てくてく日々是雑感

こんにちは。てくてくねっとの たま です。
日々のあれこれをつづります。

花粉 まだまだ序の口

2008年03月25日 | 近辺
毎年、花粉のことを書いてますが、ほとんど自分の覚書のために今年も書きます。
今のところは、まだそんなにひどくはないのです。
いつもピークは5月だから。
3月初めごろから梅雨入りまで、まだまだ続くんです。
花粉症の時期が長いので、花粉症疲れがたまって、ピークの5月ごろは、
心身ともにくたくたになってしまいます。

花粉症とお付き合いして、どうだろ、10年以上になると思うんだけど、
私が花粉症になったきっかけ、自分では「これだ」と思い当たる節があるんです。
それは、当時借りていたアパートのトイレ工事。
大家さんが、トイレの便器と壁紙を替えるリフォームをしてくれちゃったのですが
どうも、この時使った壁紙の接着剤が、よくなかったみたいなのだ。
リフォームしたての頃、個室に入ると目や喉が痛くなるし、薬臭いし。
窓もなく換気もできない狭い個室に、揮発性接着剤の化学物質が充満していて、
それがアレルゲンを誘発しちゃったんだろうね。
家族の他の者たちは何にも感じなかったらしく、
私が「痛い臭い」と叫んでも全く意に介せず。冷たいねえ。

で、それから間もなく、「くしゅん」と出たくしゃみと、
今まで感じたことがなかった鼻のむずむず感。
これが花粉症か~と思いましたね。

最初の頃は、症状もわりあい軽く、
くしゃみも「くすん」程度のかわいいものだったのに
だんだん勢いが増して破れ袋みたいなくしゃみを連発するようになってしまって。
くしゃみって体力使うのよね。ほんと、つらいのよ。

それでも、薬は一切飲まず、なんとかやり過ごしています。
毎年「これがいい」「あれがいい」というものを少しずつ試しつつ。
ま、一番手っ取り早いのは「マスク」ですね。
しかし、これから桜が咲き出すと、マスクだけじゃ防ぎきれなくなるんだよな。

そゆわけで、私はお花見は行けませんし、行きたいとも思いません。悪しからず。


「ファーストフード・ネイション」

2008年03月15日 | 映画
 
 「ファーストフード・ネイション」という映画を観ました。
 ルポルタージュ「ファストフードが世界を食いつくす」(草思社刊)を元に
 映画化された ファーストフード業界の実態を暴く物語です。

 「食の安全性」のみならず「格差社会」「環境問題」などへの
 問題提起になっています。

 映画では、ハンバーガーチェーン店の本社幹部、
 牛の生産現場、精肉工場と、そこで働くメキシコからの密入国者、
 店舗で働く学生、それぞれに焦点をあてて問題をあぶりだしています。

 中でも精肉工場の労働環境は悲惨です。
 命がけで国境を越えて仕事を求めてやってきた密入国者たちの
 弱みにつけいるような劣悪な境遇。
 1時間に60頭分の処理をするというライン稼動の早さのため
 従業員の作業が追いつかない。
 動物の血や糞便が肉に混入することなど日常茶飯事。
 ケガも多く、それに対する補償もない。
 
 あまりのひどさに、どこまでフィクションなの?現実なの?と
 逆に疑いたくなるほど。

 牛が牛肉になっていく過程はあまりに残酷で機械的で
 命をいただくことの神聖さが全然感じられなくて
 ただ、重さだけがずっしりと石を飲み込んだように残る。

 何も変わらず、救いのない映画の結末に
 巨大産業に押しつぶされる無力を感じつつ
 やはりこれも、知らなければならない事実、
 伝えなければならない現実、だと思う。



フェアトレードと環境問題

2008年03月07日 | 気になる言葉
しうさんのタイ・ラオスの旅をきっかけに、また、フェアトレードについていろいろと考えが広がっている。
しうさんもブログに書いているように、(一部)フェアトレード団体の、融通の利かなさ、世間常識からずれた流通に対する認識、商品の粗悪さ(昔に比べればだいぶよくなったけど)、不透明さなどで、フェアトレード商品の取扱いに次第に躊躇するようになってきていたところだけど、それでも、ここ十数年のフェアトレードの取り組みは、少しずつ成果を出してきているし、今後も必要とされていることは間違いないと思う。

