てくてく日々是雑感

こんにちは。てくてくねっとの たま です。
日々のあれこれをつづります。

「メゾン・ド・ヒミコ」

2006年03月31日 | 映画

「メゾン・ド・ヒミコ」

ふだん新作は1泊しか借りないんだけど、
1週間で半額だったので思い切って借りてみました。
正解。何度も観たくなったから。

ゲイの老人というマイノリティの物語といってしまえば特殊だけど、
人間の生き様としては特殊じゃない。
そのあたり、あまりこってりせずに描かれていて、
そしてあとからじわじわと思いが打ち寄せてくる。
内面を刺激する感じ。

オダギリジョーの色っぽさが何より印象的。
ゲイという役柄もふまえた上でのうっすらとした色気。
そう思って見ると、斉藤一役はみごとにフェロモン消してたなあ。
フェロモンて出したり消したりできるんだ、役者っていうのは。
という話はイトイさんのまいど論に準ずるんだけど。

あんな魅力的な男に、女として抱かれることができなくて、
サオリは、自分が男だったらよかったのに、とか思わなかったかな。
ゲイを嫌っていながら、ゲイの男に惹かれていく、その揺れ加減が絶妙で
着地点が切なかった。

テーマとキャスティングはそれなりによかったけど
脚本が…語彙が少ないのが気になった。
言葉数ということではなく、言葉の種類の彩りのなさが、物足りなかった。

柴咲コウは「GO」ではまだ子どもっぽい体型だったのが印象的だったけど
だいぶからだと表情のバランスがとれてきた感じ。
あの「目」が強すぎてね、なかなかからだがついていかない。

オダギリジョーは、重心がふらつく立ち姿が、魅力的でもあるんだけど、醜くもある。
彼を見ていてなんだか落ち着かないのは、そのアンビバレンツなところだろうなあ。
あの軽い感じが今っぽい男の立ち姿なんだろうか。
よくぞあれで殺陣をやったもんだ。ダンスもひどいもんだし。

あっつ、だんだん辛口批評になってきてしまった。

田中泯の制御された指先があまりに美しかったので、つい。

ただ、この映画が醸し出す「切なさ」は、オダギリの存在あってこそ、と思う。
その点ではぎりぎりうまくいっていたんじゃないだろうか。


沖縄で食う

2006年03月30日 | おでかけ
そもそもは、トロピカルフルーツを食べたい、という
スタッフの声から始まった社員旅行計画。
最初はバリに行こうという話もあったが、爆弾事件があって頓挫。
あまり無理のないところに、と思っていたら
取引先の方から「沖縄旅行に行ったよ~」とお土産が届き
がぜん、気分は沖縄モードに。

時期的にトロピカルフルーツにはあんまり出会えなかったけど
マンゴ、パパイヤ、パイナップル、パッションフルーツなど
南国の味も味わってきました。

フルーツに限らず、その土地のものはその土地で食べたり飲んだりするのが
一番おいしいね。

上の子は、今回の旅の目的を
「平和祈念資料館」と「海ぶどうを食いまくる」の2点に
徹底的に絞っていたため、朝昼晩と「海ぶどう」食べていました。
お土産用に買ってきた海ぶどうまで食べてしまい、
しうさんががっくりしてたけどね。
沖縄物産展とかで販売している塩漬けのものより
生のほうが断然おいしかった。

あと、沖縄そば、ソーキそば、ゴーヤチャンプルー、グルクンのから揚げ、
ミミガー、ティビチ、ゆしどうふ、サーターアンダギー、タコライス・・・
いろいろ食べてきたぞ。
食べることに関しては、けっこう満足した旅でしたね。



バナナの花。トロピカルフルーツの中では実は「島バナナ」が一番好き。


いつか行った台湾 その2

2006年03月28日 | 旅日記
その1からつづく

 高雄


 島影が近づく。
 漠とした黒い大きな影に点々と明かりが見える。
 ざわざわと心が沸き立つ。
 これが、台湾。  
 しかし、寄港地・高雄までは
 さらに島をぐるっとまわって南下しなければならない。
 島が見えてから到着するまでの長かったこと。
 港に入ってからがまた、長かった。
 すぐ近くに見える岸になかなか近づかない。
 聞くところによれば、船を泊める場所がないから
 空くのを待っているのだと!
 そんなこともありか、台湾。

 入国の手続きがまた、時間がかかった。
 船を下りたときはすっかり夕暮れになっていた。
 船の揺れがからだに残り、多少ふらつきながら
 港のまわりに立ち並ぶ港湾建物が夕日に染まるのを見上げた。

 留学青年に案内され、くだんのおやじと3人タクシーに乗り
 高雄の街中に入り込んだ。
 銀行はもう閉まっていたが、青年がどこからか両替をしてきてくれた。
 その上、おすすめの宿まで紹介してくれた。

 宿に荷を下ろし、屋台の並ぶ繁華街へ繰り出す。
 牡蠣の卵とじと青島ビールでまずは乾杯。

 屋台の看板、道路標識、店に並ぶ商品・・・
 漢字フェチの私は漢字がたくさん並んでいるだけで
 うっとりしてしまう。
 しかも、簡易中国語ではなく、旧字体。
 それらの文字が、赤や黄色の電飾で派手に飾られ
 屋台に並ぶぎらぎら光る魚介類とともに
 これでもか、とまでに迫ってくる。

