てくてく日々是雑感

こんにちは。てくてくねっとの たま です。
日々のあれこれをつづります。

幸田文を読む

2008年10月01日 | 本棚
ここ3ヶ月ずっと、幸田文の本ばかり読んでいる。すでに10冊を越えた。

きっかけは、ある書評で「文体がうつくしい」と再三ほめていたこと。
それほど絶賛するとはどんなものか、と無造作に手に取ったのが『父・こんなこと』。

まさか露伴の臨終のみとりの壮絶な記録とは知らなかった。
ちょうど父の命日近く、いろいろと思い出されるタイミングに因縁を感じた。
幸田文の文章は写実なのにそれがすっかりそのまま精神論になっているところが、
露伴親子の在りようを映し出して凄まじい。
父を看取った娘として自分を見返り、不甲斐なさに情けなくなるやら腹が立つやら。

幸田文は20代の頃は読めなかった。
露伴の厳しさがびしびしと突き刺さってきて、手に負えなかった。
いま、あらためて読んで、露伴を思う文の機微がようやく感じられるようになった、と思う。

古本屋に行って幸田文の本を買い込んで立て続けに読んでいる。
有名な露伴の家事仕込み。雑巾がけ、障子貼り、薪割り…。
日々の家事は少しでも楽に手抜きに、などばかり考えているし、
そもそも家事を主婦のシャドウワークに貶めることへの反抗心、
なんで私だけこんな目に、と思うから余計やる気もないのだが、
すぐ影響される私は、気候のよさも手伝ってからだが動くありがたさもあり、
家事に向かう心持ちがいつもと違う。もちろん露伴親子には遠く及ばないが。




最新の画像もっと見る