グローバル・ヴィレッジの代表サフィア・ミニーさんのブログに時々目を通すのだけど、今週はネパール訪問の様子が書かれている。
http://www.peopletree.co.jp/safia/index.html

「今のネパールで経済的にうまくいっているのは、フェアトレードぐらいではないでしょうか。経済はすっかり後退してしまいました。政治的に不安定な状態が続いたことで、インフラは崩壊し、マオイスト(毛沢東主義過激派)によって移住を余儀なくされた人々で、カトマンズの谷の人口はわずか5年のうちに倍増しました。物価の高騰に加え、石油燃料、水、電気の供給が制限され、市内では断続的にしか使用できない状態です。私の知るかぎり、この土地でこれほど暮らしが困窮したことはいまだかつてありません。」
「この国に必要なのは、優れた政府と計画です。フェアトレードだけではどうにもなりません。」
「ネパールには、伝統技術のを受け継いだ、優れたダッカ手織り職人がいますし、すばらしい天然の繊維と生地があります。」
「(イラクサ、ヘンプ、バナナの幹と根からとった繊維など)こうしたすばらしい糸を開発できたのは、フェアトレードのパートナーシップによる長期的な取り組みがあったからにほかなりません。」
「ほとんどは手仕事による生産ですから、唯一の強味といえば、定期的にやってくる停電にも直接の影響を受けないことです。」
「オーガニック・コットンの認証を提示できなかったために、企業から注文を取り消されたこともあると聞いて、ショックを受けました。なんとばかげたことでしょう!社会正義と環境正義は、どちらも並行して取り組まれるべきものです。」(一部抜粋)

さらに、今回の訪問を元に書かれた報告がこちらです。
http://www.wftday.org/japanese/about_wftday/nepal/index.htm

「「南」の国々で手工芸品を生産しているフェアトレード団体にとって、環境問題や高くなっていく環境基準に対応していくことは、彼らが国際貿易に参加していく際のさらなる障壁となるだろう、と(議論されている)。それでも私には、今こそフェアトレードで広く使われている環境負荷の低い生産方法が認められ、売上や社会的影響力を上げていく絶好のチャンスだと思われるのです。フェアトレードで扱う手工芸品はほとんどが手作りで、石油による動力より人の手仕事が生産の中心になっています。」
「また、フェアトレードの手工芸品は、ほとんどは現地で調達できる自然原料を使い、より多くの生産者の生計を支えられるよう、最大限の生産が行われていることで、その「付加価値」を最大限に高めています。つまり、大量生産ではなく、大衆による生産を優先しているのです。おおざっぱに言えば、地球からの搾取をおさえて、より多くの人びとの生活を支えることができるのです。」(一部抜粋)


これらの報告を読みながら、
確かに、ネパールなどの最貧国では、大量の石油燃料を使わず(使えないのだが)、原料の調達から製造、流通まで、ほとんど人間の力で行われていることを思い返す。
フェアトレード団体はその状況下で、技術や品質の向上、オーガニック認証の取得等、支援し続け、世界に通用する商品へと育て上げようとしている。
このネパールの報告を読むと、その成果が確実に現れているのだとうれしくなる。(もちろん、まだまだの部分もあるけれど)

そして、現地で調達できる自然素材を使い、環境に負荷のない方法で、高品質の製品を作る技術は、逆に、今後の環境問題を解決する手立て、モデル、ヒントになり得るのではないか。
使用後は土に帰る原料を使う、廃棄物をリサイクルする、などのネパールの生産者の取り組みが、もっと注目を集め、環境にやさしい活動として展開していけるのでは。
という提言は、貧困問題と環境問題を同時に考え、ひとつの方向性を見出して価値あるものだと思う。

さらに、これを読んで私が感じたこと。
今、フェアトレードは「先進国」と「途上国」という縦の関係で動いているわけだけど、今後、途上国どうしの横のつながりに発展すれば、それはまた、大きな力になるのではないだろうか。
フェアトレード団体の支援を得て、それぞれの現場で身に付けた技術や知恵は、他の現場でも役に立つことかもしれない。それらをシェアし合うことによって、さらにオルタナティブな自立の道を創造することができるのではないか。

世界の方向性は、突出すること、人よりも先に高く頭を出すことに向かっているけれど、首を回して、横に手を広げることで、得られる豊かさも求められているのではないだろうか。