てくてく日々是雑感

こんにちは。てくてくねっとの たま です。
日々のあれこれをつづります。

読書 続く

2008年05月05日 | 本棚
『チベットを馬で行く』は、旅の目的のひとつカイラス山の巡礼を終え、ちょうど中間地点のセンギ・カンバに到着。ここまで約2ヶ月の旅だ。文庫本のしおりもちょうど真ん中あたりにある。長い旅の途中では、やはりいくつかのトラブルやハプニングがあったが、深刻なものはなく、ほぼ順調。
この本はずっと前から読みたいと思っていたのに、なかなか手が出せなかった。読む側の私に、一枝さんの大きな旅に付き合う余裕がなければ、楽しめないだろうと思っていたからで、自分の中にそのチャンスを待っていたところがある。そして、ようやくそのタイミングが訪れたみたいだ。
それに、椎名誠のエッセイに出てくる一枝さん、また、一枝さん自身が書くエッセイから受ける、一枝さんの印象は、厳しい人、というイメージがあったから。厳しい人の厳しい旅だったら、それに付き合うのはつらいとも思っていたから。
チベットでの一枝さんも、やはり自律の人だったが、でも、東京での暮らしを語る一枝さんより、饒舌で軽く、解きほぐされた空気をまとっていた。
旅の途中は、見るもの、聞くもの、やらなければならないことがたくさんあって、忙しい。でも、ふとした空白の時間に、母のこと、娘のことを回想する時の一枝さんの深いため息のような言葉に、胸が詰まる。


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