波乱万丈の琉球史、初めの一冊」とある。デジタルとビジュアルに親しむ現代人向けにイラスト中心のビジュアルと簡潔明快な分かりやすい解説は、入門書として出色ではないかと思う。amazonでも入手可能。

NHK大河ドラマの素材としても、この魅力的な古琉球戦国時代が取り上げられていないのが不思議なくらいだ。大河ドラマでは、尚氏による琉球統一からおよそ100年後、島津藩と幕府による首里王府解体、琉球のヤマトへの併合「ヤマト世」の始まりを描いた「琉球の風」があるのみである。

表紙と代表的な登場人物をご紹介。初めて古琉球統一を果たした第一尚氏の祖、尚巴志。

古琉球戦国時代のメインアクターたちの中でも中心人物、勝連按司の阿麻和利と中城按司の護佐丸。

戦国の世に翻弄された悲運の王女百度踏揚。「おもろそうし」に当時の記録を残した唄三線の祖赤犬子。

尚氏の家臣であったがクーデターで第一尚氏時代を終焉させ、自ら即位した第二尚氏の祖、尚円王。

 


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