 立ち上る湯気の向こうの小姐の笑い声、額に光る汗。  



昔話

2006年03月15日 | 昔ばなし

なんだか最近、昔のことを思い出す。それも子どもの頃のこと。

友人に話したら、
年をとるほど、過去にさかのぼって思い出すようになるのだと言う。
そしてやたらと話したくなるのだそうだ。
う~ん、たしかに、お年寄りほど昔話をしたがるよね。

こんな前振りをすると、私が年をとったと認めているようなものだけど、
でもね、昔のことって話さないと忘れちゃうのよ。

両親も亡くなって、兄弟や親戚も遠くに住んでいて、
昔話をする相手もいないと、ほんと、昔のことを忘れてしまいそうなんです。

お年寄りが昔話をするのは、きっと、忘れないようにするためなんだろうな~。
その時、自分がそこにいて、生きていたということを
話すことで確かめたいのよね。
うう、わかる、わかってしまう自分がつらいわ。

親戚縁者が近くにいれば、まわりから自然に耳に入ってくるような
家や家族の歴史も、
うちの場合は、私が子どもたちに伝えないといけないし。

そんなことを思っていると、あれもこれも、といろんなことが思い出されて
いっぱいいっぱいになってしまって・・・
どこかで吐き出さないと、いけませんね、これは・・・。


そこんとこ、よろしく!

2006年03月13日 | 近辺

わが家は2世帯同居。つれあいのお母さん、いわゆる姑さんと住んでいる。
このお義母さまが大変できた方で、私は大好きだし尊敬してるし感謝してるし
長生きしてほしいと思っている。

ただひとつ、これだけは直してほしいと思っていることが…。
それは




人が感動しているときに 茶化すな!




ドラマや映画やスポーツを観て、涙ぼろぼろ鼻ぐじゅぐじゅしているところを、
にやにやしながらのぞきこんで「泣いてる~」と笑うのだ、このばあさまは。
ふつう、するか?そんなこと。
しかも、しつこい。
感動の余韻に浸っていたい時ってあるじゃないですか、そういう時まで、
「また泣いてるの~?」「もう泣かないの~?」
も、なんでそんなこと聞くかな~。


人の感動に水差すようなことは、ほんと、やめてほしい。
特に子どもにそれをやると、深い情感を解す心の襞が育たなくなるではないか。

このばあさま、どうも人が泣いていると、茶化さずにはおれないらしい。
それは悲しみの場面でも同様で、しかも自分自身さえ、茶化してしまう。
そこまでいくと人生の達人的技だが…。

くしゃみするたびに「ぷっ」とか笑われるのもけっこう癪にさわるが、まあ、それは許そう。
とにかく、今後は、感動している人のそばで口をはさむことは控えてもらいたい。
あ、あと、録画を見る前にサッカーの試合の結果を教えるのもやめてねっ!

W杯を控え、うちのばあさまの調整に余念がないのだ。






PTA大河ドラマ論?

2006年03月11日 | 近辺

昨日は中学のPTA役員の引継ぎ会があった。
来年度、役員をやることになってしまった私にとって、最初の会合だ。
役員なんて初めてのこと、ベテランの皆さんを前に、すっかり緊張して席に連なる。
学校職員、新旧役員が顔を合わせ、挨拶や仕事内容の引継ぎがあったあと、別室で宴会の運びとなった。
慣れない宴席に、これまた緊張して赴いたのだが、通された座敷を見て、おお、これは…、と思った。

座卓ではなく、ひとりひとりに食膳が配されてあり、それが壁にそってコの字型に並ばれている。
会長、副会長を上座に、配下に各部長、監査などが居並ぶ。
このところ毎晩のように『新選組!』のDVDにぐじゅぐじゅにはまっている私は、思ってしまったのだ。
「これは、新選組の宴会ではないか!」

そう思ってしまったら、もうこの目は「それ」としか見えなくなってくる。

会長=局長をはじめ、副長、総長、参謀、各組長という組織図は、なんとまあ、昔も今も変わらないのだなあ。
私は会社勤めをしたことがないので、こういう組織関係はむしろ新鮮で、
なんだかドラマを見ているようでおもしろい。
妄想はどんどんふくらんで、緊張の宴会もなんだか楽しい。

1年間という長丁場を勤めるPTA役員会は、いわば大河ドラマの「座組」。
それぞれの役どころを演じるのが仕事なのだ。
楽屋裏があり、舞台があり、打ち上げがあり、舞台を盛り上げる共演者があり、お客様がいて・・・
う~ん、こんなふうに思ってしまうのは元芝居屋の癖でしょうかね。

なんて不謹慎な、と、先生や役員さんたちに叱られそうだけど
PTAの役員なんて、誰も引き受けたがらないもの、
楽しんでやれれば、それに越したことはないでしょう??

1年限りのこの「座組」を、楽しめればいいなあと、ふわふわ気持ちが軽いのは
春の陽気のせいだろうか。